mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

旅路の果てに見える、悪魔と天使の黙契が交わされし地

今日も暇なので、アメブロ別荘記事などから持って来たネタで新規投稿をば
記事題名は『トラップ大佐 mathichen』で検索すれば
『2010年08月のブログ|mathichenの徒然なるままに - アメーバブログ
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当記事思いついたキッカケもアメブロ記事だった
2014-11-15 17:34:51【法は破るために?禁忌が無いと破るスリルは半減以下】
『「公立女子大行きたい」男性、出願不受理は違憲と提訴へ』というYahoo!ニュースを見て

栄養士免許取得より先に、自分の頭に栄養つけるべきよ
「公立に進めないと経済的な理由で資格取得を断念せざるを得ない」
だとしても、前例作ると、「じゃ、オラも」が現れたら、女子教育を眼目に置く大学に迷惑かける
入学認められたとして、女の園に野郎一輪の環境であり、不惑で勉学全う出来るのやら
大富豪のイケメン御曹司とか玉の輿狙えそうな上玉じゃなけりゃ、女子学生たちに目障り極まる
最低限度の社会秩序すら知らない水準には、くれぐれも法の平等を主張する資格認めるべからず

男女を逆に置き換えてみましょ


1904年のポーランドユダヤ人共同体ヤネブ
女子が本屋の馬車を見かけ宗教関係の本を求めても、「アンタにゃ、これよ」と絵本渡される
男子に頼まれたお使いよと言ってようやく希望する本を買えた
というほど、当時、学問は男だけのもので、女は家事をやるものと決まっていた
常識からかけ離れない限りの範疇で寛容な哲学者の父親を持ったイェントルは
窓にカーテンをかけて人に覗かれないようにした部屋で、タルムードを学んでいた
その父が死亡すると、髪を短く切り、男の服を着てベシェブの町にあるイェシバ(神学校)に入学する
向学心旺盛なだけで、中身は女であるため、親友となったアヴィドールに惹かれ
そのアヴィドールの婚約者ハダスから惚れられたせいで、話がややこしくなってしまう
「女性である」との告白に最初は怒ったアヴィドールだったが
学友として築いた関係の中に、イェントルが単なる詐欺師でない人柄を認め、女性として愛するようになった
しかし、アヴィドールの持つ女性観と彼の育った伝統的ユダヤ社会の価値観を揺るがすには至らない
ヴィドールに相応しい女性は、良妻賢母型のハダスである
イェントルはアヴィドールをハダスのもとへやり、自分は新天地アメリカ行きの船に乗り込む




よく晴れた本日、窓から青空を眺めてるうち、移民船の場面を思い出したの
移民船の場面を思い出したら、今度は、♪屋根の上のヴァイオリン弾きを思い出した
厳密に言うと、ミュージカル舞台を観た男性の感想を思い出した
帝政ロシアの迫害を受けたユダヤ人たちが、故郷の村から世界中に離散に追い込まれ
隣国ポーランドと新大陸アメリカに別れる時、『また会おうね』と挨拶するわな
ポーランド組は結局、鉤十字ドイツに殺されるよって、今生の別れちゃうんかい!?」
ルイ・マル監督の‘さよなら子供たち’(1987年)では、「Au revoir les enfants
ゲシュタポに逮捕された神父様が匿っていたユダヤ人生徒と一緒に連行される道すがら
どう考えたってAdieu、今生の別れを知りながらも
残った生徒たちと「皆さんサヨウナラ、先生サヨウナラ」の終礼感覚でAu revoirを言い合う
ま、今生の別れを知ってようが知るまいが、悲劇的場面に変わりない




