mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

The Sound of Silence~豊穣な調べ~

Hello darkness, my old friend(アタシの古い友だち、暗闇さん こんにちは)
I've come to talk with you again(キミとまた話をするためにやって来たよ)
アメリカ英語のOld Nickが『悪魔』を意味するように、Old付く単語いうのは何か縁起いくな~いけどね
おかげで、夜中また寝られんかった
これから日中寝る




記事題名と冒頭部分は説明までもあるまいのSimon & Garfunkelよりパクリ
The Sound of Silence、「無音の音、静寂の音、沈黙の音」
いろいろ日本語に訳せるが、これぞ!とシックリ来るものおまへんね
ただ「音の無い世界に音が有る」、これは興味深い




ウチの汚宅に24時間滞在してみ
印刷屋の機械音、隣の基地外息子絶賛活動を除けば、アタシの立てる物音と独り言以外聴こえず静か過ぎる
普通の神経の持ち主ならば、とうの昔にボケてまっせ
1966年以来ズーッと地縛霊のアタシゃ逆に、集合住宅に住めんわ
安普請で隣の音筒抜けのレ○パレスなんぞ発狂物と思われる
免疫無い状態からいきなり動けないも、汚宅をそう簡単に売り飛ばされたら困る理由である
(独居爺さん側隣家と二件長屋的建物のため、爺さんが路頭に迷わないようにも考えんとダメなの
っちゅうのも、二軒空き地にして自分ちの商売やりたい者がいるせいよ
その商売が実現すれば、基地外息子ヒートアップして見世物がどんな内容か書けないのが残念無念~)




静か過ぎると言うけど、静寂の中にもいろいろな音や響きが感じ取れるのも事実




‘愛は静けさの中に’(1986年)で、サラ役を演じたマーリー・マトリン
史上最年少(21歳)でアカデミー主演女優賞を受賞
彼女自身、サラと同様に聾唖者である
生後18ヶ月で麻疹にかかり、右耳の聴力全てと左耳の聴力の80%を失った
Marlee Matlin winning Best Actress
授賞式では、手話でスピーチした
Michael Douglas Wins Best Actor: 1988 Oscars
ただし、話す事は聴覚障害者特有の口調ながら、ロビン・ウィリアムズの真似も出来る
2007年のスーパーボウルでは、手話での国歌斉唱を披露した




手話での歌唱といえば








1977年の大ヒット曲♪恋するデビー
(オリジナルは、DEBBIE BOONE SINGS " YOU LIGHT UP MY LIFE " STEREO
Scene: "You Light Up My Life 1977
同年映画‘マイ・ソング’主題歌としても有名ね
歌手は、ブッサイクな主演女優でもデビーでもない別人によるもの
第50回アカデミー賞授賞式では、デビーが登場、子供たちによる手話と一緒に熱唱した
一瞬、「で、デビーちゃん、何というBBA化…」とビビった上のYouTubeオバさん
アカデミー授賞式も記憶にあっての手話歌唱?




アカデミー授賞式に手話といえば、他に2人
Jane Fonda winning an Oscar® for "Coming Home"
第51回主演女優賞受賞のジェーン・フォンダ
この時の手話が何の理由でかは忘れた
Louise Fletcher winning Best Actress for "One Flew Over the Cuckoo's Nest"
第48回主演女優賞ルイーズ・フレッチャ
‘カッコーの巣の上で’(1975年)の超恐ろしか婦長様であるが、素顔は優しいオバさんよ
授賞スピーチによく耳を傾けてごらんなさいまし
両親へ向けて、夢を持たせてくれ、遂に夢は叶ったを、手話で感謝している
ルイーズの両親は、どちらも聾唖者だった
ルイーズやその兄弟たちは聴覚は正常なので、話す事は叔母さんから学んだとの事
手話は、子供たちに不自由与えないよう将来の選択肢を狭めないようにしてくれた両親への感謝の念なのよ
フレッチャー家の中は静かだが、親子の意思疎通という感性では音響効果抜群であったと想像される





12歳で完全に聴覚失ったが、絶対音感の持ち主であった、スコットランド出身の音楽家エヴェリン・グレニー
弱点は、ピアノ演奏がどうしても打楽器奏者的奏法になる点くらい
身体全体で他の音を感じる事により、他の演奏家との合奏もこなし、一見聴覚障害者と見えない
前述のマーリー・マトリンが
「聴力残る子供たちが、補聴器付けて初めて音を聴くと、『ウルサイよ…』と言うんですよ」
日常生活他に於いて音が聴こえない不便はある
しかしながら、この世の雑音入らない環境でも『音』を感じ取り、幸福感を得られるのはスゴクね?
身体的な聴覚と視覚の問題無しに甘え、感性に於いては何も聴こえず見えていないが多い健常者よりね




そこまで布団の中で天井眺めながらツラツラ考えたら
「ひょっとすると、あの迷曲、とてつもなく音楽的じゃ?」と5分近く悩んだのが





40代 - 『4分33秒

“世界で最も悪い音楽”を作りたいというケージの願いは、年を経る毎に深さと具体性を増してゆき、40代になるとそれは「この世が始まってから滅ぶまでの、過去と未来を通じた藝術の歴史のなかで、絶対的に最悪である楽曲」というように、もう何だか取り返しがつかないところまで達していた。
しかし、一方で彼は、自分が今までに作ったいかなる楽曲も、まだ到底そんなレヴェルに届いていないとも考えていた。

