mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

巫女にして戦乙女よ永遠に~ガブリエーレ・シュナウトに捧ぐ~

一体いつになれば涼しくなるんでしょね(・・?

「空調が無い」バイロイト祝祭劇場熱中症で死屍累々にならなかったのはちと残念無念の頃なw

 

 

 

 

ところで

映画監督ヴェルナー・ヘルツォークの演出で、1986~1990年に上演された『ローエングリン

第二幕、婚礼の式のために礼拝堂へ向かう「エルザの大聖堂への入場」場面ね

花嫁行列まるで夢遊病ゾロゾロ、これLD最初に観た時から薄ら寒いが、同じ第二幕に笑える場面が1つ

ローエングリン - Wikipedia

第1場

夜のアントウェルペン城内。

庭の物陰で、フリードリヒは妻オルトルートに、

決闘に敗れた自分が追放処分になること、

エルザに弟殺しの罪を着せるようけしかけたのはオルトルートであることをもらして、悪態をつく。

オルトルートは、騎士が決闘に勝ったのは魔法を使ったためであり、

名前と素性を言えと迫られるか、あるいは体の一部でも切り取れば魔法が解けるという。

フリードリヒは気を取り直し、2人は『復讐の二重唱』を歌う。

第2場   

バルコニーに現れたエルザにオルトルートは嘆いて彼女の同情を誘い、さらに騎士への疑念を吹き込む。

オルトルートはキリスト教以前の神々として、男神ヴォータン、女神フライア

(のちに楽劇『ニーベルングの指環』にも登場する)の名を呼ぶ。

オルトルートが猫被ってエルザを唆す場面よ

Wagner: Lohengrin, WWV 75 / Act II - "Entweihte Götter! Helft jetzt meiner Rache!" - YouTube

Lohengrin Bayreuth 90 - YouTube

エルザがオルトルートを城に招き入れるため場を離れている間に、オルトルートはヴォータン、フライアに祈りを捧げるが

「オルトルート、何処に(・・?」

エルザの声に慌てて

「此処におります」

地べたに平伏し、哀れなワタクシに御慈悲をとばかりのオルトルート

今にも死にそうなジジババが起き上がって踊ったりする吉本新喜劇かよと笑えるの、アタシだけ(・・?w

en.wikipedia.org

白熊が死んだフリしそうなアマゾネスでも可愛いガブリエ-レ・シュナウトに喜劇センス感じるから(・・?ww

 

 

 

 

声質はオルトルートに最適なのにね

 

 

 

 

 

Wagner Die Walküre The Ride of the Valkyries Boulez YouTube - YouTube

1970年代後半、パトリス・シェロー演出『ニーベルングの指環』でその他大勢のワルキューレを歌っていた頃は、メゾ・ソプラノだった

 1980年代後半、ソプラノに転向し、『ワルキューレ』(ジークリンデ)、『トリスタンとイゾルデ』、オルトルートを歌うようになるが

この3役全部、高音出るメゾがソプラノに転向せずして歌える役よ

Waltraud Meier & Cheryl Studer sing the Act II Ortrud-Elsa Duet | LOHENGRIN - YouTube

67歳となる今年、とうとう引退してしもたヴァルトラウト・マイアーおねえさんの持ち役だったじゃん

オルトルートの場合

LOHENGRIN - Evelyn Herlitzius - "Enweihte gotter!" - YouTube

Irene Theorin - Entweihte Götter - YouTube

元々ソプラノも歌える役なので

Leonie Rysanek's Elsa faces Astrid Varnay's Demonic Ortrud - YouTube

Leonie Rysanek: Lohengrin, "Entweihte Götter!" (Wagner) - YouTube

レニー・リザネクのように50歳過ぎると流石にエルザは見た目苦しいとばかりw、オルトルートに転向もいる

ただマイアーとリザネクのオルトルートは、迫力満点で巧いものの、ソプラノが歌える役とあって、ドスの利いた低音域がいささか…

逆に高音域がいささか…のシュナウトがむしろ、オルトルート向きの声じゃね

Bayerische Staatsoper, München, 22.04.2016, Richard Strauss: ELEKTRA - Gabriele Schnaut - YouTube

エレクトラ』といっても、長年歌った題名役でなく、母親クリテムネストラ役ね

50代後半以降、『サロメ』も母親ヘロディアス役といった、メゾやアルトの歌う役を手掛けるようになったが

クリテムネストラ、ヘロディアスどちらの役とも、歌ったものの声は向いてると思えないマイアーに勝るはずよ

 

 

 

 

シュナウトで惜しい点を挙げれば、声楽面で脂乗る30代後半から50歳頃までの時期に

得意とするワーグナーR・シュトラウスの作品で、正規のスタジオ録音に恵まれなかった点か

探してみたら

Gabriele Schnaut as Brünnhilde: War es so schmählich - YouTube

TRISTAN UND ISOLDE Schnaut, Lipovšek, West, Struckmann, Rose - Mehta - Vienna 5IX97 - YouTube

ELEKTRA Schnaut, Secunde, Palmer, Pederson, Cochran - Schneider - Munich 23III99 - YouTube

こんなんが圧倒的多数を占める

Wagner: Die Walküre, WWV 86B / Act 2 - Szene 4: "Siegmund! Sieh auf mich!" - YouTube

クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団による『ライン黄金』に続く『ワルキューレ』全曲あるけど

これ確か、英国DECCAによる指環全曲録音企画が途中で頓挫したんだっけ(・・?

DECCAには何しろ

鉄板の指環全曲録音があるしなw

従って、シュナウトがスタジオ録音で歌う『ジ-クフリート』『神々の黄昏』ブリュンヒルデは存在しない

mathichen.hatenablog.com

1987年のベルリン・ドイツ・オペラによる指環全曲日本公演時のブリュンヒルデ

 やはり録音に恵まれないまま引退したカタリーナ・リゲンツァと同じくらい惜しまれる

 

 

 

 

 

ワルキューレの騎行』(ジョン・チャールズ・ドールマン、1909年)

イラスト素材:ガブリエル(大天使)

 

 

 

 

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