mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

原作を手に脳内映像化絶賛推奨作品~病院坂の首縊りの家~

『フェルマーの最終定理』
1995年に証明された当時、29歳の脳細胞は、数回読んでどーにか理解した




2017年、ボケ気味の51歳現在、何回読んでも見ても理解が至難の業である物事少なからず
王侯貴族や旧家の必須アイテムの一つ、家系図もワケワカメの一つ
(ウチ本家だから、過去帳をいっぺん紐解いてみよう)





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横溝ミステリーの中では、まだ簡単な家系図ながら
しかし、佐智と小夜子の配役が、如何にも横溝ミステリー
佐智と小夜子が従兄妹同士でデキて、小夜子がハラボテなのはいいとして
長男:俳優の川口浩、次男:川口恒、三男:川口厚、長女:元女優で陶芸家の川口晶(国重晶)
両親である作家:川口松太郎&女優:三益愛子もビックリ~
右往左往してる所に、悪魔が来りて笛を吹き、Gの映画評論家にダマされたってかい




「カメラ目線でTVの前の視聴者に『来週もまた、あなたとお逢いしましょう!』の決めゼリフ
(『あなたと』の所で、カメラに向かって指を差すポーズを取る)が話題となった
その後、和田誠から『あんな気持ち悪い奴に指差されたら腐乱しちゃう』と批判されてこのポーズを止めた
…松竹映画の八つ墓村を、「オカルトに探偵は不要」と評した和田さん、アナタの目は正しかった
増田貴光の説明しといて




1976年の角川映画犬神家の一族大ヒットを機に、横溝ブームがニッポン列島を覆った
1970年代横溝物映画で良かったのは、犬神家と、1977年の2作品、悪魔の手毬歌、獄門島である
1978年の女王蜂は、中井貴一の姉ちゃん・貴恵のドコが、男群がる絶世の美女?

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1979年に登場した、病院坂の首縊りの家、これもお、ドンヅマリでしょ

原作の兵頭房太郎に相当する黙太郎(草刈正雄
「(法眼家の家系図を見せながら)わかりますか」
金田一耕助石坂浩二
「よくわかりません」
黙太郎
「そうでしょ
僕もよくわからないので系図に書いてみたんです」

大阪やったら客席からモノ飛んで来るほど下手な漫才もどきやんけ





市川崑監督の前作まで通りのワンパターン踏襲は許すとして

昭和28年。港区高輪にある本條写真館の長男・直吉はある晩、女性から奇妙な結婚記念写真の出張撮影を依頼される。かつて女性が自殺したといういわくつきの廃墟での撮影は終えたが、不安を感じた直吉は金田一耕助に調査を依頼する。時を同じくして金田一は、その廃墟の所有者である法眼弥生から孫の由香利の行方を捜索して欲しいとの依頼を受ける。それから数日後、再び撮影の依頼を受け廃墟を訪れた直吉は、そこで風鈴のように天井から吊り下げられた男性の生首を発見した。

その後事件は迷宮入りし、発生から20年後の昭和48年。金田一耕助は、警視庁を定年退職し秘密探偵事務所を開設した等々力大志の元を訪れる。事件に関連して本條直吉が何者かに命を狙われているという話があり、金田一は等々力とともに直吉の身辺警護にあたるが、その矢先、直吉は殺されてしまう。

金田一耕助をもってしても解決までに20年を要した事件である。事件解決後、金田一は世話になった人々に巨額の寄付をし、米国に姿を消し消息不明となる。金田一耕助、最後の事件となった。


原作では、上巻:昭和28年、下巻:昭和48年に分かれる
全体的に、登場人物多過ぎる上に、法眼家を取り巻く複雑怪奇な人間関係を理解するだけで精一杯
映像化しようと思えば、上下巻を交通整理して、強引なまでに一つの時期に凝縮するしかあるめえ
横溝ミステリーが日本人の琴線に触れるのは、やっぱ
「都会、田舎を問わず、地縁や血縁、因習の呪縛を受け、おどろおどろした暗い情念に満ちる閉塞的な世界」
だろうから、高度成長後の1973年でなく、戦禍の名残りが見られる1953年がシックリ来る
んで、映画は、原作上巻の時代に設定したと考えるが
「手を出したらダメな作品に手を出したね」




設定を大幅に変えてもだ

【死神が降臨する一族】
https://blogs.yahoo.co.jp/borussiamagdala/34753974.html

犬神家に続く角川映画第三弾‘獄門島’へと脱線してみましょ
犯人の設定が原作と異なるけど
鬼頭嘉右衛門(きとう かえもん) - 本鬼頭家先代、故人
亡き爺さんの意志というか執念が、月代・雪枝・花子の美人はノータリン姉妹殺害の発端となるのは同じだ
姉妹にとって異母兄に当たる千万太
分家の生まれで、本家に暮らす早苗の兄に当たる一
本家がダメなら分家、とにかくマトモな男子に本鬼頭家継がせたい嘉右衛門の意志が働く
女子でも、映画では嘉右衛門の言わば「隠し娘」と設定変更された、マトモな早苗の婿取りで平和が保たれる
何処のドラ猫の骨と知れぬ男に咥え込まれるやらの三姉妹でなけりゃ良し
復員詐欺と金田一さん獄門島到着のタイミングが、日本版マザー・グース殺人事件の火蓋を切るも
嘉右衛門の意志、それが「真犯人」


変える必然性の有無が鍵ちゃうかい
病院坂には、必然性が感じられず、それが観客をワケワカメに陥れる元凶なのではと見た
もっとも、1992年TBS製作の、古谷一行版病院坂よかマシか
「叔母と甥が結婚していた」
…だから、アタシ、【死神が降臨する一族】で言ったじゃないの

静馬と珠世、この二人、叔父と姪ですけど

叔姪婚って、ドイツでは合法ですが、日本では非合法ですから





映画でもオペラでも、オリジナル脚本より、原作脚色する技術が難しい
ミステリーがとりわけ、小さな粗が全体の出来を左右する
映像化は止しとくに限る作品があって、その代表例に病院坂も挙げられよう
一つの作品で何回やれば気ィ済むのぉが多い横溝物の中で
病院坂が有名な割に、映画とTVそれぞれ1回ずつに留まってる点からも、アンタッチャブルな作品なんだよ




柳の下にドジョウ=カネの甘みは何匹も現れないから、横溝作品映画化に一旦ピリオドを打つ
との目的で、病院坂を選んだのであれば

昭和48年(1973年)
・最後の事件『病院坂の首縊りの家』4月1日、8日 - 15日、23日、30日解決(後半部。ジャズ・コンボ「アングリー・パイレーツ(怒れる海賊たち)」および、本條写真館にまつわる連続殺人事件と昭和28年に起こった「生首風鈴事件」の真相を明らかにする。)。その後ロサンゼルスへ。関係者が八方手を尽くして捜したが消息不明であった。
・しかし、横溝本人の語るところによれば昭和50年(1975年)に帰国しており、余生は日本で送ったようだ。

Wikipedia金田一耕助より引用 )


探偵が謎を残し、読者や観客の想像に任せる楽しみを与えるのに、病院坂がピッタリな作品かいね