mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

楽園を夢見て~愛と哀しみの旅路&ヒマラヤ杉に降る雪~

太陽にかける橋 Bridge to the Sun (1961年)
日本と海外の男女逆転させたら、どのような作品が出るか?
題名を羅列するだけで面倒な数が見られるので、『戦争』で思い出した作品を挙げると





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1936年
ロサンゼルスで日本人向け映画館を営む日系一世ヒロシ・カワムラの娘リリーが
映画館で働く元労働活動家のジャツク・マクガーンと恋に落ちた
両親の猛反対にもかかわらず
移民と米国市民の結婚を禁じた当時のカリフォルニア州法を避けるため、シアトルに駆け落ちして挙式した
やがて日米開戦を迎え、戦火の激しくなる中
ジャックは徴兵され、日系人は収容所に強制移住となったため、2人は離ればなれに…




カリフォルニア州
カリフォルニアでは1948年まで、異人種間の結婚や関係を禁止する法律があった
1934年からは、MPAAによって定められた映画製作倫理規定(ヘイズ・コード)が加わった
映画界では独立系を除き、1960年代半ば頃まで影響及ぼしたと記憶する
映画製作倫理規定のトバッチリをまともに食らったのが、中国系三世女優アンナ・メイ・ウォンだった




1930年代に日系との結婚なんて、そりゃ駆け落ちでもしないと無理な話だって
結婚出来たら今度は、子供に被害出る
愛と哀しみの旅路では、クリスマス商品売る店でだっけか、娘ミニが買い物拒否される
母親の血が濃いミニの容姿から、白人店主が勝手に異教徒(仏教徒)と決め込んでるんだよ
アジア系には昔から欧米人以上の敬虔なキリスト教徒わんさかいるぞは置き
そこで生まれ育ったんだったら、将来変更可能でも、まずは国籍無関係にそこの国民である
父親が怒鳴った「ウチの娘は、アメリカ人だ!」、この言葉こそ真理なのにね




ここでトリビア入れとくと
http://anoima.info/marian/
未来から20世紀の現代にタイムマシーンでやって来たMiMiが懐かしいマリアン
父親の国アメリカでは、ほとんど100%アジア系認定受ける容姿だってよ
確認してないけど、母方祖父が中国系フィリピン人であるフイービー・ケイツもかしら?
ちなみに、フィービーの実姉ヴァレリー、彼女はアジアのDNAが妹以上に濃い
美人姉妹産んだママは、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルが大絶賛した美女との事




愛と哀しみの旅路に戻ると
終戦から3年後、ジャックが前線から帰還し、リリーとミニに迎えられた
戦争中に娘夫婦を許したリリーの父は、家族離散して全てを失ったショックにより自ら命を断っていた
リリーの父を、いま思い起こしてみると
「ジャックが結婚の許しを受けに赴いた時、不機嫌そのものの渋い表情を見せる」
これって、カワムラ家を襲う苦難を予知し、敢えて日系移民の孤立を望んだと言える気がしないか?




上段の根拠↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96%E5%9B%BD
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%8A%E3%83%84_%E5%B1%8A%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%89%8B%E7%B4%99
二つの祖国には、天羽賢治の言葉として、「アメリカ人だが心の中は日本人だ」
これの逆、「肉体は日本人だが心の中はアメリカ人だ」があって不思議じゃない
見た目は日本爺さんであるセルジオ越後の、「中身は、ブラジル人」を思い出してよ
んで、ブラジル移民といえば、田中さんちのトゥーリオみたいな混血少なくない他方に
一世から100年経ってるのに、一族全員、日本の血以外流れてないも見られる
ハルとナツにも、現地人嫁を巡るスッタモンダ場面あったよね
現地人嫁が働き者で、日本から呼び寄せた『写真花嫁』が外れだった場面も
とにかく日系移民は複雑ながらも、自分らで固まる印象が強い




写真花嫁?英語だと、Picture Bride
https://movie.walkerplus.com/mv10495/
愛と哀しみの旅路のリリー、タムリン・トミタが出演している
主演は、工藤夕貴である




工藤夕貴といえば

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ヒマラヤ杉に降る雪 Snow Falling on Cedars (1999年)

1954年。ワシントン州のサン・ピエドロ島で第一級殺人の裁判が開かれる。容疑者は日系人のカズオ(リック・ユーン)。漁師のカール(エリック・サル)を殺した罪に問われているのだった。前日にカールに会っていたカズオは不利な立場だった。傍聴席に座る新聞記者のイシュマエルはカズオの妻・ハツエ(工藤夕貴)と十数年前、愛し合う仲だったが、太平洋戦争が二人を引き裂き、ハツエはカズオと結婚。イシュマエルも戦争で片腕を失っていた。イシュマエルはカズオが無罪だという証拠を握っていたが、ハツエをいまだに愛している彼は証拠を提出する決意がつかない。日系人に対する差別が渦巻く法廷で、カズオは孤立していた。良心と過去の傷の間で、イシュマエルは引き裂かれるが、愛が運命を決めるのだった。

https://movie.walkerplus.com/mv31414/




ミヤモト夫妻の新婚初夜場面、憶えてる?
「初めてよ♪」
女が強調する時は確実にキズモノ、それが世間の相場
ハツエも皆様お察しの通り
托卵企む俗世間と異なる点は、「カズオを守る意味合いが込められる」




イシュマエルの両親に、日系移民への偏見は無かった
しかし戦争の嵐という時代背景が、若い二人の仲を許さず、引き裂いた
戦後も偏見を抱き続ける陪審員に向けて、「人は罪のみにて、裁かれるのです」
カズオを弁護する老弁護士は、日系移民が結束する事で偏見と差別を避けようとしたを指摘する




イシュマエルの献身的捜索により、カズオが無罪となった後
静かに立ち去ろうとするイシュマエルを呼び止め、近寄って一言、「貴方の優しい愛を有難う」
ハツエが、封印しているイシュマエルへの想いを表した
フラレ男的苦悩を抱えていたイシュマエルの救済となる
「ハツエは親に従順な日本人女性、かつ現実主義者過ぎる」 という声が聞かれるけど
21世紀日本にだって禁忌が存在するのに、恋愛体質のゆとり男女にゃ死んでも理解不能でしょね
「日系アメリカ人女性なら、日系アメリカ人男性の妻として、操を立て、生涯を共にする」
共同体を逸脱しない事が自身と仲間の両方を守る術と言えば?




選んだ道は正反対のリリーとハツエどちらも、日系アメリカ人女性の真実でしょけどね