mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

ねじれた絆~血は水より闇が濃く深い~


モモエちゃんの赤いシリーズ第3作‘赤い運命’ね
DVD全部観てないけど、本放送と再放送、2005年の綾瀬はるか版は全部観た
孤児院の火事により、モモエちゃんと秋野暢子の身元証明する衣服類が取り違えられ
17年ぶりに見つかった検事の娘と殺人犯の娘が間違った家に引き取られる話であった




『新生児取り違え』(Yahoo!検索
第二次ベビーブームだった高度経済成長期に多発し、社会問題とまでなった「赤ちゃん取り違え事件」
Wikipediaには

日本テレビで放送されていた嗚呼!バラ色の珍生!!において、東京都多摩地方(番組内では23区ではない西部と表現)出身の男性が、小学校時代に実施された血液検査で育ての両親が2人ともO型であるのにもかかわらず、男性はA型であり、本来育ての両親から生まれてくるはずもない血液型だったことから、家庭内でのトラブルや夫婦関係の悪化に発展した例もある。

バラ色の珍生、これ観たよ
取り違えが産院という限られた条件の下に起きる出来事であり、もう一人の赤ん坊探すは難しくないと思うが
珍生では見つからず、司会の島田紳助が依頼者に
「もう一人の家では、見た目の血液型合ってるので、取り違えなんて想像もしてないのでしょうね」
ちなみに、血液型は合わないが実子である、ごく稀ながら見られるよ
DNA鑑定存在しない時代に於いても精密な血液検査やれば親子関係無し判明出来たのに
一般には認識されていないため、母親の不倫が疑われ、実際離婚に追い込まれたケースあるのよ
それはともかく、取り違えは、「ウチの子、俺に似てねーな」といった疑念に始まり
家内スッタモンダの挙げ句、血液型が合わない事から判明するケース多いと思われる




取り違えは海外にも多いが、似ていない他、同人種でも髪や目の色異なる場合に疑い持ちやすいのかしらね
フランスには、母親の浮気が村中の噂になり、20年目に取り違えが判明するも、親子関係続行見られるように
乳幼児期ならいざ知らず、思春期以降に判明じゃ、本来あるべき親子関係に戻すのは難しいけど
ロシアでは、キリスト教徒とイスラム教の家族が娘たちをシェアするというのは…
http://www.terrafor.net/news_o1fkuzviii.html
キリスト母は、実娘がイスラム親戚たちに決められた相手と若過ぎる結婚をしてしまうのではと気を揉み
イスラム父は、実娘が男の子にオープンに接し過ぎると心配している
…赤ん坊取り違えた病院の罪深さたるや、罰当たりも甚だしい




実家から遠隔地に住む母親が里帰り出産とか、父親の転勤とか、そんな背景か
飛行機使う距離であれば、子供たちは逃げるに逃げられないから
取り違え判明後、元に戻して、子供たちが実親に馴染みやすいのは、両家が遠距離に住む場合という
取り違えが産院で起きる性格上、大半は産院の近隣在住家庭で起きるが多くなろう
近隣家庭で子供交換すると、子供たちの混乱収まらず、「お家に帰りたいよう…」
実際、同じ小学校に通う娘たちが示し合わせ、それぞれ以前の家に下校した話があった
このケースでは、両家が相談の結果、親が転職等に犠牲払うものの娘たちの思いを尊重し
大きな一軒の家を買って、二世帯同居に踏み切り、成功した
親戚でも何でも無い二つの家庭が同居なんて、折り合い他の苦労は多かったはず
それで思い出したのが、次の段である




