mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

【Hatena版】厳かな歌の殿堂入りを夢見て

Lohengrin 1( extraits), Vienne 4-7 janvier 1985 - YouTube

カタリーナ・リゲンツァのエルザ映像見つけた☆彡

アタシの掴んでいた未確認情報はミュンヘンでの『ローエングリン』、でもま、この際何処でもエエわとヽ(^。^)ノしといて

オペラ歌手シリーズ第三弾をば

「あまり早いうち、30代から、トリスタン、ジークフリートタンホイザーといった最重量級役柄は歌うべきじゃないのは事実よ」

そこで、オペラ歌手の年齢とキャリアについてイロイロ考えてミタ

 

 

 

 

リゲンツァのデビュー年齢は27歳で、モーツァルトフィガロの結婚』伯爵夫人を歌ってのもの

伯爵夫人を歌ってデビュー、これは未来のドラマティック・ソプラノ定番の1つ

ヒルデガルト・ベーレンスも伯爵夫人を歌ってデビューした

ベレーレンスの特徴を挙げれば、医師の家庭に生まれ、当初はフライブルク大学にて法学を学び、税理士の国家資格を有するとも云われる点

一度大学を卒業し、その後、フライブルク音楽大学に学び、1971年卒業当時、既に34歳で、しかも未婚の母で息子が1人いた

遅いデビューと言えば、Luana DeVol

中央に立ってるBBAな

20代から歌手活動始めたけど

本格的なオペラ活動を始めたのは、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』エーファを歌った40歳になってからだった

メトロポリタン歌劇場デビューが、一般的なソプラノなら第一線を退き始める63歳の時だなんて、珍種の部類に入るw

 

 

 

 

男女双方、何歳でデビューし、何年後に引退するか、千差万別であり正解は無い

ただ

ローザ・ポンセル - Wikipedia 

声楽教師にその才能を見出され、METのオーディションに臨んで合格後

第一次世界大戦中ということもあって欧州出身歌手が不足気味だった幸運もあり

21歳の若さ、初舞台が大劇場MET、初役がドラマティック・ソプラノの難役であるヴェルディ運命の力』レオノーラ

La forza del destino: Pace, pace mio Dio (Recorded 1928) - YouTube

共演男性陣はスター歌手と、全てが異例ずくめの中

聴衆・評論家の双方に絶賛され、一夜にしてスターダムにのし上がるなど、1世紀後現在もう絶対あり得ない

 

 

 

 

アストリッド・ヴァルナイ - Wikipedia

ポンセルと異なり、ドラマティック・ソプラノの重要な15の役柄の準備済みとはいえ

Walküre 6/Dec/1941 MetOpera (Traubel, Melchior, Varnay, Schorr, Thorborg, Kipnis - Leinsdorf) - YouTube

代役としてほとんどぶっつけ本番のワーグナーワルキューレジークリンデ

その様子が実況放送されるとセンセーショナルなデビューとなった

これは弱冠23歳が大役を演じた初めての機会であり、しかもそれが大成功を収めたからだが

その6日後には、またも代役で、今度はブリュンヒルデとあって、最早呆れるw

 

 

 

 

 ポンセルとヴァルナイの違いは、前者が40歳前に引退し、後者は51歳でメゾ・ソプラノに転向して77歳まで現役という点ね

ちなみに、ポンセルの興味深い点として

・全盛期にあっても高音域に不安を抱え、また、何故かプッチーニを歌わなかった

・その声なら歌えるワーグナーの3E(エーファ、エルザ、『タンホイザー』エリーザベト)も歌っていない

エルザだけは、Rosa Ponselle - Eisam in trüben Tagen / Elsa's Dream - YouTube

あと、引退して久しい56歳でのRosa Ponselle: "The Informal Recordings" - Liebestod (Wagner, 1953 recording) - YouTube

現役歌手なのに録音用ですら破綻してる箇所が見られるアンナ・ネトレプコのイゾルデが如何に無謀かの証明となったのガーw

 

 

 

 

