mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

倫理観守るべく、物事の白黒決める必要性は大きい

この記事も昨日に続き、クラシック備忘録だから気にしないでね
昨年1月7日アメブロ別荘記事よりの転載にちょこっと加筆でやんす
そいじゃ、本題へ
 
 
 
 
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ルドルフ・ビング(1902年1月9日 – 1997年9月2日)
1950年から1972年までの22年間、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場総支配人を務めました
彼のサヨナラを惜しむガラコンサートざます
 
 
 

欧州の名歌手や名指揮者には大枚はたいて、子飼いの米国若造指揮者には冷や飯食い
は置いといて
 
 
 

ビングの秘書は皆、給料はともかく働き者揃いでしたが、結婚決まると賢い淑女らしく寿退職しました
その中に、カトリック司祭と相思相愛がいたんですよ
秘書自身、信心深いお嬢さん
司祭はといえば、画家の才能持つ多才な青年とのこと
若い二人は真剣に結婚を考えるも
ビングは1970年代前半に引退しているということは、たぶん半世紀以上前の太古の話でしょうから
彼が還俗するのは極めて困難でありました
一度は諦め、別れを考えたかもね
が、コネって強いですな、彼女の雇い主が、名門歌劇場総支配人の特権を行使してくれ
イタリアン・コネクションに頼み、彼を純潔の誓いから自由にしてやったおかげ様で
彼と彼女は教会での結婚式を挙げることが出来ました
その後はカリフォルニア移住、彼は大学の教壇に立ち、幸福に暮らしていてメデタシメデタシ
 
 
 

ところで、このビングさん、ウィーン出身のユダヤ
第二次世界大戦直前から戦中にかけて、自らも、家族も、多くの友人たちも、鉤十字ドイツから酷な扱いを受け
心から人種差別を憎んでいました
もっとも、肌の色が全ての物事を克服する、オペラでは完全に無視し得るとは考えておらず
例えば、R・シュトラウスの♪ばらの騎士第一幕
貴族未亡人に連れられた3人の孤児が、白人の子2人と黒人の子1人の配役では不適当だと干渉しました
色違いの子供たちを連れている白人女性って、フシダラであると受け取られる恐れありますからね
ビング個人的には無論、何色人種だろうが眼鏡に適えば何も問題なく
METの主役でも黒人はお断りする白人特権階級主催パーティーに参加せず
黒人バレリーナと二人でパーティーを開いたり
アトランタの宿泊先ホテルでは、敢えて黒人ソプラノを食事に同伴させ
レストラン内の話し声がピタリ止まるを見て、おバカ白人どもを腹の中でバカにしたり
MET地方巡回公演の際、人種差別の激しい南部では、黒人団員に配慮するほどでした
 
 
 

MET地方巡回公演に関するエピソードで傑作な話を
 
 
 

ビングは最初の頃、南部の駅に入り、白人用と有色人種用に分かれたトイレを見た瞬間
人生最悪の瞬間の一つであると憂鬱になったといいます
彼はアトランタの醸し出す優雅さを愛しながらも
最初の数年間というもの、全く冗談事じゃないレヴェルの人種偏見と闘いました
それだけに
 
 
 
 
 
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フランスの名指揮者ピエール・モントゥー(1875年4月4日 - 1964年7月1日)
なお、この人もユダヤ人ですと追記しといて
ついでに
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(1923年11月1日 - 2005年1月15日)
mathichenさんの愛するセスクと同じカタルーニャの生んだ偉大なる歌姫なもんで~のペタリ
 
 
 

ある年の巡回公演にモントゥーが参加した時の出来事
ビングがアトランタ郊外のドライヴに誘い出し、途中、お茶でも飲もうかとなりました
車を停め、道端にあった質素な場所に入ると、肥った黒人のオバちゃんが出てきて
「旦那さん方をお客さんには出来ません。ここでは有色人種だけがお客さんなのです」
すると、モントゥーさん、上の写真通りの素晴らしい笑顔で、「おおマダム…」
「だけど、我々も有色人種ですよ。我々はピンクですから」
 
 
 

何の映画だったか、1950年代のハリウッド作品
白人用喫茶店と知らず入った通りすがりのメキシコ人?家族がいて
彼らがつまみ出されそうにを見て怒った白人夫婦の旦那が店主と取っ組み合いする
そんな場面を観た記憶あります
これは正義感からの行動でしたが、モントゥーさんの場合、真理を突いていますね
本物の白だろうが、ピンクだろうが、色は色、無色人種などこの世に存在しない
偏屈系アメリカ人のみならず、日本人含む世界中が心に銘じるべき神様の声ですよ
 
 
 
 
Yahoo!本館版追記)
 
 
 
 
さっき、メッチャ気分いくない!愛国心もどきブログ記事見たのさ
ブッ飛ばしたる~わけにいかんので、ウザイ気分吹っ飛ばしたる~も込めてんだよ
 
 
 
 
いつだったか、某セレッソ応援団が言ったの
「おねーさんって、マイノリティに同調する傾向見られるよね
それが悪いわけじゃない。批判精神は大事なんすよ」