半分寝ながらも後編を観たがな
結果
「満男でなく寅さんが名探偵に見えるワイw」
松竹版『八つ墓村』の出来さておき、渥美清が、原作者の横溝正史にとって理想的な金田一さんという
吉岡秀隆だと、顔が若いというか餓鬼っぽく、それでいて小汚いもんで、「金田一さん、アナタ病気ですよ」
当記事題名の説明終わりw
前編未見のためドラマ全体への細かいツッコミは置いとく
でもやっぱ
出演者の大半がTVサイズ
映画出身でTVにも出演する俳優の存在感、TV出身で映画にも出演する俳優の存在感、その差はデカいよ
昔々大昔、1963年だから60年前、小説家・評論家・コラムニストの小林信彦が映画コラムで
映画スターのTV出演が盛んとなり、斜陽期迎えた日本映画界の危機を憂いていた
銀幕では魅力的なスターだけど台詞もロクに言えない大根役者のボロを補ってくれないetc.と、TVの特性にむしろ好意的だったけどね
それが21世紀現在、映画は勿論TVもまた小粒となった感しきりである
『犬神家の一族』で出演者より(゜_゜>)の点が1つ
脚本、正確には脚色である
小林信彦の指摘する
〈 脚本家 〉
もし監督が殺されたとしたら、もっとも怪しい人物。
殺意のかたまりと言ってもよい。
に加え
映画脚本に関して、映画評論家・大黒東洋士が、「日本人は、オリジナル信仰強過ぎる」
脚色の難しさ知らないを批判した
自分で一から構想練り仕上げることも、知識や労力を要する作業であるけど
他人の作品をブチ壊さず、その趣旨や魅力を引き出す作業って、本当に知性と教養が試される
一度でも真剣に物書いたり脚色したりの経験持つ人なら、おわかりよね
『犬神家の一族』を筆頭とする横溝正史作品の映像化も当然、脚本家オリジナルでなく、原作の脚色となり
推理物、サイコスリラーといった内容の映像化は基本1回でネタバレとなる点が、再三再四に亘る映像化を難しくさせる
Les Diaboliques 1955 - YouTube
元映画を下手にイジると
Sharon Stone, Chazz Palminteri & Isabelle Adjani - Diabolique (1996) - YouTube
リメイクが確実に負ける罠
横溝正史作品の映像化で特に難儀と思うのは、登場人物と相関関係の設定よ
その3年後、『病院坂の首縊りの家』では
原作の兵頭房太郎に相当する黙太郎(草刈正雄):「(法眼家の家系図を見せながら)わかりますか」
黙太郎:「そうでしょ、僕もよくわからないので系図に書いてみたんです」
原作では、上巻:昭和28年、下巻:昭和48年に分かれる
全体的に、登場人物多過ぎる上に、法眼家を取り巻く複雑怪奇な人間関係を理解するだけで精一杯
映像化しようと思えば、上下巻を交通整理して、強引なまでに1つの時期に凝縮するしかあるめえにより、ワケワカメな話に終わった
複雑怪奇な病院坂ほど破綻きたさないものの、登場人物設定と相関関係の変更不可とあって失敗した例もある
冒頭場面でネタバレにアワワワ以前に
「映画版では、設定を変え、原作では自ら命絶った妹が生きていて、彼女が、実の兄妹から産まれた子」
え”っと、原作では、兄が新宮兄妹から産まれた子、妹は新宮兄が小間使いに手を出して産ませた子という異母兄妹
どうあれ妹が絶望して自殺したからこそ、全てを奪われた兄が孤独な悪魔として笛を吹いて復讐する意味が深まる
>>A-chanさん
初めまして
1996年フジテレビ版は一度観たきりなので、忘れてる部分あるんですけど
新宮従兄妹の関係が合意で無ければ、東太郎は確かに、祝福されないですね
秋子夫人が東太郎を出産した件は、時代的に致し方ないのでは?
大正末期だと、明治期に制定された堕胎罪が有効だったはずです
医院と製薬会社と旅館が結託し大規模な堕胎手術のような抜け道はあったものの
秋子夫人の生命賭けるリスクと共に、華族や旧家の体面を傷つけるリスクもあって
赤子を第三者に鼻薬効かせて内密に的かもです
下に続きます
2019/7/11(木) 午後 6:53 [ mathichen ]
上から続きました
古谷2時間版は観てませんが、ヒドイと聞いた記憶はありますよ
横溝物はどの作品も、映像化するに際し、手垢付いた感を拭う感じで独自性を狙うと思います
わかるんですけど、人員整理程度に留め、俳優陣と演出力で勝負と行かないんでしょうか
吉岡版も観損ねました
ザッと調べたら、NHKがワザワザ作る必要あったのか?
YouTubeもですが、ソフト化とか無い?
