mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

Bühnenweihfestspiel(舞台神聖祝典劇の一夜)

案内記事から続いた




ワルキューレ、ヲタの血に勝てず、結局観ちゃった
半分くらい寝ながら、でも音楽は聴こえていた
歌手陣の感想だけ備忘録しとく(ただし、ワーグナー級長丁場)
記事題名は考えるのが面倒なため、パルジファルより転用した(祝祭大劇場上演だからと強引ではある)



ペーター・ザイフェルト(テナー):ジークムント

20年前のズービン・メータ指揮バイエルン国立歌劇場盤で聴いた
1954年生まれ、え~と、もお63歳を迎える爺さんかい
身体並みに重たいティーレマンの指揮に耐えられる力は維持してるようで
2000年代前半バイロイトニュルンベルクのマイスタージンガー第三幕、歌合戦の場面は怖かったろけど
だって、ティーレマンの奴、懸賞の歌直前の休止符に10秒も取りおった
FMと音声だけなので、舞台が見えず、NHKの放送事故かと思ったわ

安心して聴けるヴェテランの安定感だね
好みは分かれると思う
昔々、トーマス・ハンプソンが録音したアリア集に、ジークムントが含まれていたように
ハイ・バリトンが歌え、テナー志願のバリトンが先ず手がける、要するに低音域が充実した役柄である
ザイフェルトは、高音域タンホイザーが楽勝の生粋テナーなので、アタシの好みとズレるが
「ヴァルハラ城に行けば、ウェルゼ(ヴォータン)に逢えるのですか?」、見事なファザコンぶりを見せていたのに
「愛する妹ジークリンデと離れ離れになるくらいなら、ジークリンデの喜びと悲しみ持てる所なら」
どんな忌まわしい地上であろうとも残ると、ブリュンヒルデに断言し、実行しようとした
仮の話、ジークリンデと地上に残るが叶ったとして
ヴァルハラに行きゃ、英霊として出世叶うのを捨ててまで、愛する女性のため、どんな試練をも受け入れ戦う
…ガキんちょぶりと成長ぶりが、若々しい声質に合う



ゲオルク・ツェッペンフェルト(バス):フンディング

一昨年より、ティーレマンの指揮カタリーナ・ワーグナー演出のトリスタンとイゾルデでマルケ王を歌っている
愛の死を歌い終わったイゾルデの腕を掴み、「嫁とHしちゃうんだもんね」とばかり、舞台奥に消える王さんね
まだ40代後半のイケメンとあって、妙に生臭く感じられる
敵役フンディングにしては、明るい声
パルジファルのバス役、グルネマンツ爺さんを持ち役にするものの、ヴォータン歌えるんじゃないの?
高音域多いラインの黄金は無理と思うが、最も低いさすらい人、ジークフリートは何とかイケる気がする
条件良ければ、ワルキューレ

フンディングが敵役と言っても、悪事も働くが、世間には豪族の主として名を馳せ、それ相応の風格を備える
飛んで火に入る宿敵ジークムントに、一夜の宿を与え身の安全保証を見ての通り
THE悪を何が何でも前面に押し出す必要は無い
…腐っても神々の長であるヴォータンにも適用される部分あるでしょ
フンディング→ヴォータン→またフンディングのジョン・トムリンソンは、ツェッペンフェルトと同じくバス
来年還暦を迎えるバス=バリトン、ファルク・シュトルックマンが、フト気づいたらフンディングへ転向を見ると
ヴォータンとフンディングの両方を手がける歌手わんさかいたって不思議じゃないわよ
ツェッペンフェルト、頑張ってみろぉ



ヴィタリー・コワリョフ(バス):ヴォータン

数年前、ダニエル・バレンボイム指揮ミラノ・スカラ座ワルキューレに登場果たしてるも
アタシにとってお初となる歌手である
年齢見たら、アタシの2個下と、まだ十分若い
近年はホント、大声を軽々と出せる大柄だらけの旧共産圏出身ワーグナー歌手増えた中、ウクライナ系スイス人
https://search.yahoo.co.jp/image/search;_ylt=A2RivcS7Lz5ZTQ4AMDqU3uV7?p=Vitalij+Kowaljow&aq=-1&oq=&ei=UTF-8
どっかで見たような風貌と思ったら、声を聴いて納得


