mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

無意味な熱狂に駆られず、目覚めよ。迷えるボールの行方を定めるべく

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英語版が、一つの単語の綴り長いドイツ語版より親切でしょ




バイロイト音楽祭今年の新演出、ニュルンベルクのマイスタージンガーNHK-BSで観る予定にしてたのに
昨日早目に昭和町からトンズラしたものの、疲れてしもて、夜中フト気づいたら、既に第三幕に入ってた
https://www.youtube.com/results?search_query=bayreuth+2017
https://www.youtube.com/watch?v=mcOyha4O73Y
他の演目と一緒に、今度ユックリ観よっと
年末恒例のNHK-FMで音だけでも構わん
ワーグナーの再婚嫁コジマを意識したとかいう、今年50歳のオバEvaちゃん怖いし
Anne Schwanewilms-Elsa-Lohengrin (act 1)
41歳の時で、↑よ




17分前記事の解説をば
一夜のワーグナー作品として一番長いマイスタージンガー並みに記事画面長くなるのは辛抱しとくれやす




 Wahn! Wahn! Überall Wahn!
Wohin ich forschend blick'
in Stadt- und Weltchronik,
den Grund mir aufzufinden,
warum gar bis aufs Blut
die Leut' sich quälen und schinden
in unnütz toller Wut!
Hat keiner Lohn noch Dank davon:
in Flucht geschlagen, wähnt er zu jagen.
Hört nicht sein eigen Schmerzgekreisch,
wenn er sich wühlt ins eig'ne Fleisch,
wähnt Lust sich zu erzeigen.
Wer gibt den Namen an?
kräftig
‘s ist halt der alte Wahn,
ohn' den nichts mag geschehen,
‘s mag gehen oder stehen!
Steht's wo im Lauf,
er schläft nur neue Kraft sich an;
gleich wacht er auf,
dann schaut, wer ihn bemeistern kann!
Wie friedsam treuer Sitten
getrost in Tat und Werk,
liegt nicht in Deutschlands Mitten
mein liebes Nürenberg!
Er blickt mit freudiger Begeisterung ruhig vor sich hin
Doch eines Abends spat,
ein Unglück zu verhüten,
bei jugendheissen Gemüten,
ein Mann weiss sich nicht Rat;
ein Schuster in seinem Laden
zieht an des Wahnes Faden.
Wie bald auf Gassen und Strassen
fängt der da an zu rasen!
Mann, Weib, Gesell und Kind
fällt sich da an wie toll und blind;
und will's der Wahn gesegnen,
nun muss es Prügel regnen,
mit Hieben, Stoss' und Dreschen
den Wutesbrand zu löschen.
Gott weiss, wie das geschah? -
Ein Kobold half wohl da!
Ein Glühwurm fand sein Weibchen nicht;
der hat den Schaden angericht't.
Der Flieder war's:
Johannisnacht. -
Nun aber kam Johannistag! -
Jetzt schau'n wir, wie Hans Sachs es macht,
dass er den Wahn fein lenken kann,
ein edler' Werk zu tun.
Denn lässt er uns nicht ruh'n
selbst hier in Nürenberg,
so sei's um solche Werk',
die selten vor gemeinen Dingen
und nie ohn' ein'gen Wahn gelingen.

狂気だ!狂気!どこもかしこも狂気だ!
私は書物を紐解いてみる。
街の年代誌を調べたり、世界の歴史を紐解いて、
その理由を見つけようとする。
どうして人は流血の惨事に至ってまでも、
互いに苦しめ合おうとするのだろう・・・
どうして無意味な熱狂に駆られるのだろう!?
どんな報いがある?誰が感謝する?
敗けているくせに、勝ったとうぬぼれている者どもには、
自分の苦痛の叫びさえ耳に入らない。
自分の肉を掘り返して、
それをまるで楽しいことのように思っているのだ。
なんとも名状しがたいことだ・・・。
(力強く)
だが、しかたがあるまい。昔からの狂気なのだ・・・。
それがなければ、何もはじまらない。
去っていくにせよ、街にとどまるにせよ!
どうやら狂気は、まだこの街にとどまり、
眠って新たな力を蓄えているようだ。
しかし、目覚めたときには、気づくだろう!
ここに狂気を制御しうる男がいることを!
ああ・・・なんと平和に、美風にあふれ、
日々の勤めを平穏に果たしながら、
ドイツの中心に、佇んでいることか。
我が愛するニュルンベルク市は!
(ザックスは心を喜びに満たし、おだやかな視線を前に向ける)
だが、あんな夜遅くでは、
災いを避けようとしても、
血気にはやる若者達の心に、
どう忠告していいのか分かろうはずもない。
一介の靴屋が、店の中で、
狂気の糸を通そうとした。
ところがすぐに、大通りにも、路地にも、
狂気の嵐が吹き荒れだした!
男も女も、若者も子供も、
むやみやたらに殴り合い、
狂気に魅入られたかのように、
殴り合いの雨あられが降ってきた。
ぶったり、蹴ったり、どついたり、
ああでもせねば、怒りの炎が鎮まらないかのように。
神よ・・・どうしてあんなことに?
いたずらな妖精の仕業でしょうか!?
オスのホタルが、連れ合いを見つけられなかったので、
あんな災厄を引き起こしたのでしょうか?
思い出されるのは・・・ニワトコの香り・・・
ヨハネの前夜祭・・・。
だが今日こそは聖ヨハネの祝祭!
さあ、ご覧いただこう。
このハンス・ザックスが、狂気を巧みに操って、
気高い仕事を果たすさまを。
なぜならば、ここニュルンベルクですら
狂気が我らを捉えて離さぬのなら、
いかに、みごとな仕事を果たすにも、
世俗のことはいささか離れて、
狂気の助けを借りる必要もあるのだから。

( https://www31.atwiki.jp/oper/pages/143.html )




Wahn、これはワーグナーの愛用語
「妄想」「迷妄」という意味があるので、「迷い」ももちろん誤りではない
長大なモノローグの趣旨から言うと「狂気」が一番ピタッと来る




「『殴り合い』というのは、ドイツでは実際に『宗教戦争』が絶えなかったわけですから
非常に実感が込もっているわけです」
「『狂気』というのも、その後のナチスの事とか考えると、考えさせられます…
でも、ナチスというかヒトラーって
これを見て、自分たちのやっている事は『狂気』そのものだと思わなかったんですかね?
すごく不思議です」




上段は、とある外部ブログ記事に書かれたもの
黒澤明どですかでんに触れられるように
狂気の世界では、狂気こそ正気であり、真実である
同じ言語で話しても、こちらの意思が全く通じない相手っている
Heil Sachs ! Nürnbergs teurem Sachs !(万歳!ザックス!ニュルンベルクの誇り、ザックス!)
平和なマイスタージンガー幕切れ部分とて、ニュルンベルク市民の一体何人が靴屋の真意を汲み取れたのやら
祝祭前夜の市民総出による殴り合い場面を見ると
昼間は愛想良く接しようと、人間社会なんて狐と狸のバカ試合のようなもんでが露呈されたと来るからね




真正面から対抗して上手く進むならば、真正面から行けばいい
「世俗の事(真正面)はいささか離れて、狂気の助けを借りる(狂気の存在と意味を周知徹底する)必要もある」
起こった事は恐ろしいものだが、皆恐れていないから、フットボールを使って、連帯するのもいいわけよ