mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

世界中、何処に於いても、王子と姫はメデタシメデタシの後、茨の道を歩む

始終苦しむ四十九日法要を前にバテた
今日は完全安息日を取っている
ウチの鬼婆、受け取ったジジィ死亡保険金額+どんだけ遺族年金受給出来るか
その計算中、当記事が浮かんだ
記事題名は自前TBを少しイジっただけの手抜きよ




昨秋、ウィーン国立歌劇場が日本公演を行ったわね
1950年代の座付アンサンブル来日を別に、1980年以来何度目?
国立歌劇場の半年前には、フォルクスオーパーが来日した
こちらも、1979年以来何度目やら
♪こうもり(J・シュトラウス2世)、♪チャールダーシュの女王(カールマーン)、♪メリー・ウィドウレハール
フォルクス定番3作品の上演であったが
こうもり、演出:ハインツ・ツェドニク?
2015/5/7(木) 午前 2:17 【Wien...Wien...Dein ist mein ganzes Herz】
素顔は男前ながら、ニーベルング族の小人兄弟喧嘩により斬られる印象ざます!
地味に世代交代が繰り返され、地球がアタシの了承を得ないで勝手に回り、時代の変遷続くという事よ

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チャールダーシュの女王を指揮したルドルフ・ビーブル爺は、先月亡くなったから今生の別れだけどね




ビーブル爺でまず思い出すのは、DENON発売のCD持っている、1982年Liveのメリー・ウィドウ




2013/2/11(月) 午後 10:34 【双面の歴史】

1979年、ウィーン・フォルスクスオーパー初来日時、オペレッタ不毛の地日本を湧かせたメラニー・ホリデイ
ミス・テキサス上がりのアメリカ美女
スカートの裾まくり上げながらカンカン踊り披露を5回もは嬉しい♪☆と置き
ホリデイおねえさんが演じたのは
何故かカンカン踊りが得意な、パリ駐在ポンテヴェデロ大使夫人ヴァランシェンヌ
『陽気な後家さん』という意味の作品題名役ではなく、ヒロインは国一番の大富豪ハンナ・グラヴァリ
貧乏地主の若い娘を見初めたカネ持ち爺さんが結婚8日目に自然死してくれたおかげ様の遺産ながら
ハンナの財産が、バルカン半島にあるとされる架空の小国の全財産であり
何が何でも同胞と再婚させ、フランス野郎に占領されるな~との、涙ぐましいオトナのおとぎ話

レハールは)鉤十字の庇護を受けたが、その下で新作を発表することはなかったんですがね
メリー・ウィドウイスラエルでは、確か1997年まで上演されませんでした
作品が小国の存亡を賭けた悲喜劇と考えると、何か複雑な思いにとらわれるよな…




若後家さんの肩に、国の存亡が懸かっている悲哀
作品初演:1905年12月30日、アン・デア・ウィーン劇場
第一次世界大戦勃発まで10年を切る時代背景を考えれば、より考え込む




1914年6月、オーストリア=ハンガリー帝国皇位継承フランツ・フェルディナント大公夫妻が銃撃された
それを契機に、各国の軍部が総動員を発令し、1918年にかけて戦われた人類史上最初の世界大戦とは?




1914年、ロシア帝国を後ろ盾とする汎スラブ主義に沸くバルカン半島
ハプスブルク帝国継承予定フランツ・フェルディナント・フォン・エスターライヒ=エステ大公夫妻訪問
飛んで火に入る夏の虫。サラエボの町でセルビア民族主義を奉じる秘密組織黒手組の凶弾に仆れた
大公夫妻が治安を懸念する周囲から訪問をやめるよう忠告を受けていたのを振り切った理由として
ゾフィー・ホテクは貴族出身で皇位継承者夫人なのに、幼児を含む皇族の末席に置かれる冷遇に耐える日々
ゾフィーとの結婚ゆえに、『皇太子』ではなく遠回しな『皇位継承者』と呼ばれるフランツ・フェルディナント
サラエボでは、皇太子夫妻待遇で迎えてくれるという
大公妃の称号すら許されないゾフィーが、皇太子妃として夫と同席出来る
訪問中に14回目の結婚記念日を迎えるもあり、本来あるべき自分たちの姿を一時でも享受したい
フランツ・フェルディナントの治療が遅れたのは、お洒落好きの服装を取り外すに時間かかり過ぎが原因は置き
最期の言葉が、「ゾフィー、死んではいけない。子供たちのために生きなくては」
皇位継承権を与えられない不遇の下に生まれた子供たちの将来が不安だったのでしょう
凶弾は大公夫妻を葬ったのみならず、第一次世界大戦を招き、やがてハプスブルク帝国を崩壊させた
経緯を考えれば、ハプスブルク帝国は自業自得、因果は巡る糸車のように




1867年、オーストリア=ハンガリー帝国が誕生した
この大規模な改革によってすら、帝国内の複雑な民族問題が解決されるには至らなかった
当時の帝国内には9言語を話す16の主要な民族グループ、及び5つの主な宗教が混在していた
帝国の最大の関心は東方問題にあった
台頭するスラヴ人民族主義運動は、帝国政府を主導するドイツ人とマジャール人にとって悩みの種だった
1912年から1913年にかけて行われたバルカン戦争の結果、政治情勢はますます混迷を深めて行く…




皇位継承者夫妻とて、生命の危険を賭するくらい承知していたと思う
危険を押してまで、本来あるべき自分たちの姿を求めたんだろうね
「家柄ガー」と五月蝿い姑タイプ、王侯貴族にも洋の東西問わず存在するもの
しかしながら嫁イビリの結果、後継者が亡くなり、支配階級としての滅亡をも迎えてしまうなんて
「我々の状況は悪くなっている。事によると、思っているよりもずっと悪い
飢えた国民はもう多くは耐えられないだろう
(中略)
何としてでも来春には戦争を終わらせるつもりだ
余は、余の帝国を希望なく破滅させる事は出来ない」
1916年7月、侍従武官アルバート・マルグッティに語ったとされる、国父だか不死鳥だかのフランツ・ヨーゼフ1世
ご自分は、家柄釣り合うとは申せ、見合い相手の妹に一目惚れしちゃい、母ちゃん困らせたしは置いといて
後悔先に立たずでしたかね




…何が言いたいか?