50年前、カラヤンの舞台で歌ったトーマス・ステュワート
猿顔という面では、コワリョフの顔って、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの方が近い?
ワーグナー歌い過ぎて、50歳前後に早目の衰えが訪れたステュワート
顔暗い、声も暗い、戦艦的大声量いうほどじゃない
ラファエル・クーベリック指揮マイスタージンガー靴屋が意外と明るい声なので、アタシゃ好き
コワリョフも、バスながらワルキューレ歌えるんだったら、靴屋だって歌えるんじゃねーかと考える
コワリョフの守備範囲を調べると、イタリア物に強い模様
故ニコライ・ギャウロフが、ヴィーラント・ワーグナーからバイロイトに誘われた役、それがハンス・ザックス
イタリア系バスの音域にドイツ系バス=バリトンが合うというのが、コワリョフに靴屋どお?の根拠
あと、音域が無理だろうけど、ステュワートの持ち役であった、神々の黄昏グンター歌わせたかったりする

【歌手の世界に於いても、神々の黄昏?】
https://blogs.yahoo.co.jp/borussiamagdala/32599280.html

お膳立てして貰った栄誉を得ようという、女々しくセコイ、人間の持つ弱さを示す男である
ショルティ指揮盤で歌ったディートリヒ・フィッシャー=ディースカウも主張していた
しかしながら、豪族の家長務まるだけの恰幅も兼ね備えている必要大きいよ
容姿、演技力、三拍子揃えば文句無し。ブッサイクな大根でも、歌で説得力持たせれば合格
と、言うは易しだが、グンター適役って本当少ないと思う
ヴォータン役第一人者であったハンス・ホッターが歌った場合
歌は文句無し、ただ風格あり過ぎたと、実演聴いた人から聞いた
mathichenさんもね、グンター歌手の最高峰ヘルマン・ウーデに匹敵する歌手探すも
個人の趣味置いといて、シュトルックマンだけ
1958年生まれ、もう50代後半、持ち役変えつつある、いまは歌ってないでしょ
誰か、一日も早く、mathichenさんを納得させる、シュトルックマン代役になれるグンター歌手登場お願いします

 
3年前に書いた
まだ見つからなくて困ってるんだっての~



アニヤ・ハルテロス(ソプラノ):ジークリンデ

ギリシャ人移民を父親に持つため、ラテン的風貌を持つドイツ人である
ヴェルディ中期以降、プッチ-ニのトスカ辺りのSoprano Lirico Spinto、劇的なリリック・ソプラノがよく似合う
ドイツ物ではJugendlich-dramatischer Sopran、若々しいドラマティック・ソプラノに当たる
マイスタージンガーのエーファ、タンホイザーのエリーザベト、ローエングリンのエルザ
ワーグナーのDrei E、3人のEが適役でしょ
もうちょい重くなるジークリンデに進むとは見てたけどね
指環のソプラノ役で最も低く、ドラマティック・ソプラノ志願のメゾ・ソプラノが先ず手がけるジークリンデ
個人的には、ブリュンヒルデの姉さん的な声が好き(実際、異母姉妹じゃん)
メゾ系と異なる若い娘らしい声質のハルテロスも、好み分かれそうだ



