mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

陥穽はそこかしこに仕掛けられている

ニュース記事から続いた




近所のTSUTAYAで、‘息子が人を殺しました─加害者家族の真実’を探してみた
しょおもないコミックや啓発本は豊富、文庫本はそれなり、他は手薄のため、見つからない
急いでないので、後日もっと大きな本屋へ行ってみるべと思い、文庫コーナーを適当に覗くと
神さんの思し召しか?





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殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
清水潔 (著)

内容紹介

犯人が野放しになっている? 「桶川ストーカー事件」を手掛けた記者が迫る! 5人の少女が標的になった知られざる大事件。それを追う記者が直面したのは、杜撰な捜査とDNA型鑑定の闇、そして司法による隠蔽だった――。執念の取材で冤罪「足利事件」の菅家さんを釈放へと導き、真犯人を特定するも、警察は動かない。事件は葬られてしまうのか。5年の歳月を費やし、隠された真実を暴きだす衝撃作。

内容(「BOOK」データベースより)

栃木県足利市群馬県太田市という隣接する2市で、4歳から8歳の5人の少女が誘拐または殺害されているという重大事件。その中の一つが、あの「足利事件」である。一連の事件を同一犯による連続事件だと喝破した著者は、「足利事件」冤罪の可能性を報じて菅家さんを釈放へ導くとともに、徹底した取材によって、ついに「真犯人」を炙り出した―!

https://www.amazon.co.jp/%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E7%8A%AF%E3%81%AF%E3%81%9D%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%84%E3%82%8B-%E9%9A%A0%E8%94%BD%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%8C%97%E9%96%A2%E6%9D%B1%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%B9%BC%E5%A5%B3%E8%AA%98%E6%8B%90%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E6%B8%85%E6%B0%B4-%E6%BD%94/dp/4104405027




‘桶川ストーカー殺人事件 ― 遺言’、これ持ってる
再読するまでもなく、著者自ら‘殺人犯はそこにいる’にダイジェストしてくれたのを読み、改めて気分悪くなった
警察組織と、そこの大本営発表を垂れ流す記者クラブ所属する面々の、言わば連合軍により
被害者のイメージ操作みたいなもので、女子大生は二度殺されたに等しかったじゃん
連合軍から見れば雑魚である写真週刊誌が名誉回復してくれるとは皮肉な話だね




‘殺人犯はそこにいる’、そういう本があるのは知っており、読んでみたいと思ってた
買えよという声が頭の中に鳴り響き、税抜750円だし、即買い!
読んでみると、「桶川以上にドロドロした世界だ」




17年間に、半径10kmの狭い範囲内に、似た状況下で、幼女の殺害と行方不明が起きた
これらが関連性持たねば、少なくとも5人の変質者がいる計算であり、薄ら寒いどころか極寒過ぎる
ド素人ですら、同一犯による連続事件でしょと考えるのが自然でしょ
ただ連続事件として見るには致命的な、足利事件をどう捉える?
「逮捕当時、1件目と2件目も自供し、足利1件で起訴された結果
3件で起訴なら間違いなく死刑囚で、足利だけでも無期懲役囚と
5件の事件のうち、最後のものは、足利の犯人とされた菅家氏が受刑中に発生した」
また、足利事件は、最高裁まで行って、お上の確定済み事件である
DNA鑑定が採用された最初という大事件を裁いた最高裁判決を覆すのは容易じゃない
それでも清水氏は、菅家氏が無実である必要するモノを持っており、調査報道を続けた
すると、最後には、やはり冤罪の可能性持つ飯塚事件にまで辿り着く事に




…DNA鑑定とか、報道のあり方とか、そんな難しい事はわからんわ
清水氏が調査初期の時点で掴んでいた、ルパン三世に似ているから『ルパン』が真犯人か否かもだ




アタシの目が行ったのは、まず、足利被害者少女のお母さん
このお母さんも、お上の欺瞞の被害者であろう
塀の中の受刑者を真犯人と信じて来たのは当然として
その真犯人が自転車二人乗りでとの自供を、清水氏から聞いて、「娘は、幼児用カゴでなければ乗れない」




…事件の基本中の基本を、親が知らないというのは、警察の対応ってそんなもん?
信憑性持つ目撃証言も、採用されていない
他にも、警察・検察・科警研には、おかしな話の列挙に暇が無い
科警研に娘の服や所持品を返却を要求しても、シャツだけは返せないとか言い出す
足利事件の無罪確定後には、5件の遺族が家族会を結成したが
臭い物に蓋みたいな対応され続けたら、そりゃ不信が強まり、結束して真実を追究したくなるよね




