mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

『歴史』と『物語』は表裏一体

前の記事から続いた




当記事題名は、2012年の7月と8月、独話別館とアメブロの記事より
理数系は全くダメな文化系の頭の体操として、独断と偏見と邪推しまくりを前置きして
AFPBB、赤字の部分は追記でやんす(というより、3年前の夏、暑さでボケたのか忘れてた)



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Wikipedia:『ニコライ2世』より、最期と死後を検索せよ




写真の本は、原著が1976年刊行、邦訳が1977年刊行(文庫版は、1987年刊行)
DNA鑑定の存在しない時代・クレムリンの壁は高い・当時入手出来た資料によるを差し引くにしてもだ
おっと、もう一つ、アンナ・アンダーソンが本人である可能性が高いという結論に達しているを追加




「1991年、ソビエト連邦の崩壊によって公開された記録から、
元皇帝一家全員が赤軍によって銃殺されたことが正式に確認された。」
クレムリン秘蔵公文書を全面否定するつもりはないが、全部正しいとも限らん
興味深いのは何より、イパチェフ館での虐殺は、物理的に無理があり、残された証拠も怪し過ぎること
(詳しく知りたけりゃ、古本屋行くか、Amazonでお取り寄せしな)
「モスクワの指令を受けたボリス・エリツィンにより、1977年7月に解体された」
何か具合悪い証拠隠滅じゃないの?




第4皇女は生き延びたという『アナスタシア伝説』を信じるほどオメデタイ頭じゃなくたって
(アナスタシアと称する女性が
「偽物であったらともかく、本物であったとしたら
そして『私は私である』ということを世界中の誰も認めないとしたら
……これほど悩ましい悲劇はちょっとあるまい」
山田風太郎が‘人間臨終図巻’で述べたという言葉、これは何事にも念頭に置け




1988年刊行の‘世界の女王たち’
この中に、『ロシア皇女 アナスタシアの謎』
‘ロマノフ家の最期’にも引用されている報告に多く当たってるんだけどね
(1918年当時の駐露英国高等弁務官チャールズ・エリオット卿による報告書)
‘ロマノフ家の最期’が書かれた1970年代といえば、1918年当時を知る関係者はまだ多く存命していた
皇帝一家と関わり持つ王侯貴族筋の情報は見逃せない
皇帝一家の運命にはとにかく、英国・ドイツ・デンマーク他の王室が暗躍しまくりなのよ
考えてみましょ
皇帝の母君マリア皇太后は、デンマーク皇女
アレクサンドラ皇后は、ヘッセン公女だから、ドイツ人
皇帝と皇后はどちらも、英国のジョージ5世のいとこに当たる
短く書いても頭痛がするくらい、欧州王室は血縁と姻戚関係結びまくり
当然、欧州王侯貴族の公文書館にも、わんさか非公開資料あるはずだよな?




ウラル山脈で前年発見された遺骨、ニコライ2世の子供と確認』
2008年05月01日 15:26
http://www.afpbb.com/articles/-/2385694?pid=2885910
一応、決着はついている
ただですな、一般人には、結局真実なんて知り得よう無いもんじゃ?
ケチつけようと思えばいくらでも出来る
様々な情報を自分なりに整理して、自分の中で気の済むように纏めればいい
自分が導き出した『真実』に振り回されない、世俗を喝破しようとしない、その大前提でね
情報が溢れ返り、探究心というか思考力が衰えるネット時代故に
嫌韓厨なんかを見ればわかるように、凡人には難しい作業ではあるけれど
ともかく




皇帝一家の運命について推測されるアタクシの結論はですな…




皇帝とアレクセイ皇太子は、1918年7月17日(16日かも?)、イパチェフ館でない別の場所で処刑された
皇太子はヴィクトリア女王の孫に当たる皇后経由による血友病遺伝のため、どっちみち長生き出来ないものの
息子の健康を案じた父親により皇位継承権放棄させられてようが、やっぱ世継ぎに生まれるのは損だわ
その点、王家でも女子や運の良い次男坊以下などは、生き延びる可能性が高い
皇后とオリガ、タチアナ、マリア、アナスタシアの4皇女は、ドイツ系でもある
ドイツに囚われている同志返還しやがれ取り引き要員として、レーニンには大事な持ち駒
どうやらペルミに移送された模様で、どこかへ再移送された?1919年1月末頃までの足取りは確認されている
その頃には、世界情勢とお家の事情が変わり、彼女たちの価値は下落の一方だったので
レーニンが命じたかは置き、粗末に扱われ、遂に命運尽きてしまった
遺体だけを戻して皇帝、皇太子と一緒に埋めた、不自然で面倒だがあり得る
『イパチェフ館の虐殺』を正当化するに必要不可欠ならば




…アタクシは独断と偏見と邪推好きですが




世に知られる歴史(正史)なるもの、『公式に認められた物語』である以上
たとえ、一面しか見られなくても偏見を排し、両面を描かなければならない
それが歴史を書く行為というものである
(『イパチェフ館の虐殺』、これは、
特別重要事件裁判所調査官ニコライ・ソコロフが確立させた
「この文書だけから判断すれば、皇帝一家は死んでいない」

お上に望ましい結論を引き出すための、不都合な情報は無視した偏見の塊ファイル作成
「歴史はソコロフ調査官の手で歪曲された」と、法医学の見地から断罪されている




昔々読んだ少年向けSF小説に、時間パトロール隊(歴史パトロール隊だっけ?)が登場
彼らの任務は、「正しい歴史を守ることにあります」
で、いたいけな中坊たちが協力、反パトロール隊(名前の欠片すら出て来ん…)の敵退治に向かうと
「正しい歴史って、何だね?
事実は一つだが、しかし視点はいくつもあり、『真実』は一つじゃないよ
こんな感じでお説教され、子供は単純だ、「そーかぁ」と寝返り、パトロール隊との戦いに勝利した
メデタシメデタシの後、都合上、一度経験している何ヶ月か前から日常生活に復帰するんだけど
すでに見聞きしている物事に微妙なズレあったりするのよね~




何が言いたいか?