アニヤ・カンペ(ソプラノ):ブリュンヒルデ

2004年頃、NHKハイビジョンクラシック館を知り合いに録って貰い、ゼンタを聴いた
大野和士指揮ブリュッセル・モネ劇場でのさまよえるオランダ人
ジークリンデ級の劇的なゼンタを歌い、ソプラノとメゾの両方が歌えるパルジファルのクンドリへと進む
ジークリンデは無論、ワーグナー以外では、ベートーヴェンフィデリオを歌う
遠からず、イゾルデ、ブリュンヒルデも加わると見て、何年経った?
声の円熟と同時に中年太りも進む49歳にしてやっとだ
声だけ聴くと、ハルテロスと被る場面あるけど、ブリュンヒルデが娘声はいいと思う
https://www.youtube.com/watch?v=ZRQoVnO2m8w
これまたAnja、27歳と年齢だけなら最強の若さを誇ったアニヤ・シリヤ、彼女に匹敵する

独断と偏見を書くと
ジークムントへの死の告知場面、あれって、双子の兄妹と異母妹の間でのちょっとした三角関係じゃない?
ブリュンヒルデが無意識にでも、ジークムントに惚れ、ヴァルハラ城へ連れて行きたいと願う感じ
ヴォータンの言わば操り人形から、自分の意志を持つ一個の女へ
Dieの前置詞つくWalküre、これは騒々しい戦乙女姉妹たちでなく、ブリュンヒルデ一人を指すね

題名役の成長物語と言える作品なんだよ

重量級だが娘らしさを兼ね備える声質が、ブリュンヒルデに適役と一人決めしてるわ



クリスタ・マイヤー(メゾ・ソプラノ):フリッカ

現在バイロイトでブランゲーネ、イゾルデの侍女を歌っている
昔々マレク・ヤノフスキのドレスデン録音でフリッカ歌ったイヴォンヌ・ミントンを彷彿とさせる
婆臭くない、明るめで色気感じさせる声質がいい
NHKの字幕は失敬にも、ヴォータンに「古女房が何の用」と言わせた

【始まりの終わりか、終わりの始まりか、或いは?】
https://blogs.yahoo.co.jp/borussiamagdala/33404828.html

指環全曲を聴き通さないとわかりづらい点に、「♪ワルキューレ第二幕第二場が、分岐点」
神さん夫婦喧嘩が、世界の明暗分けたと言えるのでは?
倦怠期ながらお互い未練タラタラ、それなりに愛情見られた♪ラインの黄金は遠い過去
いまじゃ年がら年中夫婦喧嘩で、ヴォ-タンは帰宅拒否症的のよう
ただフリッカは、結婚の守護女神。フンディング同様、世間の常識側
双子の兄妹が駆け落ち、それも自分の亭主が他所でこしらえた子供たちがなんて
嫁の忍耐にも限界あるってもんだ、バカ亭主への復讐も兼ねたくなるわい
特権階級の永遠性を疑いもしない、要するに想像力持たず、世界の滅亡云々など寝言だし
「男は大局的、女は近視眼的」の視点変えれば、「男は足元見ていない(嫁が一番の敵を忘れてる)」だし
潔白な者だけが罪を裁けるという考えには異論だが、他はいちいち正論で、宿六の勝てる道理無い

生身のオンナ忘れた婆じゃ務まらない役の意味おわかり?
クールマンの演技ちょい大袈裟、真綿でジワジワ相手の首絞める言葉責めがよほど効果大
でもま、ホッホッホッ♪☆と凱歌上げるくらいの感じが、フリッカの敗北を伝えられるかしらん
フリッカの敗北とは?:「亭主を完全に追い込んでしまい、夫婦破鏡が決定的になった」
嫁の立場上、家庭内離婚ね。ヴォータンがさすらい人になる=帰宅拒否症通り越し、同居拒否


新妻じゃないが、古女房でもないのが、おわかり?



8人のワルキューレ娘たち(ソプラノ、メゾ・ソプラノ、アルト)

ジモーネ・シュレーダーって、バイロイトで智の女神エルダ歌ってたはず
バイロイト・アンサンブルに参加する歌手が見られる
バイロイトは脇役でも、一般の劇場では主役歌う級がゴロゴロいる
今回の題名役カンペだって、2002年か、その他大勢のワルキューレでの登場だった
どちら様も下手なわけおまへん




…鑑賞よか感想文が疲れた…