mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

Partir Revenir ? Non ! もう戻らない遠い日の家族

クロード・ルルーシュというと、ダバダバダ~♪、‘男と女’(1966年)がまず思い浮かぶ
言葉やストーリーというよりも、音や映像で感性に訴えて来るタイプの監督ね




パリ9区出身
元々、マレ地区から移動して来た貴族の館が並ぶセーヌ川左岸・7区周辺の『貴族街』に対して
9区は、4区や(セーヌ川左岸の)5区・6区等と同様、新興ブルジョワジーが居住した一帯に当たる
ユダヤアルジェリア人家庭のルーシュ家も裕福であり
クロードの誕生した頃には、フランス全体で10台しか無かったTV受像機を所持していたほどだった




しかしながら




‘愛と哀しみのボレロ’(1981年)
セルゲイ・イトヴィッチ - ルドルフ・ヌレエフ
カール・クレーマー - ヘルベルト・フォン・カラヤン
エディット - エディット・ピアフ
ジャック・グレン - グレン・ミラー
実在した芸術家をモデルに、1936年から1981年に亘り
フランス、アメリカ、ロシア、ドイツに於いて交錯する、2世代4つの家族の人生を描く




フランスの家族が、シモンとアンヌのユダヤ人夫婦であった
ゲシュタポに逮捕され、シモンはガス室で殺された
乳飲み子を抱いて列車に乗った二人は、赤ん坊だけは助けたいと、ある駅で列車の外に赤ん坊を置いて行った
終戦を迎えて無事に救出されたアンヌは、シモンを失った悲しみを踏み越えて
昔の仲間と作った音楽隊で地方を巡りながら置き去りにした子供の行方を探す
その子供は、捨てられた後に、その土地の牧師の下で育てられ、ダヴィッドと名づけられ成長していた
彼はアルジェリア戦争に参加し、除隊した後、パリで作家として成功
精神病院に入っていた生みの母アンヌと奇蹟の再会を果たす




ナチス軍楽隊長カールが、パリのナイトクラブ歌手エヴリーヌと恋に落ちた結果
エヴリーヌは戦後、弾圧に遭い、娘エディットを残して命を絶った
1981年、パリのトロカデロ広場で催されるユニセフ・チャリティ・コンサートに、父娘がそれと知らず揃うといい
ルルーシュもやはり第二次次世界大戦に一家言持ち、ユダヤの出自が監督作品に影響を見せる




4年後の作品、’遠い日の家族’もやはり、戦争に翻弄される物語





イメージ 1
女流作家サロメ。レルネル(モニーク・ランジュ)が、彼女の自伝的小説についてのインタビューをうけている。彼女は現在フランスで話題の天才ピアニスト、エリック・ベルショーに兄サロモンの面影を抱き、そうしたノスタルジーが、彼女にこの小説を書かせたのだったー。'40年、パリに住むユダヤ人レルネル家は、ゲシュタポの追っ手から逃れるため、父シモン(ミシェル・ピッコリ)の友人で、田舎の子供の古城に住むリヴェール家の身を寄せた。戦争の脅威の中で、サロモン(エリック・ベルショー)の弾くピアノは一家を励まし、やがてリヴィエール家の長男ヴァンサン(リシャール・アンコニナ)がサロメエヴリーヌ・ブイックス)に恋する。しかしサロメにとってヴァンサンは恋の対象ではなかった。レルネル一家の長期の滞在に不審を抱く村人のために、両家はサロメとヴァンサンの偽の結婚式をすることで人々の目を欺こうと考えるが、その頃にはサロメもヴァンサンを愛するようになっていた。しかしそんな幸せもつかの間、何者かの密告によってレルネル家はゲシュタポに捕まり、収容所に送られてしまう。やがて戦争は終り、収容所でただ一人生き残ったサロメは、密告者を突きとめるためにリヴィエール家に戻るが、村人の対応は冷たく、ついにある夜リヴィエール家に火が放たれる。全てに失望したサロメは、ヴァンサンに見守られ、彼の母エレーヌ(アニー・ジラルド)と共にパリ行きの列車に乗る。そして列車の中で、サロメは密告者がエレーヌであることを打ち明けられる。夫ロラン(ジャン・ルイ・トランティニャン)とサロメの母サラ(フランソワーズ・ファビアン)の仲を嫉妬し、疑心暗鬼の中の密告は、ふたりに一緒にいて欲しくないという思いだけで、後先のことは全く考えていなかった。こうして罪の意識にさいなまれるエレーヌは告白を終え、走る車内から身を投げるのだった。

http://movie.walkerplus.com/mv14212/
ネタバレ部分、PCからならマウス使って反転したら見えるわよ




細かい事忘れた
生還したサロメがリヴィエール家に現れたのは覚えている
若い頃を演じたのは、エヴリーヌ・ブイックス
‘愛と哀しみのボレロ’では、エディットとエヴリーヌ
‘Édith et Marcel’ (1982) VHS発売題名とBS放送題名:‘恋に生きた女ピアフ’では、エディット・ピアフ
‘男と女Ⅱ’(1986年)にも出演していた
何かようルルーシュ作品に出とるなと思ったら、何のこっちゃない
‘遠い日の家族’が作られた1985年当時、ルル-シュの嫁であり
20世紀を舞台とした‘レ・ミゼラブル’(1995年)でサロメ・ジマンを演じたサロメルルーシュの母ちゃんでもある
娘にサロメ命名するとは、男の首チョン切っても知らんぞと言いたくなるは置いといて




’男と女’に出演した、ユダヤ美女アヌーク・エーメ、彼女によく似ているエヴリーヌもユダヤ
‘遠い日の家族’での戦後場面、ユダヤ系らしい大きな目の眼光鋭かったのも覚えている
髪を短く刈り上げられ、痩せ細った身体で、怒りと絶望感に満ちて笑顔は無い
ルルーシュが1937年10月30日生まれと、ある程度の戦中を知るに対して
1953年4月22日生まれと、エヴリーヌは全くの戦後育ち
多分、親世代から聞かされた遠い日の家族の記憶が血肉化しているんでしょね