『サウンド・オブ・ミュージック』が、マリアと大佐の結婚式で終わって欲しかった者、右手を挙げよ
「Sieg Heil(勝利万歳)」「Heil Deutschland(ドイツ万歳)」の掛け声は無しでw
映画公開当時の西ドイツでは国民の多くが「また、ウチが悪者かい」と溜め息をつき、独逸乙女も同感
というくらい、後半は反独色が濃くなる作品でしょ
ハリウッド映画定番とはいえ、最後の最後に方向音痴まで露呈して笑かすわ
Climb Ev'ry Mountain Finale from The Sound of Music
トラップ一家がこのまま進んで行くと、総統閣下の別荘に着いちゃう、不自然な背景や位置の設定だぜw
トラップ一家の脱出劇、現実には電車を使ってイタリアへ逃げた
オリジナルの話を知っているオーストリアやザルツブルクの人々には違和感が大きいという
マリアも『サウンド・オブ・ミュージック』を、ジュリー・アンドリュースの演技は褒め、作品は快く思わなかった
「大佐黙認の形でナチス入党していた執事が、Anschluss(オーストリア併合)の情報と国境封鎖日を一家に伝えた」
と、次女マリア・フランツィスカが昔NHK番組で語っていたを見ても、映画向き脚色はそこかしこに施されたわけよ
ちなみに、トラップ一家物語はハリウッド以前に、1956年と1958年の西ドイツで映画化されている
Die Trapp-Familie in America - YouTube
亡命前と亡命後に分けて描かれた
トリビアとして、マリア役、日本でも人気高かったルート・ロイヴェリックに触れると
Dietrich Fischer Dieskau Der Lindenbaum Die Winterreise
シューベルトの♪菩提樹を歌うディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
最初の嫁が出産後の合併症で亡くなり、2年後に再婚したのが、ロイヴェリックよ(2年で離婚したけど)
実話に基づく作品って、「当事者が存命中に映画化」、これがいろいろ難しい点と思う
他人による自分が登場するハリウッド映画の正直な感想を聞いてみたい人が誰か、わかる?
"Anne Frank Remembered" winning Best Documentary Feature Oscar
ミープ・ヒースよ
1959年版『アンネの日記』、生還して「後ろの家」を訪れたお父さんが、ヤンとミープのヒース夫妻に迎えられ
ミープが大切に預かってくれていた娘の日記を読んで回想する形式で
ミープの設定は、「後ろの家8人逮捕の際、買い出しで事務所を留守していた」
留守どころか
1944年8月4日午前10時30分頃、
隠れ家にSD下士官カール・ヨーゼフ・ジルバーバウアー率いる警官隊の捜査が入り、隠れ家メンバーが逮捕された。
ヤンはいつも通りミープと一緒に昼食をとるために正午頃に隠れ家の会社を訪れていたが、
ミープは何があったかをヤンに簡単に耳打ちするとともに金と弁当と配給切符を押し付けて
「ヤンここは危ない」と言って離れるよう促した。ヤンは事態を飲み込み、その場から姿を消した。
旦那を救った(一つ疑問残るけど、マァ取り立てて騒ぐほどの話じゃないのでほっとく)
アンネ・フランク一家は本当に裏切られたのか?あれから72年、歴史家が新説を発表(オランダ研究) : カラパイア
この可能性も残るけどマァほっとく
戦後、まず疑われたのは、オットー・フランクが最も信頼する4人の非ユダヤ人社員だったでしょね
ヴィクトール・クーフレル、ヨハンネス・クレイマン、ベップ・フォスキュイル、そしてミープ・ヒースの4人ね
隠れ家にいた8人全員逮捕された際、支援者としてクレイマンとクーフレルも連行されたが
女性であったミープとベップは逮捕を免れた
ただミープは後に、ファン・マーレンから何やかんや非難を受けた
フランク氏が「ミープが密告者だというなら、私も疑われて然るべき」のように擁護して済んだ背景には
ファン・マーレンを『同志』と見ていた節が感じられる
フランク氏とミープが、やはり疑われていたファン・マーレンの無実を確信していた旨を
「ファン・マーレンとて、当局に見つかったら困る息子を匿っていた」
「自ら積極的に当局と関わる危険は冒さないはずだ」
ミープが回想録に記している
密告電話の声が女性という点もあろう
メリッサ・ミュラー著‘アンネの伝記’には
ミープは掃除婦レナを疑っていて、ベップから詳しく話を聞けば判明したと記されている
