mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

長い幸福への練習曲(後篇)

前篇から続いた




週刊マーガレット・1972年(昭和47年)1号~18号に連載された池田理代子原作‘章子のエチュード
何故、Yahoo!ブログで更新する事に意義がある記事か?





初めまして

週刊誌買う習慣無くて、コミックや愛蔵版になりますが
ベルばら、おにいさまへ、オルフェウスの窓の他
ベルばら以前の、短編、章子のエチュードなどを持っていて
ブログ記事に上げた事もあります

オルフェウスの窓は全巻じゃないですけど
ニーベルンゲンの歌を知り、ずっと後年、ワーグナーニーベルングの指環へ繋がりました
欧州史に興味持った点で、ベルばらとともに影響大きいです
> mathichenさん
ベルばら以前の短編もとは、嬉しいですね。
短編は難しいのですが、自分としては、好きな作品がいっぱいあります。
音楽活動もよろしくお願いします。
ワーグナーの音楽は勉強する機会がなく、もっぱらイタリアものですが。
池田理代子

吉本芸人と同じ場所とは物好きにも程があるじゃなくて

池田先生、Yahoo!ブログ持っておられる




アタシゃ漫画週刊誌買う習慣無かったのは、ホントよ
りぼん、プリンセスなどの月刊誌買うと、週刊誌まで余裕が持てなかった
初めて買った少女コミックは、ベルばら
1975年から1976年にかけて全巻揃え、その後に、おにいさまへ…を全3巻揃えた
章子のエチュードも、同じ頃と記憶する
いま考えると、「昭和の少女漫画やそれ読む小学生って、精神年齢高いよな」
アタシの得意芸である、自分へ自分がトラックバック記事を見てみんしゃい
ドロドロし過ぎてるのは確かながら、平成のすぐヤッちゃうレディコミより遥かに品良く高尚である




章子のエチュード、これもドロドロ系かね
「昼ドラの題材にぴったりではないかと
昼ドラで学園物は無理かも知れないけど、なんとか考えてみてください東海テレビさん(笑)」
といった記事の他
「親父、娘が気分悪くなったからって、わき見運転するな」
「親が即死してるのに、何で章子一人だけ、むち打ちにもならないで済んだの?」
「親の仕事での知り合い程度での家になんてな。高校卒業までは、親戚で我慢しろよ」
「章子なんて、全国のボッシーが見たら苦労してないわと怒るぞ」
(ボッシーなんて離婚ならばあくまで親の選択肢であり、子供は不可抗力、つまり章子と同じだよ)
ツッコミ所満載という声も聞かれる




章子が孤児(という年齢でもないが)にしては恵まれた境遇なのは事実だ
が、周囲の人物が強烈で、そうじゃないのに極楽トンボと映るのでは?




周囲の人物を見ると

・渡冴子
薫を捨てるまでは、前記事を見ての通り
金持ち男から捨てられると、薫の心が章子に移っているのに、章子は代用品と言い切る自信を見せる
薫に引導を渡されて初めて、自分が心から薫を愛していたを悟り、章子に負けを認めた
「男の人なんて信じた事も心から愛した事も無かったけれど
薫さんは違うわ、信じていい人よ
だって、わたしが生まれて初めて心から愛した人ですもの」

・野瀬百合子
中原商事の娘ながら、妾腹で、恐らく母を亡くしての本宅暮らしを送る
学校の保健室で休むほど具合悪くなった放課後、下校遅い理由を異母姉・真弓から尋ねられ
「クラブ活動で…」と答えると、「クラブですって?他にいくらでもやる事あるでしょう!」と返されるのは
本宅女中として働き、その過労で倒れたと言えない立場にあったからだった
真弓の婚約者・小嶺と密会を重ね、小嶺が勇気を振り絞り、真弓に婚約解消を申し願った際
真弓は小嶺を熱愛するあまり、彼の前では了承しながらも
百合子だけになると、妾の子である百合子を母親同様のドロボー猫と殴打したのに
真弓が小嶺を取り戻すべく命を絶とうとすれば(つまり、狂言
百合子は自分の恋を諦めようとする、そして自分が命を断とうとする自己犠牲心を持つ少女であった

・小嶺進二
長野県の貧家に生まれ育ち、高校生の時、東京からスキーに来た中原商事跡取り娘に一目惚れされた
中原商事と取引を持つ小嶺家が仲介し、病床に伏す貧家の父に拝まれて
小嶺家の養子として、真弓の婿になる定めを背負わされた
実家のためカネで買われたに等しく、自分自身の人生を生きる事を許されない者の目に
自分が希望して妾腹に生まれたのではない百合子と相通じるものを感じ取ったのであろう

・小早川(下の名前は不明)
章子の同級生で、事故加害者の娘である章子に嫌味を言ったりする
高級万年筆など高校生には身分不相応な物を持つが
章子がデパートへ用事に出かけた折、掃除婦として働く小早川の母親を見るので、ますます怪しい
やがてヌードモデルや美人喫茶ウェートレスで稼いだ高級品を得ているが知れ、自主退学する
小早川もまた、冴子と同じく、貰い事故が原因で父親を亡くした少女であり、言わばミニ冴子だった
退学後は、母と同じデパートに就職し、夜間高校に通う堅気となった

・桐島麻由子
気まぐれ屋にして、大学生の戸部と夜遅くまでデートする発展家
女中を人間と見做していない節があり、反発心を覚えた章子が戸部の誘いを受けたら
また、友人の前で恥かかされたと考えれば、章子を殴打して
上から目線での「妹のように可愛がっているのに」と高慢な姿勢を取った
戸部が軽佻浮薄な男である証拠を薫に突きつけられると荒れたものの
章子が薫と結婚する時、チャラ男でも愛していたと自覚したら吹っ切れ素直になれたと涙を見せた

・里江
桐島家の女中で、最初、お嬢様上がりの章子を見下していた
彼女が、小嶺の章子へのラブレター偽装者である
薫に片想いしており、薫の章子への軟化が気になっていた
中学を卒業後すぐ就職したが、章子の教科書をコッソリ拝借したりする勉強家
最後には、章子の味方となり、薫との仲を応援した




思うに
以上に挙げた人々は、未熟な章子に人生勉強させる練習曲集
調子外れだろうが音痴だろうが、池田先生は敢えて作曲し描き出した
昼ドラもどきだってゴチャゴチャ言わず
逆境でもそれを乗り越えようとする力が人を成長させ幸福に導くという前向きなメデタシメデタシでよろしかろ




記事のオチが浮かばないので




アタシがツッコミ入れたい、それは

「オスカーーーーーーーーーーーーーーーーール」
迷作過ぎて、切な過ぎて、哀し過ぎて、涙が出て来るほど笑える

志垣太郎の濃過ぎる顔考えてみな