吉岡秀隆の迷探偵ぶりに興味湧くので観てみたいです
それまでは取り敢えず、1978年TBS版のDVD観ておきます
2019/7/11(木) 午後 6:54 [ mathichen ]
鶴太郎版はマジ、合法であるイトコ婚への侮辱罪として訴えたいワイ、あと、吉岡版の詳細を誰か教えてクレは置きw
安心して観られる『悪魔が来りて笛を吹く』、それは古谷1978年版
>>A-chanさん
原作に、東太郎の長い自白みたいな遺書の章がありますね
最後の章となる、遺書を読み終えた後の場面、そこで、美禰子が従兄の一彦に
男の子は母親に似て、女の子は父親に似るから、自分たちは前向きに生きようと激励します
椿子爵と新宮華子夫人が地味でも、椿邸の人々の中では普通の人々ですからね
事件解決後の美禰子から「血の暗さ」が影響している影が消えたら
美人じゃないなりに愛嬌見られる娘に生まれ変わるのでしょう
ヒロイン型じゃない女優に美禰子が適役と思います
2019/7/26(金) 午後 5:46 [ mathichen ]
数えで19歳の美禰子にはいささか…でも、高卒後小さな会社で働くOL風の檀ふみがイイ
描き方次第で印象変わる役を『犬神家の一族』で挙げれば、青沼静馬の母、とっくの昔に亡くなっている青沼菊乃だ
どの版か忘れたけど、居直ってメッチャ態度悪い菊乃を観た記憶がある
菊乃は犬神佐兵衛が50歳を越した時に持った愛人で、18~19歳の頃に囲われた女工
年齢は佐兵衛の娘達、松子・竹子・梅子の松竹梅姉妹の松子より若い
佐兵衛から犬神家の全相続権を示す家宝を与えられていたが、それを知った松竹梅に暴力を振るわれ、力づくで取り戻されてしまう
松竹梅にすれば、小娘に血道上げるエロ親父が何さらしやがるであり、マァわからんでもない
妾宅を襲撃した時
家中に居る菊乃が居直り、「家宝はアタイの物だ」みたいにメッチャ態度悪ければ、松竹梅を応援したくなるワイw
ま、菊乃は基本、死ぬほど凹られた挙げ句、妾宅からまだ赤子の静馬もろとも叩き出され、呪詛の言葉を吐いて終わる
その後の消息について、映画やドラマでは、空襲を受けて死んだと静馬が語ったりする
原作では、富山の遠い親戚を頼り、静馬を預けたまでは古館弁護士ら関係者が把握していたが、その後の消息は不明だった
母と息子ボッシー家庭じゃないのに静馬は母の末路を概ね把握しているもあり、とにかく曖昧
ただ菊乃には1つ、非常に興味深い点が隠されている
「全相続権を示す犬神家の家宝『斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)』の3つを
野々宮珠世が佐清、佐武、佐智の佐兵衛の3人の孫息子の中から配偶者を選ぶことを条件に、珠世に与えるものとする」
野々宮珠世は、犬神佐兵衛の恩人・野々宮大弐妻の孫娘
野々宮夫妻の娘で珠世の実母・祝子、彼女が実は、佐兵衛と晴世の間にの子
従って珠世は佐兵衛の実孫にあたり、最優先するほど愛でるのも当然と言えるが
生涯正妻を娶らなかった佐兵衛の子供達、松竹梅姉妹と静馬の全員が妾腹と言え、お互い立場に変わりなく
1男3女の末っ子長男と見做せば、静馬が最優先であってもおかしくない
珠世が相続権を失うか死んだ場合
犬神家の財産は5等分され3人の孫息子は各5分の1ずつを相続し、残り5分の2を静馬が相続することになるが
それって、アタシゃ算数全くダメだけど、静馬が一番お得な話ちゃうん(・・?
静馬というのは、佐兵衛にとって唯1人の息子であること以上に重い意味あるしね
「菊乃が、野々宮晴世のイトコの娘にあたることが
遺言公表後の追加調査で明らかになった」
静馬と珠世の血縁関係が叔父と姪は間違いないが、静馬を生んだ菊乃が加わると(?_?)
何ともややこしくなる~と絶叫しといてw
佐兵衛が正妻を娶らないまでに生涯愛した女性は唯1人、晴世のみ
その晴世と繋がるから、佐兵衛は菊乃を愛で、唯1人の息子を産んだ菊乃に全相続権を示す家宝を与えたんじゃないのかね
孫の佐清と同年齢の静馬誕生時点では、3歳下の珠世は影も形も無いを考えれ
その後珠世が最優先となった理由までわからないけど
とにかく佐兵衛にとって、晴世に繋がる静馬と珠世だけが重要だったんでないかい
菊乃は恐らく、自分が晴世と繋がるは知っていても、晴世と佐兵衛の繋がりまでは知らない
佐兵衛は静馬のために家宝を邪心無く有難く受け取る菊乃を見て取っていたろう
晴世の次に大事に思う菊乃を半殺しの目に遭わせた松竹梅にコノウラミハラサデオクベキカを込めた遺言状を残したのかも
手垢付いた有名な原作の映像化にあたり独自性を狙うことが悪いと言わない
脚色に際し、原作をジックリ読み込み、書き手の欲望を抑え奇を衒わない独自性は十分可能を言いたいまで
原作とかけ離れ過ぎるなよの意味ね