当記事題名は、奥野修司著 ‘ねじれた絆-赤ちゃん取り違え事件の十七年’(2002年10月10日、文春文庫)より
1971年に当時米国施政下の沖縄で実際に起きた取り違え事件
2004年にTBSでドラマ化、2013年にもフジテレビで実録ドラマ化
どちらも観てないので、2002年に本を読んだ時の感想になるけど、「家庭環境って、本当、大事だ…」
本では、美津子と真知子の仮名が使用、それに従うと
美津子と真知子の両親それぞれ、高くない学歴や経済力ではトントン、大差は見られない
差が見られたのは、親の在り方
真知子の親は彼らなりに教育熱心、夜型社会の沖縄にあって高校以降も門限7時と躾も厳しかった
一方、美津子の実家では、母親が機能していなかった
母親は美津子の下にも娘を何人か産んだが、いつまでも娘気分抜けず、フラフラ飲み歩くような日々
父親にすれば、本命で無い彼女とのデキ婚であり、家事や育児放棄の妻との離婚も考えた
しかし、自分の親戚から、「子供作ったら嫁追い出すのか」と詰られた他
妻側の親戚が妻の家族に、「自立不可能な娘なんだから、離婚させるな」
「離婚したら、あいつに子育て出来るわけ無い。亭主に女が出来ても、籍だけは抜かせるな」
本妻の持つ強い権利に生活保証というわけだが
(なお、夫の母は、デキ婚でも何でもせっかく授かったのだからと、説得する形で結婚させたが
後年には嫁の不出来に後悔したともいうし、無計画なデキ婚はやっぱ禍根残すの代表例だわ)
亭主に女が出来ても離婚しないの結果として
母親の姉が、妹の子供たちの面倒見るうち、義弟と出来てしまい、息子まで生まれたら?
娘何人いようと息子一人には勝てない家社会の沖縄に於いてよ?
美津子が、「妹たちには伯母さんが必要だった」と、父親と伯母さんの仲を認めた中には
「自分には、(育ての、つまり真知子の)お母さんがいる」が込められていた
美津子と真知子も、実と育ての親を行き来してたのね
美津子家所有の家屋に、真知子家が住む展開にも至った
それだけに、両家の家庭環境の差が大きいのは、娘たちにとって良い影響与えなかったと思われる
真知子は育ての親から足遠のくに対し、美津子は育ての親を頼りに出来ようと実親に縛られる
育てのお母さんは勉強見てくれるのに、実親は全く当てにならないを言ってるのだろうが
「親に教養が無いのって辛い」には、まともな家庭を機能させられなかった実親への怒りもあるとしか思えんわ
皆から見切りつけられた実母と異なり(自業自得とはいえ、婚家囲い込みはある意味被害者と言えるが)
実父は美津子にそれなりの思い抱くだけに、美津子が現在、実家の連中と上手くやってくれてるならばいいけど
アタシゃいまだ釈然としないに変わりは無い




裕福子と貧乏子が産院で取り違えられたら、それぞれどんな運命を歩むのか?
【希望の心が皆の手を取り合う歌】(2015年5月12日)
漫画とアニメの‘さすらいの太陽’は、裕福娘と貧乏娘が、看護婦によって取り替えられるホラ話
実話は、『60年前赤ちゃん取り違え事件』(Yourpedia)である




裕福家に育つはずであった男性(以降、真長男)は

「今まで長い間苦労をしてきて、何でこんなにつらい人生なんだろうと思っていた。取り違えが分かってからの数か月は毎日、涙が出た。こんなことがなければどんな人生だったのかを考えると悔しさが募り、病院に謝罪してほしかったが、病院は謝罪を拒否した。また、病院に対しては悔しさと怒 りしかない。でも、苦しい生活の中でできる限りのことをしてくれた元の母親やかわいがってくれた兄弟には感謝の気持ちしかなく、複雑な思いもある。戻れるものなら戻りたい、生まれた日に時間を戻してほしい。」

(東京地方裁判所は)「出生とほぼ同時に生き別れた両親はすでに亡くなっており、本当の両親との交流を永遠に絶たれてしまった男性の無念の思いは大きい。本来、経済的に恵まれた環境で育てられるはずだったのに、取り違えで電化製品もない貧しい家庭に育ち、働きながら定時制高校を卒業し、高等教育を受ける機会を失わせて精神的な苦痛を与えたなどの苦労を重ねた」と指摘し、病院を開設した社会福祉法人に合わせて3800万円を支払うよう命じた。

真長男と血縁持つ裕福家の弟たちも

実の兄は最初、詐欺だと思って信用してくれなかったが、自分の写真を手紙と一緒に送ったら「確かに似ている」と言って、ようやく会ってもらえた。本来育つべき環境で過ごすことができず、実の両親にも会えず、気の毒でしかたがない。父も母も無念だったと思う。こんなことが起きて実際に起きていいのかと、病院に怒りを感じる。

「五十何年生きて来て初対面で、兄弟なのに不思議だった」
真長男は弟たちから、「あと20年は生きられるから、これまでの分を取り戻そう」と声をかけられ
「嬉しかった。全て終わったら、一緒に温泉に行きたい」と笑顔を見せ
いまでは、月に1回程度、酒を飲むなど交流を深めている




一方、裕福家偽長男は、一緒に育った弟たちと折り合いが悪い
取り違え発覚も、弟たちの、兄に対しDNA鑑定を要求がキッカケであった
弟たちは兄が両親の実子では無いを知り、親子関係不存在確認等請求控訴事件を起こした
…血縁関係の事実はともかく、半世紀以上兄弟として生きて来て、何で裁判沙汰にまで拗れるの?