J. シュトラウス2世の活躍した時代を「金」とし、それに対して第二のオペレッタ黄金期である20世紀初頭は「銀」
作品の書かれた時代の社会への風刺などが盛り込まれ、当然、不穏な政治情勢なども見え隠れする
大戦中の1915年11月17日に初演された、チャールダーシュの女王なんて
侯爵の息子エドウィンとの結婚を、彼の母親から猛反対される歌手のシルヴァ
最後、侯爵夫人も昔歌手だったがバラされ、何が身分違いだと両親赤っ恥に終わる
戦火が鎮まれば訪れる時代の変化、確実に滅び行く旧世界及びその価値観を指し示している作品である
とにかく、メリー・ウィドウを始め、身分違いどーのてな作品が、20世紀前半に次々と発表されたのが面白い
大戦後の作品となるが、レハールには、♪ロシアの皇太子、♪微笑みの国が挙げられる
前者は、題名役と踊り子
後者は、中国とタイがごっちゃになった東洋の殿下とウィーンの伯爵令嬢
どちらもバッド・エンドに終わるんだよ
(後者には、殿下の妹姫が、伯爵令嬢の幼馴染みと幸福になるハッピー・エンドも用意されるが)
ハンガリー生まれのアメリカの作曲家ロンバーグの♪学生王子
これまた、学生街の居酒屋娘は諦めるが、政略結婚には嫌々従う小国の王子が登場する




メリー・ウィドウの場合、支配階級側のノーテンキぶりが目に留まるけどね




若後家さん、ハンナの苦労尽きず大変だねと考える
花の都パリまで遊びに出かけたら、元彼、ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵が、ポンデヴェドロ大使館の一等書記官
ダニロは、ハンナにフラレた恨みを抱える
ハンナは、ダニロの親戚から身分違いを理由に結婚反対された恨みを抱える
国一番のカネ持ち、銀行家爺さんとの結婚について、よーく考えてみ
爺さんは遺言状に、「ワシが死んだら、遺産は嫁が相続し、嫁が再婚すれば後夫に属する」
ハンナが余程酷い男に引っかからない限り、どう転んでも素寒貧になる心配は無いという親切ぶり
ハンナは実家が抵当に入って苦しいみたいな状況を打破すべく、爺さんの求婚を承諾したとも考えられる
好いたハレタだけでは世の中生きられない現実が否定出来ないんだわ




何故かカンカン踊りが得意な、パリ駐在ポンテヴェデロ大使夫人ヴァランシェンヌとて同じよ
亭主のツェータ男爵とはハンナ同様、中高年との年の差婚のよう
「自由で拘束されない、裕福な ブルジョワ家庭の娘には縁の無い特権を謳歌しようが、貧しい働く娘」
フランス古語で「貧乏で尻軽な針子」の意味を持つグリゼット (Grisette)
その格好でカンカン踊りの場面に登場するため、亭主は「ウチの純情な嫁に出来るのか」てな反応見せるが
…グリゼットが、ヴァランシェンヌの素性じゃないの?亭主が灯台下暗しボンクラの意味!
男爵様との馴れ初めわかんないけど、昔々のCMのように、「ワタシゃ愛よりカネが好き♪☆」だったりして
カネ好きでも、あるいは、男爵様をATMとして貧乏な実家に仕送りするためでも
ヴァランシェンヌは頭イイから許せるわよ
「ワタクシは貞淑な人妻です」と扇子に書いてあるように
フランス人の大使館随行カミーユ・ド・ロシヨンとラブラブながら無茶はせず
いざという時、嫁を疑った事に対して亭主が許しを請う準備万端ぶりに感激するくらいだから




ぶっちゃけ、アタシゃ、機嫌悪い時にメリー・ウィドウ聴くと
おいダニロ、遺産目当てと思われるのが嫌という気持ちはわかるけどな
余裕持つ者が手を差し伸べるべき場面もある
本当にハンナが好きなら、幕開け前から、ハンナを実家丸ごと面倒見たれ

幕切れ、ハンナが遺産貰えず一文無しでも嫁にするとか何とか?
後からやったらナンボかて言えるんじゃ
男ならゴチャゴチャ言うな、女々しい後出し厳禁!





…大人のお伽話って、複雑怪奇を主張したい記事だってコト、おわかり?









淀川長治爺さんやあるまいしと言うてくれるな
第一次の世界大戦を乗り越えたと思ったら、第二次がボチボチ気配見せる時代の映画版ね




1回だけじゃなく2回も、世界を戦火が覆った
ハンナとダニロ、シルヴァとエドウィンのそれぞれ、大団円の後、メデタシメデタシ尽くし人生送れたのか?
わかんないけど





何度目の登場やらのYouTubeペタリしとく




ジプシーよ ヴァイオリンを取って 何か心に沁みる曲を弾いて♪
人生の喜びと哀しみを 弓が折れるまで 夜が白むまで奏でて♪
心に朝が訪れるまで 彼女の悩みを消してくれ♪
キッカケさえつかめば 上手く行くさ♪
カネ(運)は天下の回り物♪
明日もまだ地球が回っているか 誰にもわからない♪
 



世の儚さを理解した上でのノーテンキだったら悪くないって~