2017.4.132-3:香川のゴールも実らず、モナコが逃げ切るボルシア・ドルトムントはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝の第1戦でASモナコに2-3(前半0-2)で競り負けた。前半の45分間は、BVBのチームバスを襲った昨日の爆破事件のことがまだ選手たちの頭にあるように見えたが、後半からはしばしそのことを忘れ、試合に集中。引き分けに持ち込んでいてもおかしくなかった。フランスのレキップ紙は12日の朝刊で、ボルシア・ドルトムント陣営の状況を的確に伝えていた。「事件から24時間しか経過していないのに、まるで何事もなかったかのように、いつもと変わらず試合を行うことをこのドイツのチームに求めることなどできるのだろうか? 彼らがどのような反応を見せ、その精神的苦痛がどのようにパフォーマンスに影響するかは誰にもわからない」。BVBは11日の爆破事件により、バルトラが腕の橈(とう)骨を骨折し、手にも破片が突き刺さるケガを負った。そんな前日の事件にもかかわらず、もしくは事件があったからこそかもしれないが、6万5848人の観客はチケット完売のジグナル・イドゥナ・パルクへ再び足を運び、キックオフ前に見事なコレオグラフィーで雰囲気を盛り上げた。しかしトーマス・トゥヘル監督率いるチームは、試合にうまく入っていくことができず、ピエール=エメリク・オーバメヤンが4分と11分に2度のハーフチャンスを逃す。香川真司にも好機が巡ってきたが決められない。均衡を破ったのはモナコのほうだった。ムバッペのオフサイドポジションからのゴール(19分)とスベン・ベンダーの不運なオウンゴール(35分)で2-0とリード。17分のPKをファビーニョが決めていれば、3-0になっていたところだった。しかし後半からはBVBの戦いが見違えるように良くなる。アウェーチームを押し込み、57分にウスマヌ・デンベレが1点を返した。終盤、再びムバッペに決められて2点差に戻されたが(79分)、その5分後に香川がゴールを奪って1点差に詰め寄る。しかし結局、同点ゴールには届かず、引き分けに持ち込むことはできなかった。戦前の状況:
試合は当初の予定より1日遅れで行われた。ハンス・ヨアヒム・バツケCEOは12日の開催を決めた理由を「そうするよりほかにない」として、「試合日程が詰まっており、来週には第2戦が予定されている。木曜まで延期することも不可能だ。モナコを3日間もここに引き留めるわけにはいかない。彼らも週末に試合がある」と説明。ブラック&イエロー陣営には、主将マルセル・シュメルツァーの言葉どおり「明日はマルクのためにプレーする」という雰囲気が広がっていた。両チームともグループステージを首位で通過し、ラウンド16では第1戦を落としながらも準々決勝に勝ち上がってきた。BVBはベンフィカにリスボンで0-1と敗れたが、第2戦で4-0と圧勝。モナコはマンチェスター・シティーに敵地で3-5と屈したものの、リターンマッチを3-1で制し、アウェーゴール差で8強入りを果たした。チーム情報:
バルトラに加え、BVBはゴンサロ・カストロ(内転筋)、セバスティアン・ローデ(筋肉)、マルコ・ロイス(筋線維断裂後の調整中)、アンドレ・シュールレ(足首)、エリック・ドゥルム(肉離れ)、マリオ・ゲッツェ(代謝障害)が欠場。故障者の増加により、出場可能なメンバーは17人しかいなかった。トゥヘル監督はバイエルンに敵地で敗れた8日の試合から4名を変更。バルトラとカストロの代わりにベンダーとユリアン・バイグルが入り、ベンチに回ったフェリックス・パスラックとクリスティアン・プリシッチの代わりにウカシュ・ピシュチェクと香川がスタメン出場を果たした。対するモナコは、シディベ(虫垂炎)、バカヨコ(出場停止)、ボスキリア(十字靭帯断裂)、カリージョ(太もも)を欠いていた。戦術:
BVBは非常に攻撃的な3-1-4-2のフォーメーションを採用。ピシュチェク、ソクラティス、ベンダーが3バックを形成し、中盤の底に入ったバイグルが守備をサポート。ラファエウ・ゲレイロと香川は中央で中盤の軸となり、マティアス・ギンターとシュメルツァーがサイドを務めたが、相手ボール時はシュメルツァーが引いて4バックとなった。モナコは4-3-3でこれに対応したが、攻撃時は4-4-2へシフトした。トゥヘル監督は後半からシステムを変え、ピシュチェク、ソクラティス、ギンター、ゲレイロを守備に並べる4-3-3を選択。中盤を香川、バイグル、ヌリ・シャヒンの3枚、前線をプリシッチ、オーバメヤン、デンベレの3トップとした。デンベレはその後、2トップの後ろに回り、ゲレイロが左サイドでデンベレの役割を引き継いだ。試合の展開と分析:
BVBは立ち上がりから主導権を握り、序盤にオーバメヤンが2度決定機を迎える。だが4分、モナコのCBグリクの対応でシュートチャンスを逃すと、その直後に角度のない位置から放った一撃をゴール上に浮かしてしまった。一方、カウンターに活路を見出していたモナコは、ソクラティスに倒されたキリアン・ムバッペが17分にPKを獲得。BVBにとってはやや厳しすぎる判定にも見えたが、ファビーニョのPKがゴール横に流れて事なきを得た。しかし、スタジアムに広がった安堵感は長続きしなかった。19分、モナコは再びカウンターに転じると、スピードで中盤を駆け抜けたベルナルド・シウバがルマーへパス。最後はルマーの折り返しをムバッペが押し込み、モナコに先制点をもたらした。ルマーがクロスを入れた瞬間、ムバッペは明らかにオフサイドポジションに位置していたが、審判団には見過ごされてしまった。