若くしてオペラ歌手デビューした女声歌手で特筆すべき存在を挙げれば

Anja Silja, interview door Jan Venema, Holland Festival 1968 - YouTube

ja.wikipedia.org

1960年後半には、西ドイツの週刊誌や画報のカヴァー・ガールとして引っ張りダコだったミニスカの女王にして

🗾の取材に「Mein Man(ワタシの夫)」と言い切った、ワーグナーの孫息子ヴィーラントを看取ってあげた愛人ね

彼女はフィンランド人男優とドイツ人女優の間に生まれた私生児で、母方祖父の手で育てられた

祖父というのが、声楽とピアノの教師を兼ねていたばかりでなく、小説、絵画、彫刻も手掛ける一風変わった芸術愛好家だった

そのため孫娘を自ら訓練し、早くから音楽の才能を見せた孫娘は10歳で初めてコンサートに出演し「神童」として注目された

満を持してのオペラ舞台初登場は、16歳でのロッシーニセビリアの理髪師』ロジー

キャリアは順調に進み、19歳にしてウィーン国立歌劇場とエクサン・プロヴァンス音楽祭にお目見えしたが

Die Zauberflöte (1959) - YouTube

Anja Silja Mozart Die Zauberflöte Der Hölle Rache Aix en Provence 15 07 1959 - YouTube

モーツァルト魔笛』夜の女王、娘奪われて怒るオカンの役を歌う19歳って何なん?w

モーツァルトでは、Anja Silja - Mozart: ABDUCTION FROM THE SERALGIO, Ach ich liebte & Martern, Frankfurt 1963 - YouTube

後宮からの誘拐』コンスタンツェも、1959年に既に歌っている

コロラトゥーラ・ソプラノの難役に留まらない

Anja Silja: "Fidelio" - YouTube

ベートーヴェンフィデリオ』レオノーレ、行方不明となった夫を探し求める妻というドラマティック・ソプラノの難役も手掛けた

音源見つからなかったヴェルディトロヴァトーレ』とプッチーニトゥーランドット』題名役も1959年に歌った

だもんで、やはり同年にバイロイトのオーディションに合格し

Anja Silja - Johohoe! (Der fliegende Holländer) - YouTube

芳紀20歳で『さまよえるオランダ人』ゼンタを歌った頃、周囲の人々の中に声の痛みを懸念する者がいた

それを知ってか知らずか、シリヤをバイロイト内外で起用し続けたのが、ヴィーラント

シリヤのバイロイト起用(+愛人としても起用)は一族の猛反対を押し切っての上に、大物歌手が健在と上が閊えてるだけに

音楽祭では、若々しさが物言うエーファ、エルザ、エリーザベトの3E、ゼンタと脇役を歌わせ

Wagner: Tristan und Isolde (Rome 1965) with Anja Silja - YouTube

他所で、25歳にイゾルデを歌わせる暴挙に出たりした

Anja Silja: “Hojotoho!” (Wagner's "Die Walküre") - YouTube

1967年の大阪でブリュンヒルデ歌わせたのは、バイロイト絡みながらも🗾でなら嫁怒ろうが怖くないってかは置いといてw

Strauss ELEKTRA (Anja Silja, Berit Lindholm, Jean Madeira, Gerd Nienstedt, Jean Giraudeau) - YouTube

ローマでのイゾルデは、24歳でエレクトラ歌ってる所へ追い撃ちに等しい

以前書いたように、ヴィーラントは弟ヴォルフガングと異なり、祖父作品以外の演出も手掛け

サロメ、ベルク『ルル』といった難役をシリヤに歌わせたし、当然、シリヤの声は壊れ始めた

Anja Silja: "Pace, pace, mio dio" - YouTube

Anja Silja sings Brunnhilde's Inmolation - YouTube

声壊れると言っても、全く歌えなくなったわけじゃないぞなもし

30何歳までは大きな破綻無く、その後も抜群の演技力を活かし、持ち役を変え「歌う女優」として活動続けてるのが素晴らしい

83歳現在わからないが、78歳の2018年には現役だった

Humperdinck- Hänsel und Gretel (Advent Opera in 3 Acts based on Brothers Grimm) Opéra Garnier 2018 - YouTube

BBAらしく、お菓子の魔女役でw

 

 

 

 

ココまで長ーくなったが

・あまり若過ぎても、逆に年取り過ぎてると厳しいものの、何歳でも歌手になれる

・声楽の訓練は不可欠だが、音楽学校出ていない者に歌手の道閉ざされると決まっていない

声楽家のOld Schoolはそういうものよを汲み取って貰えたら何よりよ

 