別れと旅立ちの場面で終わる映画の登場人物たちが、その後どーなるんだろをゾロゾロ続けると








1939年5月13日、ハンブルクよりドイツ客船SSセントルイス号が出港した
乗客はナチス・ドイツから逃れようとする937名のユダヤ
彼らの胸には、脱出出来る喜びと再び故国に戻れない悲しみとが交錯する
乗船後になって、自分たちがドイツに強制送還される恐怖も知った
今回の航海は、ユダヤ人が全世界から嫌われているというナチスの宣伝政策だった
ドイツは、ユダヤ人受け入れ先が見つからない計算済みの上で、機嫌良くユダヤ人たちを送り出したのだ
案の定、キューバが上陸不可、乗客たちの最終目的地であるアメリカも受け入れてくれない
もし、ドイツに戻れば、乗客の行く先は強制収容所であり、船内は絶望に覆われた悲劇が続いた
彼らの苦悩を痛いほど理解している船長
船が英国のサセックス沖に差しかかろうという時、「もし船を出火させ、英国海岸に無理やり上陸させれば…」
そんな思いの船長の元へ1通の電報が届いた「オランダ、フランス、英国が入国を許可した」
かくて、乗客達はナチスより逃れる事が出来た
が、9月1日、ヒトラーポーランド侵攻を命じ、第二次世界大戦の幕が切って落とされた
セントルイス号乗客の何人が、戦火をくぐり抜け、戦後生還を果たせたのか…




邦題‘さすらいの航海’より、地獄の航海を意味する原題がシックリ来る内容である
実話に基づくので、主要メンバーを中心に、幕切れ部分でその後が紹介される
戦後まで生き延びた乗客の正確な数は忘れた
ハバナで娼婦として働くミーラの両親は、二人とも生き延びた
ある夜、ミーラは馴染みの客の力を借りて船を訪ねる
娘の派手な化粧と服装、差し出す分不相応な大金を見て、両親は娘の現状を初めて知った
娘が文字通り身体張って稼いだカネを喜んで受け取る親なんて、DQN階級以外には無い
だが、娘を難詰する母親に、苦渋の表情を浮かべる父親が、「我々の娘には変わりないんだよ」
カネを受け取ってやり、結果的に、強制収容所で賄賂として活かされ生還し、娘の親孝行が実った
…30年前に観て泣いたし、30年後も思い出しただけで泣けると気を取り直して




記事冒頭に書いた『トラップ大佐 mathichen』のトラップ大佐、説明までもあるまい
サウンド・オブ・ミュージック’(1965年)、映画は史実とかなり異なる
結婚式の場面でメデタシメデタシならば、ドイツ人及び独逸乙女は堪忍出来る
その後の展開は典型的なハリウッド公式、『鉤十字ドイツ=極悪非道』を思い出すべし
ま、映画向きに脚色するのは別に構わないのよ
ただね、「トラップ一家のオーストリア脱出叶ったの、誰のおかげ様?」と腹の中でブツブツも事実
10年ほど前、トラップ家の娘の1人がNHKの取材に語った所では
ナチス党員であった執事ハンス・シュヴァイガーの陰の尽力により国外脱出に成功した」
恐らく世渡りのため入党し、大佐も黙認していたシュヴァイガーが、一家の亡命を進言したとの事




脱線すると
オットー・フランク、アンネのお父さんにも同じような話が聞かれる
フランク氏の経営する会社に、NSB(オランダ国家社会主義運動)党員の青年が働いていた
「彼は信用していいよ。まだ若いし、付き合いも必要だからね」
秘書ミープ・ヒースに語り、青年は事実、隠れ家の8人がゲシュタポ連行翌日に、「ヒースさん、提案があります」
「ドイツ人も、戦争に疲弊しています。早く国に帰りたいんです。ゲシュタポに賄賂を渡し、8人を買い戻しましょう」
8人を逮捕したジルバーバウアー親衛隊曹長は、「気の毒だが俺の力ではどうにもならん」
何の権限も無い下っ端から上官に会ってみろと言われたが、無駄骨に終わったのは歴史の知る通りね




トラップ家に戻ると
執事はある日、大佐が友人との食卓でお上批判を繰り広げているのを見かね、大佐にそっと忠告した
「私は党より、ご主人様の監視報告を命じられております。言動にはくれぐれもご注意を」
国境封鎖の情報を知るや、反体制一家が逃げ遅れる事無きように、日時を伝えた
長年お仕えするご主人様への忠誠心は、主義信条や公的立場が対立でも変わらぬ証だけど
映画に描かれないのも、まァ認めよう
「映画の最後は、国境を越えようと山を登り、それがエンディングとなりますが
実際あの後はどうなったのでしょうか?」
マリアを演じたジュリー・アンドリュースが、マリア御本尊に尋ねると
「その後は、アルプスの反対側、現在はイタリア領ですがそこへ辿り着きました」

