mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

突然炎の如く~隣の女~

副題:【恋も南京錠】

Wedlock is a padlock.
婚姻は南京錠である。
[解説]
結婚すると、頑丈な錠前のかかった牢に入ったも同然で、簡単には逃れられなくなることのたとえ。

War, hunting, and love have a thousand troubles for their pleasure.
戦争と狩猟と恋愛は、その喜びを得るために千の苦しみを味わう。
[類似の英語]
War, hunting, and love are as full of trouble as pleasure.
[類似の日本語]
恋には身をやつせ / 恋の重荷

http://www.eigokotowaza.net/proverb/w.html

そんなもんよ、男女の好いたハレタなんて




先週の水曜日

…昨日
【雨が印象的な映画100本ほど】
たっふいーさん記事のリストに入ってなかったんで、「洋画では、雨のエトランゼ」
結果
もお観たくてたまらん呪いに掛かってる真っ最中なんですけどぉ




…今週末はね、昨日の乳母様への返信がね、呪いなんだわ↓

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https://www.youtube.com/results?search_query=la+femme+d%27%C3%A0+c%C3%B4t%C3%A9+de+fran%C3%A7ois+truffaut+

ストーリーは、『黒衣の花嫁』のあとジャンヌ・モローとシャルル・デネルの共演を想定して『愛の軌道』のタイトルで書かれたものをファニー・アルダンジェラール・ドパルデュー用に書き直したもの。エディット・ピアフシャンソンにインスパイアされたという。

ストーリー
ベルナール(ジェラール・ドパルデュー)とアルレット(ミシェール・ボームガルトネル)の夫婦と息子のトマ(オリヴィエ・ベッカール)が暮らす家の向かい側に、マチルド(ファニー・アルダン)とフィリップ(アンリ・ガルサン)の夫婦が引っ越してきた。アルレットは夫婦を食事に誘ったが、ベルナールは残業で遅れると嘘を言ってすっぽかした。ベルナールとマチルドはかつて恋人同士だったことがあり、彼女と顔を合わせたくなかったのだ。しかし隣同士で逃げ切れるわけもなく、2人は昔のように深い仲になっていった。

フィリップが留守にしたすきにホテルの一室を借りて愛し合った2人だが、マチルドの方はもうこれっきりにしようと言い出した。マチルドはフィリップと旅行に出かけることにしたが、出発前のパーティーで、ベルナールは強引にマチルドに迫り、2人の関係は衆目の知るところとなった。旅先でマチルドとフィリップの間には気まずい空気が流れた。苦悩するマチルドは神経症の発作で病院に運ばれ、誰に対しても心を閉ざすようになった。一方、ベルナールは妻の妊娠を知り、彼女につきっきりになった。

ある晩、ベルナールは空家となった隣家から物音を聞いた。行ってみるとマチルドの姿があった。2人は再び愛し合ったが、セックスの最中にマチルドは拳銃に手を伸ばし、ベルナールと自分の頭を撃ちぬいて死んだ。

町の住人が集うテニスコートの管理人で、マチルドとベルナールの激しい恋を見守っていたマダム・ジェーヴは、2人の墓碑銘として、このように告げる。

「あなたと一緒では苦しすぎる。でもあなたなしでは生きられない。」

解説
パーティーの席でマチルドのドレスが椅子に引っかかってすべり落ちてしまうシーンは、ハワード・ホークス監督の『赤ちゃん教育』からの引用。マチルドの夫の職業が航空管制官なのは、エリック・ロメール監督の『飛行士の妻』への目配せ。ベルナールがマダム・ジェーヴに語った「女のために自分の腕を切り落とした」男の話はトッド・ブラウニング監督の『知られぬ人』。ベルナールが妻と一緒に見に行った映画はマイケル・カーティス監督の『歩く死骸』。

Wikipedia隣の女より引用 )





TVで観たんだっけ?
18禁年齢で観た気するほど大昔だ




「『黒衣の花嫁』のあとジャンヌ・モローとシャルル・デネルの共演を想定して
『愛の軌道』のタイトルで書かれたものを
ファニー・アルダンジェラール・ドパルデュー用に書き直したもの」
黒衣の花嫁’(1968年)は、コチラ
トリュフォーはこの作品を失敗だと語っている
特にカラーにしたことが視覚的にミステリーがまったくなくなったという」

視覚的な失敗点、それはもう一つ、主演女優の選択にミスを強調しとく
ジャンヌ・モローは『聖なる獣』、フランス女優への最大の賛辞に値するものの
脚フェチのトリュフォーが惚れる脚線美と対照的な老け顔が、ジュリー役に難点でしょ
ルイ・マル監督‘死刑台のエレベーター’、まだ29歳だった1957年でさえ苦しかった
40歳でのジュリー役、結婚式最中に花婿が殺され復讐を誓う花嫁なんて無理あり過ぎだ
への字口顔なら、その頃には映画デビュー前の子供であったイザベル・アジャーニ向きの役だよ
アデル・ユーゴーカミーユ・クローデルと、頭逝くほど一途に思い詰める役がお似合いに加え
40歳手前でしゃ~しゃ~と20歳そこらを演じられた顔と来るモノノケにね




マチルド役にも、モローだと違和感受けまくりと思われる
モローに似合うのはFemme fatale、『運命の女』
・男にとっての『運命の女』(運命的な恋愛の相手、もしくは赤い糸で結ばれた相手)の意味
・また、男を破滅させる魔性の女(悪女)の事
ファム・ファタールの条件を、マチルドも満たすのは確かながら
マチルドには『市井の主婦』、十人並み感が欠くべからずであり
そこがモローの癖持つ個性に合わぬかと




