mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

世界も男女の仲もDas Ende…(終末だ…)の背景に、「復讐するは我に在り」

加齢が手伝い、ワーグナー級長丁場厳しくなる一方
それでも♪ワルキューレおたくは、世界の滅亡を迎えても続くの予定は未定




昨日の昼前、タブレット散策中、メゾ・ソプラノ歌手さん記事に行き当たった
今月29日に、市民オペラの部類かしらん、東京某所にて♪ワルキューレのフリッカを歌うそうな
フリッカ、ね…
「フリッカは口煩く怖いオバさんに見られがちですけど
ラインの黄金から続けて聴くと、女性の複雑な感情が余す所無く描かれ
ワルキューレでは、ヴォータンを追い込む事によって、指環の物語を決定的に転換させる役割を担います
この役がイマイチだとワルキューレ全体の魅力落ちるので
歌手にとって、難しいと同時にやりがい大きいでしょうね」
ドンピシャリのよう
フリッカはいろいろ悪く言われる役回りだけど、真っ当な事を言ってるまで
♪神々の黄昏に登場する、ブリュンヒルデの妹、その他大勢のワルキューレの一人ヴァルトラウテ
ヴァルトラウテは神々の居城ヴァルハラのただならない様子を姉に伝え
神々の窮地を救うために指環をラインの乙女たちに返すよう懇願する
しかし、ブリュンヒルデジークフリートとの愛の証を手放すつもりは無いとして拒絶する
絶望したヴァルトラウテは飛び去る
この役を歌う時は、フリッカに対して、「アンタのせいで全部がハチャメチャよ!」も言えてるけどね




Valhalla, glorious hall of those slain in battle and selected
by mighty Wotan to take rank in his army at Ragnarok, when this world must end.




神々の長ヴォータンが、巨人族の兄弟ファーゾルトとファーフナーに
ライン河畔の山上に居城ヴァルハラを造らせ、完成した城を眺めてウットリするも
兄弟への報酬として美の女神フライアを与えるという契約になっており
フライアの姉である、ヴォータンの妻で結婚の守護女神フリッカは気が気でない
元々約束を果たすつもり持たないヴォータンは、この契約を勧めた火の神ローゲに考えがあるはずとして
ローゲに事態の収拾を図らせようとするのだが




神さん夫婦が登場するや、いきなり、倦怠期夫婦の応酬が始まる
「オマエかて、城造るのに賛成したやないか」
「立派なお城があれば、アンタが外で遊び回るのを食い止められる思うたからやん」
「男にはオトコの浪漫があるんじゃ」
「キ~」
《゚Д゚》ゴラァァァァァァァァァァァァア!! ゴラァァァァァ!!!!!! ヽ《 ゚Д゚》ノ ゴラアァァァァ!!!!! ゴ━━━━(# ゚Д゚)━━━━ルァ!! ファッキュ
…早い話、以上のような展開を見せる
この場面、何が面白いって、夫婦お互い、相手に愛情残ってるというか未練ある点よ
一般的な嫁にすれば、亭主元気で留守がイイ、ATMに徹してくれるんだったらサイコー級である
独断で会社辞めるとかラーメン屋開業とかの亭主を思えば、マイホーム計画を嫁の了承得る亭主は偉い
ちゃいますか?
フリッカは、ローゲの話すラインの黄金を耳にして、それで装飾品も?とローゲに聞くと
「おおマダム、ご主人の心繋ぎ止めるに十分な物がね」に、「キャ♪」と喜び
ヴォータンに、「ラインの黄金から作れる、全世界の権力を握れる指環は、神々の長であるアンタが持ちなよ」
指環は愛情を呪った者にしか作れないが、そっちは、小人のアルベリヒが引き受けた
神さん夫婦にとって濡れ手にアワ、(゚д゚)ウ-(゚Д゚)マー(゚A゚)イ-…ヽ(゚∀゚)ノ…ゾォォォォォ!!!!と来るしね




人間が一人も登場しない♪ラインの黄金に於いて、何とも生々しい世界が繰り広げられるわけだが








【復讐するは我に在り】(2014年7月20日
「♪ワルキューレ第二幕、清張ドラマと似通ってますわな
人間の夫婦、神さんの夫婦、どちらも子供いない
亭主には、他所で作った子供がいる。人間の方は、二男一女。神さんの方は、双子+9人のワルキューレ娘たち
印刷屋亭主は、女房に仕切られ、女房による次男殺害を見て見ぬふり、娘を捨て子と長男を海にポイ投げ
神さんは、これまた女房に怒鳴られ、自ら手を下さないものの、唯一人の息子を見殺し
どちらの夫婦も最終的には、警察の捜査開始、神々の終焉と、破滅を迎える」




