mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

死神が降臨する一族

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この映画一番の謎、何だと思う?
(アタシゃ、41年前からずっと悩んでる)

「珠世の番犬的存在・猿蔵、いつ、寝てるのよ!」
(24時間働きます☆の忠実ぶりじゃん)





アンヨは上手♪に広げて湖水に浮かぶ土佐衛門も謎として




野々宮 珠世(ののみや たまよ)
犬神佐兵衛の恩人・野々宮大弐の孫
絶世の美女
頭が良く勘も鋭いが、長い孤独な境遇のため他人に本心を明かさぬ所がある
20歳前に両親を相次いで亡くし、大弐を終生の恩人と慕う佐兵衛によって犬神家に引き取られた
何者かが仕掛けた罠に3度も掛かるが、危機一髪で助かった
佐兵衛の遺言で、犬神家の遺産相続の鍵を握る事となった
猿蔵(さるぞう)
珠世の世話役の下男
元はみなしごだったため、子供の頃から大弐の娘・祝子によって珠世と共に育てられた
珠世が犬神家に引き取られると、下男として犬神家に入った
珠世に非常に忠実で、生前の佐兵衛から“命に代えても珠世を守れ”と命じられているため
珠世の身辺の世話だけでなく護衛も務め、作中でたびたび珠世を助ける
「猿蔵」というのは本名ではなく、猿に似ている事から付けられた通称で、本名は不明
粗野かつ無口で少し思慮が足りないが、力が強く、佐武や佐智も持て余している




・珠世が、遺言状で指名された佐兵衛遺産相続人である
・ただし、佐兵衛の娘たち(松子・竹子・梅子)の息子たちから夫を選ばないと、権利を喪失する
青沼 菊乃(あおぬま きくの)
佐兵衛が50歳を越した時に持った愛人
青沼 静馬(あおぬま しずま)
菊乃と佐兵衛の息子
珠世が権利を喪失すると、静馬に移り、佐兵衛の非嫡出子ながら男子相続となる
…これらが、遺言状の主旨よね




過去の経緯と連続殺人の流れを汲んで、佐兵衛の意志を突き詰めたら、ぶっちゃけ
佐兵衛が、真犯人と言える

顔グチャグチャ息子が不憫で、行き当たりバッタリの犯行に近い松子BBA
亡き父親に憑依され、父親の意志を叶えたようなもんだ





犬神家に続く角川映画第三弾‘獄門島’へと脱線してみましょ
犯人の設定が原作と異なるけど
鬼頭嘉右衛門(きとう かえもん) - 本鬼頭家先代、故人
亡き爺さんの意志というか執念が、月代・雪枝・花子の美人はノータリン姉妹殺害の発端となるのは同じだ
姉妹にとって異母兄に当たる千万太
分家の生まれで、本家に暮らす早苗の兄に当たる一
本家がダメなら分家、とにかくマトモな男子に本鬼頭家継がせたい嘉右衛門の意志が働く
女子でも、映画では嘉右衛門の言わば「隠し娘」と設定変更された、マトモな早苗の婿取りで平和が保たれる
何処のドラ猫の骨と知れぬ男に咥え込まれるやらの三姉妹でなけりゃ良し
復員詐欺と金田一さん獄門島到着のタイミングが、日本版マザー・グース殺人事件の火蓋を切るも
嘉右衛門の意志、それが「真犯人」




瀬戸内海に浮かぶ孤島から、信州は那須湖畔の豪邸へと戻ると




佐兵衛は生涯、正妻を娶らなかった
松竹梅姉妹、静馬の全員、愛人の子として誕生した
松竹梅姉妹はそれぞれ、母親の扱いが悪いなどにより佐兵衛に対して黒い感情を抱く
静馬を産んだ、娘たちより若い菊乃が、佐兵衛から家宝渡されたりしたものの
松竹梅姉妹が妾宅に乗り込み、菊乃をフルボッコに虐めたせいで、静馬の感情も黒い
4人の異母姉弟にとって、巨額の遺産、カネだけが埋め合わせみたいな物
子供が親や家庭環境の被害者となる一例である




佐兵衛の擁護に立つと、「真実の愛を諦めた男」
21世紀現在、真実の愛=間男に燃え上がる汚嫁の寝言と、価値下がってるけど
恩人・野々宮大弐の稚児さんにして、恩人黙認で彼の妻・晴世と通じていた佐兵衛には哀れみを感じる
野々村家の出身、つまり佐兵衛にとって実孫である珠世をこよなく愛して当たり前でしょ
珠世が(本物の)佐清と相思相愛まで見抜いてたかわからんが
佐清が佐武や佐智と違ってマトモな青年はわかってたろうし、珠世と佐清が結婚したらいいくらいは?




そう考えれば、「松子BBA、イイ仕事しましたね」
母ちゃん御無体を陰でコソコソ後始末する息子は大変ながら
松子BBAの犯行、佐武・佐智・静馬を片付けた事が、ムチュコタンに役立ってるじゃん
てか、静馬は絶対、天地引っくり返してでも片付けんとアカンがな
佐武と佐智を消しても、もしも本物の佐清まで消える展開生まれ、静馬一人が残り、珠世が受け入れるとしよう
静馬と珠世、この二人、叔父と姪ですけど

叔姪婚って、ドイツでは合法ですが、日本では非合法ですから

佐兵衛があの世で松子に、「デカした」と労いの言葉を贈与すると思うの、アタシだけ!?




(追記)

犬神家の顧問弁護士を務める古館恭三の法律事務所に勤務する若林豊一郎
彼は、古館の語る所によると
犬神家の誰かに買収されて、法律事務所の金庫に保管している遺言状を盗み見てしまったらしい
…松子BBAに買収されたんだけど
自分とは無関係の遺産相続で、我欲に目が眩んで命落としたんだから
あの世の佐兵衛からのお仕置き、あるいは、自業自得よね~