マチルドは見た目、十人並み
と同時に、ブッ飛んでる内面が欠かせない




ちょいと、‘アメリカの夜’(1973年)を思い出してみてちょんまげ
https://www.youtube.com/results?search_query=la+nuit+am%C3%A9ricaine+truffaut
美女としては個性的でない意味での十人並みであるジャクリーン・ビセット
女優ジュリーが出演する映画中映画‘パメラを紹介します’は
新婚の妻が、婚家で紹介された夫の父親と恋に落ち、駆け落ちしてしまう話だ
演じるジュリー自身、父親年齢であるネルソン医師を伴侶に持つ
ジュリーが2年ほど前、神経衰弱になった時に治療したのがネルソン医師で、それが馴れ初めとなった
「彼は奥さんと子供を捨て私に尽くしてくれてるのに、バカな事したと思ってるわ」
ジュリーが、お子ちゃまな共演者アルフォンスをお守りした件から泣くね
白髪頭がダンディなネルソン医師は、見た目に相応しい懐深さにより妻を責めず、丸く収まる
若い妻をピチピチ小猫ちゃんだからじゃなく父性愛的な優しさで愛しているためと見る




ネルソン医師を演じたデーヴィッド・マーカム
同じトリュフォーの‘恋のエチュード’(1971年)で姉娘アンを演じたキカ・マーカムの父親と追記しといて




ネルソン夫妻が、‘隣の女’に於けるボーシャール夫妻なのでは?
ボーシャール夫妻が遅い新婚旅行に出かけ
旅先で、マチルドがフィリップとのベッドでベルナールの名を呼んだ
彼女はやがて神経衰弱で入院し、その事をフィリップはベルナールに知らせた
…おっさんでも馬齢重ねただけの十人並み宿六ならば、旅の宿時点で、汚嫁を張り倒して返品するがな
なまじ優しく、恋に病んでる妻を放し飼い状態にしとく点が、フィリップの失敗だ




オトコってやっぱ馬鹿ってか
ベルナールはベルナールで
お互い顔見たらスイッチ切り替わる関係の相手と繋がる家屋に入るなよ
マチルド抜きに、自宅内でなく隣の空き家に物音聞こえたら、まず24、警察に通報しなさいよ
妊娠中の妻と幼い息子がいるのに迂闊過ぎるって
抗し難い女とイっちゃう状況下に逝っちゃうとか、「おいおい」と言いたくなるわ




何ともスットコドッコイな物語ながら、その不器用さが、恋の現実の一つを示すと言えよう
「一緒にいられないが、離れては生きられない」、運命カップルの場合ね




隣の家に引っ越して来たのが、単なる元カノ(元彼)だったら?
日本でならさしずめ、巨大掲示板の世界となろう
お互い罪悪感より、禁断の果実ウマーに酔い痴れる感じよ
不倫男にはね、無意識でも「帰る場所がある」、上手く行かなくたって嫁と子供がいるの安心感が大きい
女だって、夫にバレた時「アナタだけよぉ」の定石、許してくれるのが当然との甘えがある
不倫バレての修羅場に於いて
「こーなったら、寝物語シナリオ通り、奥さんと離婚後にアタシと再婚して、責任取ってよねッ」
「ザケンな!アタシが浮気の離婚でも女だから慰謝料貰えるとか頭湧いてる奴が、俺様に慰謝料払え~」
真実の愛に目覚めた運命の二人とやらの醜悪な場面多さを思うべし




発覚を恐れるが、計算高くなく、不器用である
それが「一緒にいられないが、離れては生きられない」と考える
このタイプが、不倫に純愛が存在するとすれば相当するんじゃないかね
隣の女に登場するマダム・ジェーヴ
20年前に愛していた男に裏切られ、そのために窓から飛び降り杖頼りの身となっている中年女性
マダム自身がかつて、恋の痛手を知り過ぎている
彼女がマチルドとベルナールの激しい恋を見守っていたのは恐らく、不器用な二人を案じてだ




また、皆無と言わんが、美男美女カップルはいないと踏む
何年か前に書いた、和歌山県で昔々に起きた実話として
「夏の午後、シュミーズ姿で縁側に涼む、腕にバンソウコ何個も貼る経年劣化絶賛進行中オバちゃん
庭が丸見えの低い垣根の前を通り掛かったのが、町一番のイケメン青年
目と目が合った瞬間、天から雷鳴轟く勢いで、恋の花が咲いた
翌日には駆け落ちし、今何処?」
そんなもんよ、ハリウッド映画でない、渡る俗世間の恋物語なんて




映画世界的恋物語が現実に起きるかはさておき、隣の女的不倫起きる現実味十分の点では
キャピキャピ系より中高年男女の名優多い、恋愛が生き甲斐であるフランスが一番でしょ
整ってるが平凡な顔のファニー・アルダン、いかついドカタ顔のジェラール・ドパルデュー
この組み合わせ、スゲー現実味持ってるわ
逢い引きの話で例えれば
米国(メリル・ストリープロバート・デ・ニーロ)でなく、英国(シリア・ジョンソン&トレヴァー・ハワード)よ
人間、お互い顔と年齢だけで恋するわけじゃなく、内面などでも当然ある




罪悪感にさいなまれるものの理性は残っており、しかし…、といった隣の女的不倫起きる現実味が不十分
それは、禁忌の意識がほとんど無いが故に、年中発情期みたいな某島国ちゃうかい
描かれる恋愛の形どうあれ、恋愛を描いて世界史に残りそうな日本映画ってどのくらいの数よ?
成瀬己喜男の‘浮雲’(1955年)、あれが現代の監督と俳優に可能なのやら悩むで〆とく





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