Die Meistersinger von Nürnberg - 1. + 2. Akt (Staatsoper Berlin 1980, Suitner, Adam, Wenkoff, Leib)
Die Meistersinger von Nürnberg - 3. Akt (Staatsoper Berlin 1980, Suitner, Adam, Wenkoff, Leib)
Die Meistersinger von Nürnberg - Suitner - Tokyo 1987
東ドイツ時代でなく統一ドイツのベルリン国立歌劇場で、独逸乙女とはいえアタシが何故かエヴァちゃんを歌っている
粋に生き、ウィーン、夢の街へ音楽と美食の旅に行きたい - 歌の翼に
何でやねんと思いつつ、頭に浮かんだHatena記事が👇
2024年から選考基準変わるアカデミー賞作品賞
「主要な役にアジア人や黒人、ヒスパニック系などの人種または民族的少数派の俳優を起用すること」
「制作スタッフの重要なポジションに女性やLGBTQ、障がい者が就くこと」
多様性に名を借りる差別化が却って白人社会や男社会の反感を招き、軋轢生じると思うけどね
例えばの話、アタシ主演のハリウッド映画が作品受賞してアタシも主演女優賞受賞としよう
現行基準なら、素直に喜んどく(主演男優賞がエド・ハリスなら、そっちを狂喜するw)
新基準だと、「作品賞受賞は、心以外は独逸乙女じゃないアタシを起用したから(・・?」
新基準での作品賞及び主演女優賞が100%確実ならば、ジョージ・C・スコットやマーロン・ブランドに倣って拒否るわ
Marlon Brando's Oscar® win for "The Godfather"
誰か、出来れば男前、謝礼ケチらないから立候補どお?w
人種や国籍がメンドクサ~な面をやはり持つけど、映画界よりゃ門戸広いオペラ界
配慮という名の新型差別主義が、最後の砦にまで波及しないを願うばかり
オペラ界がもしも新型アカデミー賞作品賞のようになっちまえば
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』上演の90%以上がNGとなるで
市民社会が台頭しつつある16世紀中葉のニュルンベルクを舞台にま~写実的な世界が描かれる
もう一つおまけに、「反ユダヤ思想」を孕む
従って、この作品に関する限り、黒人やアジア系が混じると違和感アリアリ
60年前の日本初演が日本人Onlyなどは別物と置き、近年は白人Onlyじゃない上演少なからずながらも
異色が脇役に1人か2人、合唱団にチラホラ程度でなら気にならず、主要な役ならウ~ンと考え込んでしまう
オペラ芸術がそもそも、東洋やアフリカを舞台に描こうと欧州の産物で、米国含む西洋人基準だぜ
マイスタージンガーのエヴァちゃんなんて、白人歌手でさえ案外ハードル高いしな
左:2000年にメトロポリタン歌劇場で歌ったカリタ・マッティラ
Die Meistersinger von Nürnberg: "Selig, wie die Sonne" (Quintet)
右:1963年頃にバイロイト音楽祭で歌ったアニヤ・シリヤ
Meistersinger - "Selig, wie die Sonne" (Quintett) - Bayreuth 1963
シリヤは23歳当時で、マッティラが初めて歌った年齢も23歳(2000年には40歳)
この2名が、エヴァちゃんに相応しい条件を備える
エヴァちゃん条件とは大きく分けると2つ
(1)18歳くらいのドイツ中産階級娘に見える
ワーグナー作品の中で唯一、神がかった存在が登場しない写実世界を描く喜劇の女性主人公だ
美人でもな、中年太りや経年劣化絶賛進行中のBBAお断り
鉤十字宣伝ポスターに登場しそうな金髪碧眼もしくはそれっぽい容貌持つ歌手が理想的
若さがとにかく必要な理由👇
ウィーン国立歌劇場2008のマグダレーネとダーフィト
彼女は、父子家庭である金細工師ポーグナー家でエヴァちゃんの乳母兼女中
彼は、その隣に暮らす靴屋ハンス・ザックスの徒弟にしてレーネの彼氏
ダーフィトが徒弟仲間に「や~い年増好き」と揶揄われるほど姐さんカップルである
ま~自然に映るのは恐らく、彼が20歳そこらで彼女は30代前半辺りでと「レーネがまだ婆さんじゃない」