「妹は亭主持ち。不倫じゃ。アタシの領分よねぇ。結婚の守り女神だもーん」
兄を妹の亭主との決闘に負けさせろと迫り、ムリヤリ同意させちゃう
社会通念に照らし合わせれば、至って極めて真っ当な言い分
フリッカはヴォータンに、ブリュンヒルデが「あなたの望みの花嫁である」と嫌味かます
娘を花嫁にかい?駆け落ちする兄妹の親父やぞ。恐ろしか正妻おらなんだら、とうの昔に手を出しとるわ
ま、父娘関係怪しいは置いといて、フリッカが正妻として何とも屈辱的な日々はわかるよね
慰謝料ガッポリ取って離婚するなど、結婚の守護女神にはしたくても無理な相談だしね
フリッカの欠点を指摘するなら、「無実の者にしか罪を裁けない」と言い切る点だ
悪い者だからこそ悪い者の心理がわかり、改悛すれば勧善懲悪に役立つをご存知ない?
北欧のスウェーデンフィンランドが原則、犯罪者を匿名報道するのも、更生の機会を与えるためよ
ヴォータンの立場で考えると
双子の妹と駆け落ちしたジークムントが果たして世界を救えるかはわからないものの
「神さんの横紙破りには、社会通念超えた出来事が世界を救う」となる、そこにフリッカが気づかないのが残念よ
ヴォータンを圧倒し、ジークムントから手を引く約束させて、フリッカに残るものは?
ヴォータンがその後、さすらい人になった姿を見ると
家庭内離婚成立状態となり、亭主は気が向いた時にヴァルハラ滞在程度と思われる
それでも仮面夫婦は続くのであって、ご愁傷様の一言に尽きる
ワルキューレ第二幕第二場って
・男は大局的に物事を見る代わり、「嫁が、亭主の敵」とか身近な物事が見えない弱点を持つ
・女は安定を求める生き物である故に、遠くを見渡せず、近視眼的発想に陥りがち
以上2点が示される場面でもあるわけよ




それにしたかて


ローゼマリー・ラングが、口煩く怖いオバさんに見えるのが哀し過ぎる




【奇蹟が勝利の楯】(2015年4月9日)
「この際だ、マイアーおねえさんで思い出した~を書くと
1990年代後半、ベルリン国立歌劇場ジークリンデ歌った何度目かの公演日
その日になって、フリッカ役のローゼマリー・ラングが出演出来なくなり、マイアーおねえさんが歌った
ジークリンデとフリッカは同じ場面にいないからね
マイアーおねえさんは本来、メゾ・ソプラノ。キャリア初期からフリッカ何度も歌ったし、無問題
ジークリンデが同じ舞台で、フリッカも歌う。人はそれを、マッチポンプと言う
第一幕で自らバラまいた火種を、第二幕で自ら火消しに走るんやから、そーやろ』
美女からネチネチ苛めて貰えるヴォータン、果報者。それを妬んだモテナイ君の寝言であった」










マイアーおねえさんも還暦を迎えた
ゾルデは引退したし、最大の当たり役クンドリも?
現役続けるんだったら、フリッカに回帰して欲しいわ
ベルナルト・ハイティンクのEMI盤持ってるけどさ、まだ30代前半での録音だもんで小娘に近い
60年生きた経験値を活かし、亭主を真綿で首ギュウギュウ絞める迫力を期待するのってダメ?
【奇蹟が勝利の楯】に
「第二幕死の告知場面の間、演奏会形式のため、本来地べたで眠る所が、椅子に座る格好となった
美女って黙ったまま座ってようが絵になるわねは当然の事ながら
ジークムントとブリュンヒルデがあーだこーだやり合ってるのを意識して聴いてるのを
つまり、自分の歌う場面以外にも意識集中するのを、ちゃんと見て取れた事も感動した
マリア・カラス、アニヤ・シリヤと肩を並べる『歌う女優』の証明であった」
最後の行に名前出る、アニヤ・シリヤ、彼女がそうだったじゃん
1967年大阪での♪ワルキューレ日本初演に於いては、ブリュンヒルデ
1992年、その後離婚した亭主クリストフ・フォン・ドホナーニの英国Decca盤では、フリッカ
ただでさえ影薄いロバート・ヘイルのヴォータン完全にかすんでたもん
マイアーおねえさんならさぞかし迫力満点であろう
美女にイジメられるより、美女イジメたいmathichenさんながらも
マイアーおねえさんと高級料亭デートしてみたいもんでと意味不明な理由による、フリッカ聴く夢、不可能!?