mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

視覚と欺瞞は紙一重

12月24日か25日開幕が多いのに、今年は、21日開幕で27日閉幕
NHK-FM年末恒例バイロイト音楽祭放送日程ですよ




日本で初めての本格的なFM放送の実験局(現実験試験局)として、東京(JOAK-FMX)で1957年12月24日19時に送出を開始した。 その後、大阪(JOBK-FMX)、名古屋(JOCK-FMX)など全国主要都市で実験局が開局した。当初はモノラル放送であったが、1963年12月16日には実用化試験局となった東京局でステレオ放送を開始した。

WikipediaNHK-FM放送より引用 )




モノーラル時代に始まったと記憶します(当時から聴いてるほど超BBAじゃないを念のため)
昼下がりに放送していた時代あったといいますが、夜9時頃からの現在と、世俗の皆様にはどちらが便利?
1994年12月28日放送♪神々の黄昏の時みたいなハプニング起きれば、翌日寝不足でしょうよ
三陸はるか沖地震ニュースが9時20分頃に入り中断、2時間余り後に最初から放送し直しましたからね
午前2時過ぎに終わるはずが、午前4時半頃じゃ…放送し直し知らず寝た人が、フツーの人々!?
まァNHKも、そのちょうど1年後、やっぱ♪神々の黄昏が、またまた三陸はるか沖でと比べれば、良心的でしたよ
1995年の場合、音量小さくしたワーグナーをBGMに地震ニュース流すという悪趣味さらしましたもんで~




全演目を、ドイツまで行かず、無料で聴ける
何とも有難い限りでございます
ちなみに、ウチではFMを1997年以来、雑音無しの綺麗な音声で聴けます
TV音声がFMであった、皆様ご存知でしょ(機械弱いアタシが知ってるくらいやぞぉ)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1412096074
共聴アンテナ、2007年以降はJ-COMアンテナを、TV・VTR・FMに分波器に振り分けましたもんで~




ドイツ里帰り未だ叶わずの悔し紛れを書いといて、今年の放送内容はというと
トリスタンとイゾルデに始まり、♪ローエングリン→♪さまよえるオランダ人ニーベルングの指環四部作です









ラジオだと舞台見えないので清々しました
オペラが舞台芸術といえど、雑念を排除して音楽だけ聴きたい時あるのですよ
Liebestod歌い終わったイゾルデが、王さんに腕引っ張られ、舞台奥へ消えて行った
カタリーナ・ワグナー演出のマルケ王に、最初から悪寒働き、最後の最後は妙に納得するものの
「嫁寝盗られるマヌケ王のくせに、アンタも食えん奴よのぉ」
甥っ子と嫁の不倫を皆でジーッと監視して、そのオチかいと、ホントに風邪ひきそうなほど寒うございました




エヴェリン・ヘルリツィウスの硬い声質的には、クンドリやオルトルートのような魔女が合うでしょうね
それでも、「イゾルデ、ブリュンヒルデ、クンドリ、オルトルートを、バイロイトで歌った二人目の歌手」
太古のアストリッド・ヴァルナイに並ぶ記録は素晴らしいじゃないですか
クンドリとオルトルート、これはソプラノも歌うが、メゾ・ソプラノが歌う事多い役ですよ
ゾルデとブリュンヒルデが、ソプラノ役ながらも低音域充実していないと厳しいといっても
ソプラノとメゾの中間みたいな声域でも持たなければ、メゾにはなかなか歌えません
1970年代、レオニー・リザネクが早い時点で、カルロス・クライバー指揮の舞台で歌うを断ったのも
カール・ベーム爺さんから、「お前さんにゃ低過ぎるから止しとけ」に従ったためでありました
なお、ベーム爺さんには、クリスタ・ルートヴィヒから、カラヤンブリュンヒルデ勧誘した話を聞いて
散々カラヤンの悪口を並べてスッキリした所で、ルートヴィヒに、「ワシの指環で歌えへんか?」
墺太利グラーツ生まれの田吾作、性格悪過ぎまっせ~というエピソードが残されております




22日の演目が、♪ローエングリン…ね
文字通りの鼠園舞台、ネズミ見たら爆弾持って暴れるドラえもんに負けず劣らず怖~いです
これも音声だけなら、ようやっと慣れたクラウス=フローリアン・フォークトの声と共に耐えられます
忘れなかったら聴きましょ




記事題名の意味?




鼠園ローエングリンの演出家、ハンス・ノイエンフェルスですよね
https://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Neuenfels
1941年生まれの74歳と、1970年代から活躍する大ヴェテランの一人となりました
思いつく限りのキーワードでYouTube検索してもヒットしないので、映像が元々存在しないのでしょうけど
ハンブルク国立歌劇場でしたっけ、ヴェルディ大先生の♪アイーダを演出したものが笑えると聞きました
題名役の恋敵、エジプト王女アムネリスが、黒塗り始めるのですよ
アイーダのように黒くなれば(アイーダは、エチオピア王女)、ラダメスが振り向いてくれるかも」
その話を最初に聞いた時には、「頭沸いとるんか?見た目やのうて、中身が大事やろ」と呆れました
が、アムネリス歌いとして有名だったイタリアのメゾ、フィオレンツァ・コッソットの
「アムネリスはね、18歳くらいの傷つきやすい少女なのよ
好きな男性に振り向いて貰えず、父親や国を信じられず、最後には孤独でしょ」
アムネリス歌いとして一世を風靡したイタリアのメゾ、フィオレンツァ・コッソットの言葉を
四半世紀前、日本に来て歌った折のインタヴューで読んで、アムネリスをいろいろ考察した結果
「ラダメスと結婚出来る事に有頂天、アイーダに勝利を浮かれたりもするが、決して根性ババ色娘じゃない」
ともかく、一筋縄でいかない娘心の持ち主という結論に達し、見苦しいなりに黒塗り場面もアリと思いました
ノイエンフェルスのおっさん、なかなか奥深い人間観察力持ってるんだねという具合に




音楽の邪魔しない、つまり、あくまで個人的主観とも言える演出を圧倒させない能力も求められ難しいですがね
視覚じゃなくて中身が大事というのは、舞台演出にも言えましょう
それだけに、「何じゃ、そりゃ?」、突拍子もない舞台でもいい、それの正当性を裏付けする思考力が大事です
賛否両論に分かれようと、説得力持つという方が正解?
現代的な演出、古典的な演出、どっちが良い悪いじゃなく、共存出来ればいい
そのためには、古典側が、壊れた骨董品を後生大事に守るみたいな石頭に陥ってはならないと同じくらい
現代側の、自分たちが進歩して上みたいな賢しらぶった発想や自己完結に陥ってはならないも重要でしょう
どんなに最先端もいつか、古典となり、壊れた骨董品となるかもしれないのです
温故知新、歴史の道に立って考察しないで進める物事に発展は望めないと肝に銘じておきましょうね
というか、自分の描いた騙し絵に騙くらかされないよう、物事の基本は幼児期からみっちり学んで来るべし!