偽長男の行動に疑念を抱いた弟3人の行動による。母親の花子が生前より長男に違和感を覚えると話しており、偽長男は花子死亡後の認知症の父親・太郎に対する介護をせず、太郎死亡後は夫妻自宅から兄弟を追い出そうとした。また、偽長男は母親の法事にも出席せず、アルコール依存症で、父親に暴言を吐き、太郎が偽長男の家に訪ねてきた孫にも会わせようとせず、追い返した事もあった。

偽長男は、花子の死後、老齢の太郎に対し冷たい態度を取ったばかりか、弟たちに対しても冷たい態度を取ってきており、家の長男としてふさわしくない。花子の遺産分割の際、偽長男が、脳梗塞認知症になった太郎の在宅介護を引き受けると言うので、弟たちが、偽長男に花子の遺産の大半を取得させたにもかかわらず、偽長男は太郎を老人施設に入所させようとし、これに反対して在宅介護を始めた弟たちに協力することを拒絶し、その後、弟たちの要求により在宅介護を分担するようになった後も、十分な介護をしなかった。

花子は、生前、偽長男が病院で生まれたとき、花子が用意した産着と異なる粗末な産着を着せられて、花子のもとに連れられてきたという話を繰り返し語っていた。花子は、産着が異なることから、病院での新生児取り違えを察知し、偽長男人が実子でないことを推察していたものである。花子が、偽長男に対し親子関係不存在確認請求訴訟の提起等をしなかったのは、そのような手続を知らなかったからにすぎず、繰り返し産着の話をしていたのは、弟たちに対し、その疑念を晴らしてほしいという意思を伝えていたものである。

弟たちは花子の話を聞いてもまさかと思っていたが、偽長男が太郎や自分たちに対しあまりに冷たいのを見て、本当に血のつながりがないから、これほど冷たいのではないかと思うようになった。三郎は、当時、北海道で勤務していたが、介護のため転勤を希望し、太郎・花子夫婦がときどき使用していた船橋の家に転居して、兄弟と共に太郎の在宅介護に当たり、太郎の死後も船橋の家に居住している。偽長男は、太郎の公正証書遺言に船橋の家は偽長男に相続させると記載されていることを楯にとって、当初、三郎に対し船橋の家の明渡しを求めると解される態度を取り、当審に至っても、上記家の時価による買取り又は賃借を求めている。

…弟たちの言い分であり、どこまで正確かわかりませんがね、介護で揉めるとは時世柄ですな
「戸籍上の父親が2歳時に死去
6畳のアパートで暮らし、生活保護を受け、兄2人とともに母親に女手一つで育てられた
中学卒業後、町工場に就職して働きながら定時制の工業高校を卒業し、現在はトラック運転手をしている
貧しい生活の中で、兄の介護もしていた」
弟たちの目に、真長男が輝いて見えたのかもよ
「教育に恵まれながらも、勉強の出来が悪く、浪人して大学進学した
相続で優遇されたのに、親の介護に本腰入れなかった
親子関係不存在確認等請求の原判決を不服として、控訴を提起した」
何かと問題児の偽長男と比較してね




もっとも偽長男が裕福家家族に冷たい背景には、家庭の空気が影響したのではと考える
母親が取り違えを推察していたのであれば、偽長男をどれだけ親身に育てたのか?
裕福家の兄弟たちは皆、私立高校に通い、家庭教師まで付いて、大学進学したというが、兄弟の年代から見て
母親が有閑マダムでも楽勝の本物の有産階級であり、長男にはそれ相応の跡取り教育が施されるのが常識
従って、偽長男にもそれなり手をかけて育てたにせよ
子供にとって最初の信頼関係である親子関係に歪みが生じていたとすれば
偽長男一人を責められないでしょうね




赤ん坊取り違えは悲劇
しかし本当の悲劇は、育った環境と実家環境に潜む気がしてならない
知らぬが花で済むなら、知らずにいられるがいい場合もあるとも思うし
それだけに、「ウチの子、変だよな」を生む取り違えの罪は深く重いわ…




家庭環境が子供に及ぼす影響を考えれば
赤ん坊取り違えは、子持ちで簡単に離婚再婚する、テメエが可愛いだけの歩く下半身連中への警鐘でもある