ただ悪いだけ、ただ嫌なだけの音楽ではダメだ。
音楽それ自身、いや、藝術それ自身への、最大の侮辱となりうる何か…。


1951年のその夜は、雪が降っていた。
交通はマヒし、出歩く者は誰もいなかった。家の周り、いや、ケージの周り全てが静かだった。
ケージは一人で自宅にこもり、机に突っ伏して眼を閉じたまま、
だだっ広い静寂の中で、今まで何度と無く考えてきた疑問に、また改めて取り組んでいた。


何も、聞こえない。

一瞬。

そこに、何かが、あった。

彼は机から起き上がると、紙に、大きくただひとこと、「TACET」とだけ記した。
Tacet、即ち休止しかない音楽――、いや、音楽の要素である「音」を禁止し、完璧に排除した音楽――。
これこそ、絶対的に最悪な音楽だと言えるのでは無いだろうか。

こうして、彼の生涯において代表作となる、『4分33秒』が誕生したのである。
この後、ケージは、この楽曲を演奏させるための、もっともらしい理由(彼は“最悪な音楽”への衝動を誰にも話していなかった)をでっち上げたり、演奏に必要な人材を確保するなどして、初演に臨んだ。(なお、初演の様子や、演奏方法などについては、アンサイクロペディアでは別途『4分33秒』の記事を設けているので、こちらをご参照頂きたい。)
幸か不幸か、『4分33秒』の初演は大成功を収めた。批評家たちはこの曲に対し、「“音楽定義”というものへの、大胆かつ豪快なアプローチである」「の精神の発現だ」などと絶賛した。

しかし、無事に初演を終え、その後も全米各地で何度も再演され続けた『4分33秒』は、彼を、取り返しのつかない狂気へと追い込む原因となった。彼の耳の中では、この楽曲がエンドレスで繰り返され、それは彼の意志では止められなくなったのだ。
仕事中であっても、食事中であっても、誰かと話したり電話をしている時であっても、彼の耳の周りで毎日24時間休まずに演奏され続ける『4分33秒』。彼は、とうとう眠ることさえできなくなった。
彼は両手で耳を塞いだが、それでもなお「曲が止まらない! 誰かこれを止めてくれ!」と喚き続けた。彼は往来で、何か曲を口ずさんでいる人を見つけては、手当たり次第にこれを攻撃した。曲を口ずさむという行為自体が、彼を馬鹿にしているように思えたのだ。

Uncyclopediaジョン・ケージより引用 )





Wikipediaよか面白いんだもん




第一楽章.TACET(休み)
第二楽章.TACET(休み)
第三楽章.TACET(休み)
初演時の聴衆はさぞかし、狐につままれ、狸に化かされた、そんな心境に陥ったであろうと推察される
「無限の徴収の可能性を、私たちに与えて下さった神に、感謝を」
聴衆から入場料徴収したんだから、悪魔にも感謝しろよ




会場内が静かであろうと、初演時にもそれ以降の演奏にも、いろいろな『音』が入り乱れる
戸惑いの空気、姿勢を変える際の衣擦れ、つい出ちゃう咳etc. が混じり合い、一つの音楽になる
通常の器楽や歌唱と比べ、似た演奏でさえ聴けない独自性高い演奏が聴ける
そう思わね?




全く無音の世界なんて存在しないと考えれば
「ピアノの音は騒音と認められない」
1974年に発生したピアノ騒音殺人事件の被告が気の毒になる
自分が音に対して病的に敏感であるとの自覚はあった
彼の意志では止められないまで、彼の耳の周りで毎日24時間休まずに演奏され続ける
そういうものに、ピアノが等しかったんじゃないの?
音出す側が本当の音楽好きならば、「お向かいさんも音楽好き、ウチのピアノ音許してくれる」と考えないしね
本当の音楽好きというのは、ガキの弾くピアノが上手下手関係なく、自分の好きな曲を聴きたい時に聴くものよ
無論、いま聴きたいからといって、周囲を顧みない真似はしない
というのも…
ピアノ殺人事件以降騒音などによる事件や訴訟が頻発しており
多くの専門家はこの事件を「日本人の騒音に対する考え方が劇的に変化した事件」としている、か
…電車の中でのイヤホンから漏れるシャカシャカ音、あれ立派な騒音であると思うが?




集合住宅での音漏れはある程度致し方ないとして、同棲バカップルの痴話喧嘩、DQN学生の酒盛りなどもね
この時期、スピーカー音量上げ、同じ地域グルグル廻る灯油移動販売もだ
騒音を巡る問題は40年前とさして変わってない気がする
と考えると…
竿竹売りの移動販売親父と鬼ごっこした、東京に住むドイツ人親父にも同情する
午後10時以降に風呂使うと「ウルサイ!」、Polizeiに通報される恐ろしくも静寂好む者には有難い国育ちじゃん