対するBVBも反撃に転じ、至近距離で軽くコースを変えた香川のシュートはポストをかすめる(31分)。だがその数分後、ラッギのクロスを頭でクリアしようとしたベンダーがオウンゴールを献上してしまい、BVBはさらなる窮地に追い込まれた(35分)。デンベレと香川が得点BVBは後半開始直後、デンベレの直接FKでゴールを脅かすも、ゴール前17メートル付近からの一撃はポストの数センチ外側へ(47分)。しかし、後半頭からプリシッチとシャヒンを投入したブラック&イエローズは明らかに攻撃意識が上がり、戦う気持ちを前面に押し出したプレーが増えていく。48分から55分にかけてはモナコのゴール前に鋭いクロスを何度も送り込んだが、グリク、ファビーニョ、ラッギの壁にはね返された。選手たちがまだ諦めていないことを感づいたサポーターも、大きな声援でチームを後押し。そして57分、時間の問題かと思われたBVBのゴールがついに生まれる。シャヒンのパスを受けたゲレイロがクロスを入れると、オーバメヤンが難しい体勢からバックヒールで香川へ。この日本代表MFは切り返しで相手GKをかわすと、横に流れたボールをデンベレが至近距離から押し込んだ。この1点により、昨夜の事件による重苦しい空気を振り払ったBVBは明らかにペースを上げ、モナコを自陣ゴール前に釘付けとする。59分にはデンベレのアシストでオーバメヤンが、62分にはCKからゲレイロがそれぞれゴールを脅かすと、プリシッチも17メートルの距離からスバシッチにセーブを強いた(77分)。しかし、モナコはBVBの波状攻撃にも動じず、その後も虎視眈々とカウンターの機会を伺い続ける。そしてファルカオが決定的なチャンス(76分)を逃した直後、またしてもBVB守備陣のミスから追加点を奪った。ムバッペが弱々しい横パスをインターセプトし、そのまま独走。ビュルキがどうすることもできないシュートをゴール上隅に突き刺し、スコアを3-1とした(79分)。それでもBVBはあきらめなかった。シャヒンが右サイドからセンタリングを入れると、これをコントロールした香川が2人の相手DFをかわしてシュート。この見事なゴール(84分)で再び1点差としたBVBは終盤にもモナコを攻め立て、後半ロスタイム1分にオーバメヤンが決定的な場面を迎える。しかし至近距離からのヘディングシュートを決めきれず、追いつくことはできなかった。出場メンバー&ゴール
UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦
ボルシア・ドルトムント 2-3(前半0-2)ASモナコボルシア・ドルトムント:ビュルキ;ピシュチェク、ソクラティス、ベンダー(46分 シャヒン);バイグル;ギンター、香川、ゲレイロ、シュメルツァー(46分 プリシッチ);オーバメヤン、デンベレ
ASモナコ:スバシッチ;トゥーレ、グリク、ジェメルソン、ラッギ;ファビーニョ、モウチーニョ;ベルナルド・シウバ(66分 ディラル)、ルマー;ムバッペ;ファルカオ(85分 ジェルマン)
ベンチ:バイデンフェラー、モル、メリーノ、パスラック(BVB);デ・サンクティス、ジョルジ、カルドナ、ディアロ、ヌドラム(モナコ)
ゴール:ムバッペ(19分 ルマー)、ベンダーOG(35分 ラッギ)、デンベレ(57分 香川)、ムバッペ(79分)、香川(84分 シャヒン)
CK:6-1(前半1-1) 好機:7-5(前半2-3)
主審:オルサト(イタリア) 警告:ソクラティス、ギンター(BVB);ルマー、ディラル、ジェメルソン、ファビーニョ、スバシッチ(モナコ)
観客数:6万5848人(満員) 天候:雨、気温7度メルケル首相がBVBを支援
“処刑リスト”にはスポーツ選手も。ドルト爆発事件の犯行声明
2017年04月13日(Thu)4時21分配信
現地時間11日にドイツで起きたボルシア・ドルトムントのチームバス付近で爆発があった事件について、捜査当局が捜査を進めている。連邦検察庁は12日、「テロ行為の可能性が高い」としながらも「正確な動機は現時点で不明」とした。『CNN』などが伝えている。
ドイツの捜査当局は12日、2人の容疑者を特定して家宅捜索をし、1人を拘束した。イスラム過激派とみられる2人について地元メディアは一人が25歳のイラク人、もう一人が28歳のドイツ人と報じている。
現場近くでは同じ内容の3通の犯行声明が発見されている。その中にはドイツにあるアメリカのラムシュタイン空軍基地閉鎖などの要求があったとのこと。要求が満たされない場合は、リストに載せたスポーツ選手や有名人を殺害するとしているという。この手紙は不自然なドイツ語だったようで、ネイティブのドイツ語を話さない人間か、ネイティブではないことを装った人間が書いたものだとみられている。
DFマルク・バルトラが右手首を骨折するケガを負ったものの、ドルトムントのチームバスには強化ガラスが使われており、被害は最小限だった。それでも爆発物に使用された金属の小さな棒はバスの座席のヘッドレストに突き刺さっていたことも報告されており、一歩間違えば人命にも関わっていたかもしれない。
( https://www.footballchannel.jp/2017/04/13/post206446/ )
ある日曜日、アメリカンフットボールのプロ・チーム、ロサンゼルス・ラムズ対ボルチモア・コルツの試合のため満員のロサンゼルス・メモリアル・コロシアムに、ライフルを持った謎の狙撃手が潜入した。それを知ったロサンゼルス市警察とSWATが阻止に動くが、試合終了の間際に犯人は観客席に向かって銃を乱射する。
( Wikipedia:パニック・イン・スタジアムより引用 )