まもなく8月。TVでは、この時期恒例の戦争特集多いんだろなウンザリ
それらの番組を全面否定するつもりはないが
日本人の都合に合うのばっか観て、妙な世界観持つなよ、平和ボケどもがって意味




多くの平和運動家がポーランドに赴き、『ヒロシマナガサキアウシュヴィッツ』のお題目唱える
「同じ大量虐殺の被害者だから手を取り合って平和を訴えていこうね」
ポーランド人は表向きは同調するも、本音は冷めてる
「ただな、ポーランド人は、問答無用で侵略され、戦争を仕掛けられたんだ
日本は、どうだ?自ら戦争を始めた国、鉤十字ドイツと同盟を結んだ国だろ
米国の核によって非戦闘員が大量に傷ついたは自業自得であり、悲劇は戦争を止められなかった点にある
ヒロシマナガサキ・オシヴェンチム(『アウシュヴィッツ』は、ドイツ語。ポーランド人が怒るよ)
まず自国に非は見られなかったかと反省することなく、一緒にすんなよ~」




記事題名の意味:「スペイン語では、『歴史』と『物語』、どっちもHistoria



んで、振り出しへと戻る
ここから先はアメブロ記事、2011-08-10 04:34:17【光と影の織りなす物語】より




『軍政に「盗まれた赤ちゃん」、105人目が確定 アルゼンチン』
2011年08月09日 20:55 
http://www.afpbb.com/articles/-/2819181?pid=7619592





軍事政権下のアルゼンチンの首都ブエノスアイレス。高校の歴史教師アリシアは(ノルマ・アレアンドロ)、実業家の夫ロベルト(エクトル・アルテリオ)、養女ガビイ(アナリア・カストロ)とともに、平穏な生活を送っていた。ある日、学校の同窓会に出たアリシアは亡命していたアナ(チュンチュナ・ヴィラファニエ)の懐かしい顔をみつけ、再会を喜び合った。その夜、アリシアの家でアナはなぜ亡命せねばならないかを語った。それによれば、彼女の昔の恋人ペトロが反体制側だったために彼女まで拷問、暴行を受けたこと、また獄中で妊娠中の女性から生まれて来た子供たちが連れ去られ、見知らぬ人々に売られていくのを見たことを。その瞬間、アリシアの胸にはガビイもその一人ではないかという疑惑が湧き起こった。そんなある日、仕事仲間が夫のロベルトに救いを求めて来たことからアリシアは夫が軍事政権と癒着し、民主勢力に対する加害者の立場にあるのではないか?という疑問につき当たる。彼女はガビイの生みの親を捜し始めた。 そんな中で、五月広場の母の会でサラ(チューラ・ルイス)と知り合った。突っ込んだ話し合いをするうちに、あらゆる点から見てガビイがサラの孫娘である可能性が大きかった。夫のロベルトの忠告にも関わらず、あくまでガビイの出生をつきとめることに固執する。アリシアが家に招いたサラを見て、ロベルトの怒り は爆発、ついに軍事政権側で活動、膨大な報酬を得ていることが判明した。翌日アリシアはガビイを義母の家にあずけると、二度と帰らないであろう家をあとに した。

http://movie.walkerplus.com/mv11119/





第58回(1985年度)アカデミー外国語映画賞受賞作品
1983年に軍事政権は崩壊していたものの、暗黒の記憶が生々しい時代に製作
想像以上に真実を探り当てるのは困難だったのではないでしょうか




原題の‘La Historia Oficial’のHistoriaには、二重の意味が含まれています
主人公が、歴史教師であるアリシアであり
彼女の受け持つ授業で使われる教科書には載っていない『物語』と『歴史』に目覚めていく
申し分ない高等教育受けているのに、あまりにも世間知らず過ぎるのではという意見が聞かれましたが
特権階級なんて国家にとっては、物質的に甘やかしとけば何も疑問持たないロボット集団ですからね




ところで




盗まれた子供たちが、やがて自分の出生に疑問を抱き、真実を突き止めた後
『軍政下で「盗まれた」行方不明者の子ども裁判、養父母に実刑
2008年04月05日 22:35 
http://www.afpbb.com/articles/-/2374239?pid=2800090
「赤ん坊を盗み、その出生についてうそをつき、日常的に不当に扱い、屈辱を与え、
欺いてきた人物に対して愛を感じることができるか自問してください。私は『ノー』です」
こういう場合、真実を知るまでの『公式の家族史』に書かれた愛情も、実は持っていなかった?
訴えるにしても、30年間の家族史を完全否定するには、相当な葛藤が表面に感じ取れるはず…




自分の『真実の物語』を知るすべ無い、存在意義を喪いかねない、怒りと哀しみから?



最後に



脚色や隠蔽したり、歯車を逆転させたり
それでも最後は破綻を迎えるか、何度でも同じ間違いを繰り返し続ける

「歴史が伝える教訓に、思考する事なく、抵抗する者は、必ず滅びる」真理よ