mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

歌に生き、愛に生き~再度、Waltraud Meierに捧ぐ~

17分前から続いた




20年くらい前の昔々、いまは亡き《ワルツ堂 堂島店》にて、日本ワーグナー協会員と
「mathichenさん、エルザとオルトルート、どっちがエエ女と思う?」
「オルトルート」
「だよね」
エルザなんて何も考えてへん小娘やなと意見一致した




ノータリンは言い過ぎにせよ、大人の頭脳と色気の前には歯が立たぬの意味である
ローエングリン第二幕、オルトルートを城に入れる場面を見てみ
慈悲を乞うオルトルートの姿なんて、見る目持ってりゃすぐ罠と見抜けるって
いともアッサリ引っ掛かるのも
「ワタクシがアナタの彼氏と結婚しちゃったからって、妬んでるの?(* ̄^ ̄*)ふんっ」
これまた相当お粗末ながら、オルトルートがエルザの弱味突いてる素晴らしさだからよ
オルトルートの年齢は不明だが、出世街道を順調に歩むお代官様を引っ掛けるに成功するくらいだから
結婚適齢期のエルザより少し上辺り、若過ぎず落ち着いた感じを与える売り手市場のお年頃であろう




Leonie Rysanek: Lohengrin, "Entweihte Götter!" (Wagner)
レオニー・リザネクの顔は綺麗なんだけどね、BBAなのがね辛いのよね
このリザネク婆さんにイビられたエルザが、後年の↓
Eva Marton 2004(Ortrud) Perencz (Telramund) Wagner:Lohengrin
やっぱ苦しい
Luana DeVol - Emily Magee - Lohengrin "es gibt ein Glück"
エルザも大概逝ってるけど、オルトルートは映画‘何がジェーンに起こったか?’ばりの悪夢である
以上3名、60代は言い訳にならん
それは昨夜、62歳のヴァルトラウト・マイアーおねえさんが証明してくれた




上段のBBA3名は、エルザからオルトルートに転向組
3名のうちリザネクは、カール・ベーム爺さんから「アンタにゃ低過ぎる」と言われ、イゾルデ諦めた
メゾ・ソプラノというか低音歌手の弱点:「年を取ると、低音域に難が出やすくなる」
人間の声って、ジジババになったら、高音域より低音域が苦しくなるのよ
思うに、オルトルートの低音域は、低過ぎず、ソプラノが対応出来るもの?
ソプラノとメゾの中間辺りの声にもね
マイアーおねえさんとて正直、全盛期はとっくの昔話
ただね、メゾ・ソプラノの弱点を考えると、よく頑張っておられる
オルトルートはマイアーおねえさんに低過ぎるという評価見られるが、実は案外合っているというか
ソプラノとメゾの両方が歌える役柄に適役多いでしょ
神奈川県民ホールまで行けなかったが、ベルリン国立歌劇場LDで観た♪ヴォツェックのマリーとか




声に多少のキズは聴かなった事にして
経験値豊かにして十分お若い美女の演唱が、魔女オルトルートに相応しいを主張したいわけよ
恐らく、実際に歌ってるクリテムネストラ、エレクトラのお母ちゃん役も似合うわ
間男とつるんで亭主始末する汚嫁にゃ


大柄じゃないマイアーおねえさんよりも小柄ながら偉大なるアストリッド・ヴァルナイも勝てんて
(真面目な話、マイアーおねえさんは日本人並みの体格を、大阪シンフォニーホール楽屋口で確認した
身長155cm切るアタシの少し高い位置に美顔ドン♪☆だったもん)




経験値豊かにして十分お若い美女の演唱=大声張り上げるだけのダイコンじゃない
マイアーおねえさんの場合

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ボローニャ歌劇場の1998年来日公演プログラムよ
行ってないけど、行った人から貰ったの
マスカーニの♪カヴァレリア・ルスティカーナで、サントゥッツァを歌ったマイアーおねえさん
全然イタリアンらしくないよねと突っ込み倒したくなるを抑え
当時の‘音楽の友’インタヴューに、演出家からコテンパンな演技指導受けたが語られていた
演出家は、映画‘愛の嵐’で有名なリリアナ・カヴァーニ
カヴァーニ女史から、イタリア人の思考と所作を徹底的に叩き込まれたという
思考を言葉にする前にワンクッション置くか、脳ミソと口が直結しているか
地面に落ちた物を拾う身の屈め方はどうか
アルプス北方と、電車で国境越えたら車内アナウンスがベルカントになる国じゃ、まるっきり異質をね




カヴァーニ女史の指導を受け入れ、賞賛していたマイアーおねえさん
これ簡単なように見え、それなり成功収めた者が他人の言葉を聞くのは案外出来ないもの
マイアーおねえさんに何故可能か、アタシの推測として、「歌う女優だからじゃないの」
本格的な舞台映像などではそれほど認識しなかったんだけど
3年前の東京ワルキューレ、演奏会形式でのジークリンデを見て、「女優ですね」と1階席2列目で感じたの
演奏会形式だから、絡まない場面では椅子に座っている
椅子に座っている最中も、黙って共演者やオケに意識集中しているんだよ
1997年のNHKホール、演奏会形式パルジファルでのクンドリの時もそうだった
クンドリはオルトルート同様さほど歌う箇所多くなく、黙って座っている時間長くなる
アタシなら寝落ちしそうなのに、マイアーおねえさんは座っている間も女優していた
「スゲー」と思ったもんだ




役者は自分の台詞を暗記と指導された振り付けだけやってりゃ万事OKじゃない
マクベス夫人なら亭主の役も演じられるくらいの台本読み込みと研究が要る
無能ほど自分ガーガー五月蝿いニッポン小娘どもには次のビッグバン来ても不可能な世界がね




脱線すると
オペラ台本に並ぶイタリア語だのドイツ語だの、作品が古いほど難解よ
マイアーおねえさんが学生時代、初めて読んだワーグナー台本を見て「難しい~」
そりゃそーだ、現代人が使わない古い単語などがズラズラなんだから
自国語が一番難しいものでもある
オペラ歌手が台本を本当に理解出来ての演唱って、相当イイ頭持つ事が鍵かも




とにかく、『歌う女優』が可能なオペラ歌手をマイアーおねえさん以外に探し求めると
決して少なくないものの、問答無用に図抜けているのは、マリア・カラスとアニヤ・シリヤくらいじゃね




オルトルートの続きが楽しみだ
猫を17匹被っていたのが一転、エルザをどお罵倒するか、想像しただけでゾクゾクする~
アニヤ・ハルテロスんがググ言わせるくらいのド迫力だったら
「マイアーおねえさんに、1個下のフランシス・マクドーマンドのアカデミー主演女優賞を強奪して進呈」
妄想モード全開となる勢いのアタシでしょうよ




何でまた、ソプラノ役であるトスカのアリアが、記事題名に?
「トスカはハイ・メゾがその気になれば対応出来る分厚い中音域を誇る」
じゃなくて
Vissi d'arte, vissi d'amore
「歌のAmoreは神への愛を意味するけど、マイアーおねえさんは色恋のAmoreお盛んのため」
20年ちょい前、バイロイトでイゾルデ歌ってる時
終幕、愛の死が始まる直前くらいに、舞台から見える位置に陣取る女性客が退出した
祝祭劇場の構造上、途中退出は、周囲の客が立ち上がって通す必要あるハタ迷惑な話であるが
退出した女性が、マイアーおねえさんとオトコ取り合ってる宿敵と言えば詳細不要?
つーか、マイアーおねえさんに惚れられた果報者は誰よ!(オンナだけど、裏山~)