mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

人の世は喜怒哀楽を詰め込んだ玩具箱~Spielzeugland(おもちゃの国)~

ニコニコのサイバー攻撃、月曜日になっても未だ終結していないようで大変ね

やっぱ何か戦争でも(・・?

 

 

 

 

戦争といえば、東西どっちかすら思い出せない1960年代前半の、但しユダヤ人迫害関連のドイツ映画をどうしても思い出せないでいる

その検索中にヒットしたのが

おもちゃの国 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

「縞模様のパジャマの少年」と真逆のアプローチで描かれる、子供視点のホロコースト映画。

同作の劇中プロパガンダ映画で収容所が娯楽施設のように描写されているのが印象的だったが、

本作の表題はまさしくそれ。

戦争映画は悲劇的な展開の方が痛烈な印象を残すが、そういう描写は忌避されがちな分、

本作のように救いのある作品も必要だ。

アカデミー短編映画賞 - Wikipedia

 

 

 

 

Toyland | Oscar - Best Live Action Short Film | A Short Film by Jochen Alexander Freydank - YouTube

英語字幕だけど、14分の短尺で台詞多くないので何とかなる

 

 

 

 

1942年ドイツ

ドイツ人(映画の中ではアーリア人と呼んでいる)のマイスナー家と、ユダヤ人のシルバーシュタイン家は隣人同士にして友人同士

ある日、マイスナー家のマリアンネは、どうして突然近所の人々がいなくなるのかと息子ハインリヒに聞かれ答えに困る

母親は幼い息子にナチス・ドイツによるユダヤ人の強制連行について説明する気にはならず

彼らは「おもちゃの国」へ行くのだとつい嘘を吐くが、子供に「おもちゃの国」なんて言おうものなら?

ハインリヒは、シルバースタイン家が行く時、自分も行き、親友のダーヴィットと一緒にいたいと言い出す

結果、息子を厳しい現実から守るため母親が吐いた嘘は裏目に出てしまい

シルバースタイン家が強制収容所へ送られるために連行された朝

ハインリヒが部屋からいなくなっていることに気付いたマリアンネは慌てふためく

 

 

 

 

 

マリアンネは、ハインリヒを必死に探し始める

ゲシュタポの将校から「お前はユダヤ人か」と尋問され、証明書を見せてドイツ人(アーリア人)を証明すると

彼らは彼女の話を聞き、ハインリヒを探すことに協力してくれる

シルバースタイン家を乗せた貨車はあともう少しで発車する所で、貨物車の大きなドアをゲシュタポが勢いよく開けると

逮捕されたユダヤ人達が立ったまま、ギッシリと隙間なく乗せられているのを見て、マリアンネは目を大きく見開く

マリアンネはユダヤ人達に向かって、ハインリヒの名前を呼ぶ

数人のユダヤ人が少し脇に移動すると、シルバースタイン夫妻の苦痛の面差しがそこにあり、マリアンネを見下ろしていた

マリアンネは、シルバースタイン夫人が抱き締めている後ろ姿の少年がハインリヒだと思い、ハインリヒと呼び掛けるも

少年がゆっくり振り向くと、それはハインリヒではなく、シルバースタイン夫妻の息子ダーヴィットだった

その時、マリアンネは「ハインリヒが一緒に強制収容所に連れていかれるわけが無い点」に気付くが

それでもマリアンネは、ハインリヒと呼びながら、ダーヴィットに手を差し伸べる

シルバースタイン夫妻は顔を見合わせ、ダーヴィットをマリアンネの方へそっと押しやり

ゲシュタポがダーヴィットを貨車から降ろし、マリアンネに渡すと

ダーヴィットを最後まで見つめるシルバースタイン夫妻の目の前で扉は勢いよく締められた

その後、マリアンネはダーヴィットをマイスナー家に連れ帰り、ハインリヒと共に自分の息子として育てたことが

最後のピアノを連弾する2人の老いた手に示される…

 
 
 
 
 
 
 
 

シルバースタイン夫妻にしてみれば、マリアンネと隣人同士であり友人同士でもあるとはいえ

手放した瞬間が今生の別れとなる息子を、恐らく母子家庭であるアーリア人に託すのは心許無いはず

それでも、親同士の交わす希望と絶望の綯い交ぜになった視線が苦しいながらも

戦争が人々を狂気に陥れ、普通の生活を奪ってしまう、誰しもに厳しい時代に生きる無垢な存在を守り抜こうとする勇気と決断に

そして『おもちゃの国』という儚げなタイトルにも、救い、夢のある未来が示唆されてもいるしね

 

 

 

 

作中たびたび登場するテディベア🐻は、ハインリヒの純粋さ、幼さを表し

また、「おもちゃの国」の存在を信じているハインリヒの無邪気さや無知さを視覚的に伝えているとも言える

ハインリヒがテディベアを落としてしまう終盤の場面は

「おもちゃの国」は無いという真実をダーヴィットに知らされ

ハインリヒがもう無知ではなくなったことを描写しているそうだけど

どうあれ、14分の短尺に、残酷な現実、絶望、アカルイミライ、夢、希望が凝縮される点が

無駄に長尺で賞狙いの臭い演技が鼻につくMade in Hollywoodにゃ(ヾノ・∀・`)ムリムリと断言して記事を〆る

 

 

 

 

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