オーストリアを脱出する山越えのシーンは視覚効果のためか、ザルツブルクからスイスの間を結ぶ通常のルートとは全く異なる場所で撮影された。現実のザルツブルクから歩いて山を越えると、そこはドイツ(バイエルン州)のベルヒテスガーデンである。近辺にはアドルフ・ヒトラーの別荘すら存在する。ザルツブルクはドイツとの国境が近く、その半分以上の方角がドイツとの国境である。そしてザルツブルクからスイス国境までの間は相当な距離があり徒歩で移動するには遠すぎる。地元住民の視点においては非常に不自然なラストシーンである。

Wikipediaサウンド・オブ・ミュージック (映画)より引用 )

…赤字部分、これだけは何とかならない???(方向音痴にも程があるっちゅうねん)




アメブロ版【悪魔と天使の黙契が交わされし地】には





「アナタは、ワタクシが話すと思っていますか?」
ゲルト・フレーベさん、世間が尋ねてもいないのに、自ら話したでしょう?




鉤十字高官役をよく演じたが、戦時中には下士官とはいえ本物のナチス党員であった
戦後、党員歴をカミングアウト、余計な言い訳しないで淡々と語ったのよ
余計な言い訳とは?
ナチス党員を隠れ蓑に、ドイツ国内のユダヤ人の国外脱出を援助し、ウィーンでユダヤ人を匿っていた」
戦後になり、あるユダヤ人家族がフレーベに救助された事を明らかにするまで
イスラエルでは、‘007ゴールドフィンガー’の上映は禁止されていたなんて
映画会社には迷惑な話だけど、保身に腐心しない男前ぶりに惚れボレしちゃうわね
‘バンクジャック’(1971年)では、人の好いオメメ可愛い銀行幹部爺さんを演じた
人柄は怖ーい外見と対照的にサイコー級のエピソードとして
「戦時中、衛生兵として後方支援に赴いた際なんて
目の前に負傷者が転がれば、連合軍兵士であっても救いの手を伸ばして優しく治療した」
ホワイトハウスで表彰されたって良かったんちゃうんかい~




…何が言いたいか?




鉤十字占領下のオランダやフランスなどで逮捕されたユダヤ人には、開戦前に移住や亡命が多数いた
たまたま運悪くだけでなく、お上のくれるカネ目当て、保身による裏切りや密告からもわんさかいた
アンネ・フランク他の隠れ家を密告したのも
「倉庫係ヴィレム・ファン・マーレン、ランメルト・ハルトホ、もしくはその妻で掃除婦のレナ・ハルトホ」
真相は不明ながら、密告の電話が女の声だった点などから、掃除婦オバちゃんが濃厚だよ
(マーレンが戦後、ミープを非難したり、見苦しい展開を招いたが、フランク氏とミープは『マーレンじゃない』
マーレン自身、戦時中お上に睨まれた息子を匿っていた事情から、ゲシュタポと距離置きたかったはずが理由)




‘ベルリンは夜’(1985年)、これは創作だけど
誤解を恐れず書けば、「ナチス・ドイツが、世界で一番ユダヤ人にとって安心な国の側面あった」
アーリア人が匿っていたケースはフレーベの例を見てわかるように少なからずの模様
一目で知れるユダヤ人的風貌持っていなければ、偽のアーリア人身分証明証を手配したりも可能だった
ちなみに、ポーランドには、アーリア人としてアウシュヴィッツ収容されたユダヤ人女性の例が見られる
(クリスティーナ・ズィヴルスカ著、1990年刊行、‘アウシュヴィッツ 地獄からの生還’)
ドイツの場合…金髪碧眼の鉤十字将校として生き延びた、そんなユダヤ人男性が実在した国だから!




蛇足として




【夢のチームは夢枕に】(2009年2月16日)




映画‘勝利への脱出’は、ドイツ空軍vsディナモ・キエフによる、いわゆる『死の試合』がモデルは置き
連合軍チーム、ドイツ軍チーム、観客の全員、迷子にならずスタジアム脱出したのやらが気になる
連合軍側の身ぐるみ剥いで着替え、ドイツ人からの脱出いたりして~