実の所、フランク氏とミープも、ファン・マーレンを疑っていると公表する時期があった
事実は誰にもわからず、100歳まで長命のミープも亡くなった現在、永遠の謎となってしまってるし
アンネ関連映画やアンチ本の類を絶対的な教科書扱い、それは止せと警告しといて
戦後15年足らずでハリウッド映画を観た支援者たち
そして、「裏切り者」に括られる、ファン・マーレン、ハルトホ夫妻
前の家というのか事務所、皆で知らんフリしてくれていた隣近所さんは一体
後ろの家内情について、それは日記とお父さんにしかわからないとして
どんな感想を持ったんでしょね
第二次世界大戦関連映画を独断と偏見で語ると
『シンドラーのリスト』 、作品そのものに難癖付けるはサラサラながら、好かん
理由は↓
「不条理でも苦難を経験した者だけが、絶望と希望の戯れを語れたり、寛容にもなれたりとも言えるでしょう」
ホロコースト生存者による美女コンテスト入賞者婆ちゃんたちの政治的信条までわからないので断言しないものの
戦後にイスラエル移住したドイツ系の一部が、現実に幻滅し、ドイツへ帰還したと擦り合わせれば
イスラエルに於ける戦後教育が偏っていたを忘れるべからず
総統閣下が自分の生まれる6年前に逝ってるワーグナーと仲良しさんと信じていた若い世代が存在したくらいだw
作曲家ついでに
息子の嫁守るため、日本の皇紀二千六百年に曲書いたR・シュトラウス大先生が良くて
自分の嫁守るレハールが何でアカンかったんや(シュトラウスも確か演奏禁止の時期あったものの)
21世紀現在さておき、イスラエルが米国の「ホロコ-スト産業」に貢献したも忘れるべからず
米国ユダヤ系って、父祖の国イスラエルへの思い入れが深い者多い
1977年の建国30周年記念には、ポール・ニューマン、バーブラ・ストライサンド他が祝いに駆け付けた
そこまではわかるとして
例えば政界のユダヤ系がイスラエル訪問すると、イスラエル政府が至れり尽くせりで
チャーター機に乗せて高い上空から、苦難の歴史を綿々と語り聞かせる、ぶっちゃけ洗脳に励んだら?
苦難の歴史が正しけりゃ構わんけど、恣意的な内容だったら一度信じた者への修正難しいらしいよ
米国に生まれ育ったスティーヴン・スピルバーグも、過剰なまでの思い入れ持ってないか気になるんだわ
2006年のレバノン侵攻の間、イスラエルに100万ドルの寄付をしたため
翌2007年にアラブ連盟からスピルバーグ作品のボイコット受けてるしね
いくら同胞助けて貰ったとはいえ
「ウチの旦那、善人でした」と嫁が主張すると大抵、悪人
「ウチの旦那、そこまで善人じゃない」を主張すると大抵、その通り
悪人まで思わんが、元々を考えれば…美化し過ぎやろ~
『ミュンヘン』、あれもぶっちゃけ、「エエ加減にせえよ」
ま、ハリウッド映画界の進歩を認めるとすれば
『戦場のピアニスト』の、作品賞こそ逃したものの監督賞、脚色賞、主演男優賞でのOscar受賞かね
ポランスキーが米国入国出来ないわかってるくせにもホォと感心した以上に
「ドイツ=悪、ポーランド=か弱い小羊」の公式崩したを認めた点だよ
何で認めたかまで読めん
母ちゃん殺され、自分も逃げ回ったポランスキーが冷静に描けるってんなら、オラたちも素直に認めよう、かね
てか
ハリウッド映画じゃなく、ハリウッドが嫌になって帰国した監督の作品だけど
ブラックブック - ネタバレ・内容・結末 | Filmarks映画
これの米国での評価、誰か教えてクレメンス
物心ついた頃の原風景が、「オランダの市中に死体ゴロゴロ」
ドイツも敵だが、ナチスの軍事基地があるハーグを空爆した連合軍も敵だった
善悪の彼岸に身を置くポール・ヴァーホーヴェン監督らしく
ナチスを完全な悪人として描かず、レジスタンスも善人ばかりとして描いていない
米国がどう評価したか気になってしゃ~ないねん
1945年1月アウシュヴィッツから死の行進での最年少生存者(当時9歳)男性が今も存命ならば、今年85歳か
それから4ヶ月後の欧州戦線に於ける終戦時、ポランスキーは12歳手前、ヴァーホーヴェンは7歳手前で、今年87歳と82歳
『手紙は憶えている』主人公のように、戦時下を直接知る大人世代が存命でも100歳近い2020年現在
今年90歳の、『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』を撮ったクリント・イーストウッド含め
複眼思考出来る超高齢世代の映画人種に、絶対ボケず、逝くまでメガホン振り回せと願うアタシなのよね