mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

運命の夜が訪れた…黄色を選んだが、二個一故に、You’ll Never Walk Alone

“運命の悪戯”が引き寄せた”最高のドラマ” サッカー界を彩るクロップとドルトムントの物語
Soccer Magazine ZONE web 4月7日(木)19時35分配信

リバプールのクロップ監督と古巣ドルトムントが因縁対決

 3月18日、UEFAヨーロッパリーグ準々決勝の組み合せ抽選会でドロワーを務めたアレクサンダー・フライは、対戦カードを決める6枚目のくじを引き、その中身を確認すると、苦笑いにも似た微笑みを浮かべた。そして、その紙を視聴者に向けると、書かれていたのはセビージャの名。その瞬間、3試合目のカードが決定し、会場はどよめきに包まれた。なぜなら、残されたくじは2枚であり、次にどちらを引こうとも4試合目の対戦カードが決定したからだ。残されていた2チーム――それがドルトムントリバプールだった。

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ドルトムントとは当然、当たりたくない。大会最強のチームと対戦するなら、決勝がいいね」

 ベスト16でマンチェスター・ユナイテッドを退けた後、リバプールユルゲン・クロップ監督は、そう口にした。現在プレミアリーグ2位と好調のトットナムに圧勝し、ベスト8に駒を進めた優勝候補筆頭のドルトムントとの対戦を避けたいのは、どの監督も同じだろう。しかし、クロップ監督とドルトムントとの間には、他の誰もが決して描くことのできない物語が存在する。

 ドイツ人の知将は2008年からの7シーズン、ドルトムントを率いた。就任当時は低迷していた古豪だったが、圧巻のマネージメント力で見事にチームを蘇らせた。2010-11シーズンには、まだ世界的には無名だったMF香川真司を日本から獲得し、1年目からその才能を開花させると、勢いに乗ったチームはブンデスリーガ連覇を達成。前線からの連動したプレッシングとショートカウンターを生命線とした「ゲーゲン・プレス」を駆使したチームは、主力メンバーを少しずつ入れ替えながらも進化を遂げ、12-13シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグで決勝進出を成し遂げている。

 こうしてドルトムントに黄金期をもたらしたクロップ監督だったが、終焉は突如として訪れた。14-15シーズン、開幕から大不振に陥ったチームは、前半戦を最下位で折り返す事態に。一時代を築き上げたチームに充満したマンネリ化を止めることのできぬまま、クラブは”英雄”監督のシーズン終了後の退任を発表。7年間に及んだ美しいストーリーに、ピリオドを打つこととなった。

ドルトムントが示したクロップへの愛情

 もっとも、ドルトムントの誰もが14-15シーズンの不振を招いたクロップ監督の退任を望んでいたかと言われたら、答えは「NO」だ。リーグ最下位から抜け出せずにいた一昨年の12月も、ドルトムントサポーターは敗戦後、「落ちる時はクロップとともに」という横断幕を大々的に掲げた。解任を要求する大ブーイングが起きてもおかしくない状況下で、サポーターは指揮官への愛情を貫いた。最終的に退任という結末を迎えたが、誰もがクロップ監督の功績を称え、メガネがトレードマークの情熱家は惜しまれながらドルトムントを後にしている。

 そしてチームは、後任にトーマス・トゥヘル監督を招聘。マインツからドルトムントに活躍の場を移し、成功を収めたクロップ監督と同じ道を歩むことになったトゥヘル監督も、それまで指揮していたマインツでの経験をドルトムントにうまく取り込むなど、長期政権からの刷新は順調すぎるほどスムーズに進んだ。序盤戦から好調を維持し、「クロップ黄金期」が最高の思い出へと変わろうとしていた時、英雄が敵将として、あまりにも早い帰還を果たすことが決まったのである。

 昨年10月、クロップ監督はわずかな休養期間を経て、ブレンダン・ロジャース前監督を解任した名門リバプールの指揮官に就任。活躍の場を自身初のプレミアリーグに移した最初のシーズンに、ELの舞台で古巣との対戦が実現するなど、退任した昨夏の時点で誰が予想できただろうか。

「昨日は、ドルトムントとは戦いたくないと言った。けど、今は嬉しい。この大会で優勝するには、どこかで最強のチームと当たらなければならないものだ。それに、かつての仲間たちに、今率いているチームを紹介する最高の機会だよ。これは、フットボールだけが描くことのできるシナリオだ。素晴らしい、こうでなくちゃ!」 

 抽選会後、クロップ監督はサッカーの神様が与えた”運命の悪戯”に抗う姿勢は見せなかった。優勝チームにはCL出場という特権が与えられるこの大会は、リーグ戦で浮上のきっかけを掴めないリバプールにとって、より重要な存在となっている。当然、早い段階での優勝候補最右翼との対戦は喜ぶべき事態ではない。冒頭で記した「決勝で対戦したい」というクロップ監督の発言には、「ドルトムントとは一発勝負に持ち込みたい」との考えも、少なからず含まれていたはずだ。

両チームが合唱する「You’ll Never Walk Alone

 しかし、一方で、このような考え方もできる。仮に両チームがベスト8で対戦せず、決勝で顔を合わせることになった場合、一発勝負の試合はスイスのザンクト・ヤコブ・パルク(バーゼルの本拠地)で開催される。そのため、ドルトムントの本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに英雄が凱旋するドラマは実現しなかった。クロップ監督はドルトムントに帰還すべきと、運命がその答えに導いたのだ。

 かつてクロップ監督の下で輝きを放った愛弟子たちも、喜びを爆発させている。主将DFマッツ・フンメルスは「特別な組み合わせで最高の抽選結果だ」とのコメントを残すと、MFイルカイ・ギュンドアンは「奴がここに戻ってくるぞ!!」と、ツイッターを通じて抑えられない興奮を表現した。

 ホーム&アウェー方式で行われ、第1戦は7日にドルトムントのホーム、第2戦は15日にリバプールのホームで開催される。赤き情熱を持ち、黄色の誇りを忘れぬ名将は「両クラブのサポーターが『You'll Never Walk Alone』を歌うのは、100%最高の物語になる。世界最高峰の2つのクラブがELで対決する。数カ月前にこの大会はつまらないと思っていた人々には、ぜひともこの数週間で意見が変わったと口にしてほしい」と、今季の欧州サッカーシーンのハイライトとなる大舞台を心待ちにしている。

 素晴らしき7年間を経て、別々の道を歩み始めたクロップ監督とドルトムントは、両サポーターが大合唱する「You’ll Never Walk Alone」が響き渡る中、サッカーの神様が結びつけた運命的な再会を果たす。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160407-00010013-soccermzw-socc





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一瞬、アタシとアタシの顔合わせに見えた…





両チームのために、YNWAをワーグナー歌手級大声でお願いします
観られなくてもつきまくる、愛情込めた悪態の方が大声と思うわ~