臭い物に蓋
これの意味するものは、福岡で発生した、小学1年生少女2人が被害者となった飯塚事件にも当てはまる
この事件も、無実を訴えていた
足利と同じDNA鑑定方法により、クロとなり、死刑囚のため、これまたおかしな時期に刑の執行された
…DNA鑑定方法が、実は欠陥持ちという
同じ冤罪でも、死刑は不可逆、執行されたら取り返しつかない
失態に関して、何かの権威とかの考える事なんて保身であり、キナ臭いもんだわな




上段は要するに、権威、国家権力、そういったものも加害者になると言いたいわけ
池田理代子先生の‘オルフェウスの窓’第一部に登場する警部が
http://www.y-history.net/appendix/wh1401-076.html
漫画の舞台である時代には解決していなかった、フランス最大の冤罪事件であるドレフュス事件について
国家権力は自らを守るためなら、正義や個人の権利など意に介さないといったような事を言うけど
戦後の混乱時じゃない、初期とはいえ平成の1990年代に
密室である取調室の中で、容疑者をオラオラ締め上げ、警察が描いた物語を強要したと聞くと
日本に於ける有罪率99・8%=冤罪率99・8%とさえ思えるわ
清水氏も、全国には、世に知られてないだけで無実の受刑者がどれだけ?を指摘してるよ




つまり、オラ何もしてないと断言出来る者とて、何が原因で加害者認定されるやら
無実ならそう簡単にお上に屈するなよとか言うなよ
清水氏が、足利の菅家氏を無実と信じられると見たのは
強圧な姿勢で迫られたら相手の言う事を聞いてしまう性格で
刑事と弁護士の区別もわからないほど無知だった、ごくごく普通のおじさん
大岡越前みたいなのが登場して、何も聞かずに無罪とわかってくれる」
=警察の御無体は諦めても、国は信じる、だから税金の滞納は出来ない、善良なる市民
逮捕されて生きるか死ぬかの瀬戸際に、わずか2000円の市民税の滞納を心配していた点であった
菅家氏が拘置所にいる時、面会に訪れた免田氏、34年を経て釈放された元死刑囚もそういうタイプという




ところで、免田氏といえば
無罪放免後、清水氏と食事し、帰りのタクシーを運転するおっさんに
「免田という人、どう思うね」「あの人は、本当に殺ってるかね、それとも無実かね」
運転手は、本人が質問していると微塵も思わないので
「本当は犯人でしょう」「何も無い人が、逮捕とか、死刑判決とか、無い」
今回は一応無罪になったけどねと、知り合いのお巡りさんも言ってたと笑って答えた
車を降りてから、免田氏はポツリと
「あれが、みんなの本心とですよ」
拷問のような取り調べで自供を強いた警察
真実でない自供を信じ込んだ検察と裁判所
それを報じ続けたマスコミ
無罪になっても誰もが『無実』を信じるわけではない現実
(ちなみに、無罪:ある罪を犯した者が科刑を免れる事、無実:何も罪を犯していない
無罪と無実は、全くの別物である)




…上段、一般市民でさえ、『加害者』になり得るを示してるでしょ
情報鵜呑み度世界ランキング上位国にして、右へ倣えの国民性が加わってみ
お上にとって不都合な事は、お上にとって都合いい奴に押しつけたれを見抜けず
お上のする事には間違いないとばかり、大本営発表に振り回されよう
だったら
自分自身が、いつ何時加害者にされるかもなのに
死刑執行後に再審請求起こした、飯塚事件死刑囚遺族が、誹謗中傷に晒されて暮らしていたなんて
無実の場合、家族を奪われた被害者遺族と言えるよね
「加害者家族と被害者家族は対極に位置すると同時に大差無い気がする」、その意味、わかった?




「未解決事件の数だけシャバに殺人者なんかがいるんだよね…怖い」
姿や声は掴めないもののこの世には必ず真犯人が存在する
と、以前書いた
解決済み事件とて、必ずしも例外じゃない
冤罪ならば、悪が善の仮面を被り市井を闊歩するを認めるわけだ
そういった事が無くならない限り、国・組織・個人もまた、加害者だらけの現実と言えよう
国家権力などの場合
本当の罪人を、野放しにし、再犯重ねるを許すんだから、罪深いこの上無しね
免田事件に関して追記すると
「死刑が覆ったを聞いた検察側に、『長生きさせておくからだ』の声があった」