エヴァちゃんから見るとレーネは乳母や母親でなく年の離れたお姉ちゃん程度の感覚ね
従って、エヴァちゃんがあまりBBAだと、レーネとの関係に違和感生まれよう
エヴァちゃんにそれなりの若さが欠かせないのよね
(2)Jugendlich-dramatischer Sopran(若々しいドラマティック・ソプラノ)
ワーグナー歌手でなくてもモーツァルト『フィガロの結婚』の伯爵夫人歌える歌手なら手に負える
但し、意外と音域低く、会話劇を『ニーベルングの指環』のオケ分厚さで歌い
しかも出番少なかろうと一度口を開けば長丁場多いワーグナー作品であり、普通のリリック・ソプラノでは厳しい
将来的に劇的な役柄を目指すリリック・ソプラノや、ワーグナー歌手だが小娘声のシリヤに楽勝なの
ワーグナーにはほとんど手付かずのマッティラとて、R・シュトラウスでは首切りサロメ歌ってるしね
上に書いた条件だけでもう、白人歌手にとっても難関の役柄とわかるわな
エヴァちゃん歌手最大の難点が何しろ、「肝心要のDeutsche Jungfrauが手薄」
マッティラは、フィンランド人
シリヤはドイツ人だが、フィンランドもか、オランダの流れを汲んでいる
世界に冠たるドイツ民族美女は一体何処にいる!?
Wagner: Die Meistersinger von Nürnberg, WWV 96 / Act 3 - "Selig, wie die Sonne"
ヴァルヴィーゾ指揮バイロイトLive盤でなく、ショルティ指揮スタジオ録音盤ペタリ
…娘らしい声ながら、線細いのガー
他のドイツ人歌手を当たってみても、帯に短しタスキに長し的なのばかり現れる
となれば、しゃ~ない
戦後録音の全曲盤は全盛期を過ぎており、この際已むを得まい
Tiana Lemnitz sings Eva "O Sachs! Mein Freund!"
Tiana Lemnitz (Soprano) - Short Biography
Live performance, 5 September 1938, Nurnberg, Wiener Philharmoniker, Wilhelm Furtwängler (conductor)
世界史の成績が悪くなけりゃの話、「1938年9月5日」に行われた演奏会の意味わかるよな
第10回党大会、ついでに書けば最終回となった、鉤十字党党大会
1938年9月6日から12日にかけてニュルンベルクで開催された大会、その前夜祭
となると、当然、この作品の楽譜を地獄の土産にしたという噂持つヒゲの総統閣下御前演奏会
党のスローガンは何だっけ?あ、『大ドイツ』?幻となった第11回の『平和』と同じく笑わせてくれる~
…鉤十字シンパだった、戦前が全盛期のティアナ・レムニッツ
そこまで遡らないと、最強のドイツ人エヴァちゃん見つからないも笑わせてくれる~w
大真面目な話
Thomas Beecham conducts "Die Meistersinger" (1936)
動画終了直前に聴かれるトリル歌唱、完全無欠で、天国的だぞ
結局何が言いたいかっちゅうとな
ところで、このビングさん、ウィーン出身のユダヤ人
第二次世界大戦直前から戦中にかけて、自らも、家族も、多くの友人たちも、鉤十字ドイツから酷な扱いを受け
心から人種差別を憎んでいました
もっとも、肌の色が全ての物事を克服する、オペラでは完全に無視し得るとは考えておらず
貴族未亡人に連れられた3人の孤児が、白人の子2人と黒人の子1人の配役では不適当だと干渉しました
色違いの子供たちを連れている白人女性って、フシダラであると受け取られる恐れありますからね
赤文字にした部分が、「本当の配慮」と言えないかね
色違いの子供たちを連れている白人女性などへの偏見や差別は改善されるべきながら
偏見や差別なんてルール変えたくらいでは一朝一夕に無くならないものだ
何年単位でも困難極まる
「配慮」の現実はあちらを立てればこちらが立たずであり、弱者が迫害者となる恐れがある
弱者を訴える身でいて恥ずかしくないの
弱者を盾に優遇して貰う格好の「配慮」なんて、反感食らって逆に差別を助長したり、自滅行為を気づけ
どう頑張っても決して乗り越えられない壁がこの世には存在することを、マイスタージンガ-から学べ