 

 

 

ところで、当記事は【Hatena版】だから当然元記事が存在する

mathichen.hatenablog.com

 

 

 

 





 

声楽コンクール受賞者って、コンクールもピンキリなので皆が成功収めるものじゃない

Yahoo!記事冒頭にYouTubeペタリした、プラシド・ドミンゴが主催するOperalia2015年優勝者リーゼ・ダヴィドセン

Lise Davidsen - Wikipedia

Fidelio – Komm Hoffnung (Beethoven; Lise Davidsen; The Royal Opera House) - YouTube

2023年現在まだ36歳だが、予想通り、声と経歴で大成しつつある(体型は予想に外れ,、二の腕太さが…w)

バイロイトではエリーザベトとジークリンデを歌っているが

将来図にブリュンヒルデやイゾルデが射程距離に入っており、10年後15年後に歌うと思われる

 

 

 

 

カリタ・マッティラ、ニーナ・シュテンメ、ブリン・ターフェル、故ドミトリー・フォロストフスキーetc.

受賞と落選問わず錚々たる顔触れを輩出した、西暦奇数年に開催されるBBCカーディフ国際声楽コンクール

これは正直、2001年以降も高水準なのかイマイチわからない

1999年が高水準なのは確実

Anja Harteros - Come scoglio from Così fan Tutte (CSOTW, 12th June 1999) - YouTube

ヴェルディではアイーダワーグナーではエルザやジークリンデ、それが最近どうやらイゾルデに挑戦と聞いたのよ

あ”、1995年準優勝者が2020年に現役で安心した

Interview with Kirsi Tiihonen - YouTube

コンクール当時ファイナリスト最年長の33歳で、年齢上限ギリギリのため、「これ逃がしたら、2年後の再挑戦無い罠」

現役でも地味な存在に終わってるのが、イゾルデ他重量級役柄を歌える歌手とあってちと哀しいけどw

 

 

 

 

そう、年齢上限が、コンクールを足掛かりに歌手目指す男女にとって、音楽学校出ていても厄介

Susan Chilcott : "Temerari... Come scoglio" (1996) - YouTube

Yahoo!記事の

「歌っておられるスーザン・チルコット嬢、いまから数年前、40歳の若さで白血病再発させ昇天

薬の副作用で髪の毛ゴッソリ抜けてもめげず、再起したのも束の間

現在、彼女の名前を冠した奨学金が英国にあります

楽家養成のための奨学金は数多くあれど、チルコット奨学金は異質です

受給年齢の下限は設けても上限は無し。何十歳でも審査に合格すればOK

下限儲ける理由、それは声がまだ出来てないのに欲かいてを排除するため(・・?

ともかく、コンクールに年齢上限無しが無理だったら

遅咲きの逸材いうのは大体、一応プロとしてデビューしている存在である

プロとして活動する機会を失った者を、声楽家の場合で考えてみましょ

平均寿命伸びたとはいえ、器楽奏者と比較すると、生涯現役とは行かない限界訪れる声楽家

しかしながら、アマチュアって本来、プロと同等の教育受ける者を指すよね

何らかの事情により若き日にプロ断念したが、40歳くらいでようやっと自由を得る逸材もいると思うのよ

上限無しとまで言わん、50歳からの第二の人生を与えるみたいなの、無理な相談?

野球選手やサッカー選手の現役寿命が伸びたって

J2、J3なら、おっさん選手活躍の場あるが、それでもやはり、往年のスター最晩年タイプ

ピークが20代から30代に訪れるスポーツの世界に、40過ぎてのデビューは無い

数年前50何歳で引退したバレエのシルヴィ・ギエムが、12歳というバレエ始めるには遅過ぎる年齢で始めての成功は

幼児期から続けていた新体操に欠かせない芸術表現を学ぶためにバレエ教室に通った所

新体操で身体訓練出来ており、「バレエは条件揃えば長くやれる」と勧められたからだった

体操競技って10代から20代にかけてと早い時期にピーク迎えるからね

スポーツの世界にも大器晩成型いるけど、マァごく短期間に終わる

スポーツと対照的に、芸術の世界は受け皿広く、音楽家の場合、条件揃えば40歳過ぎてのデビューが可能

キャリアの成否さておき、中年がプロの世界入りする機会を与えろということね

 

 

 

 

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