mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

文化の価値は天井知らずでも、チケットの価格は奈落に落ちる級を弾き出す

明治節文化の日
頭に何故か、「1970年のベルリン・ドイツ・オペラ日本公演」が浮かんだ
正確に言うと、「ヴィーラント・ワーグナー演出のローエングリン」を想像した
観たい、聴きたい
NHKが放送したとワーグナー師匠格から聞いたけど、物持ちいくないNHKに映像や音源残ってるとは(溜め息)




ちょっと検索した結果
http://users.catv-mic.ne.jp/~pika/berlin.htm
1963年・1966年・1970年のベルリン・ドイツ・オペラ(主催:日生劇場朝日新聞社
1967年のバイロイトワーグナー・フェスティバル(主催:大阪国際フェスティバル)
1974年のバイエルン国立歌劇場日本公演
公演データを見つけた
現代基準で見ると、メッチャ豪華な内容だ
1974年のバイエルン見てみ
ばらの騎士が、オットー・シェンク演出、カルロス・クライバー指揮だよ
20年後のウィーン国立歌劇場日本公演と同じ組み合わせながら
https://www.youtube.com/watch?v=AuS337uc-4Y


1972年初演、ミュンヘン五輪特需?の豪華舞台が、絶対上回る




東京文化会館で行われたオペラ公演の料金
13,000円、11,000円、9,000円、7,000円、5,000円、3,000円」
1974年当時、かなりの高額だったのかね?




こんにちは

チケット代だけなら思い切って高額出せても
遠方から行こうとすると、新幹線や飛行機、宿泊の費用が加わります
また、半日や日帰りなら、介護など身内に何とか頼める事が
遠方には厳しくなり、経済的理由以外で無理もあります

首都圏限定公演というのも、チケット販売苦戦に影響あるのでは
mathichenさん、
その昔は、東京のあと大阪公演があったものですが、
いまは北京、京城公演が優先されてしまいますね。
こういったあたりでも、
都市の経済的パワーが反映されてしまうみたいです。

クラシックカテゴリ某所でのやりとり
相手さんは
「今秋のウィーン国立歌劇場来日公演
安いE・F席はあっという間に完売となってしまった
新聞によると、チケット販売はなかなか苦戦しているよう
S席で6万円を超えるチケット価格
バブル期ならいざしらず、現在の経済的失政のさなかでは厳しい
最終的には招待客で埋めるしかないだろう
…いくら溜息をついてみても、いまの懐状況では高額チケットは無理
手元にある録音で我慢する事にした」




実際の公演状況は知らん
一昨年秋の事は思い出した




パルジファル 新国立劇場2014年10月公演 Parsifal, October 2014
10月2日初日、後は5日・8日・11日・14日で上演
5日に初めて、そんな公演あるのを知り、早速、新国立に電話掛けて聞くと
11日:売り切れで、8日:S席、14日:S席とA席がそれぞれ残席僅かとなっていた
8日:S席を強行したけど、S席32400円、A席27000円、高過ぎる
首都圏住まいなら、何とか折り合いつけられる
遠方には、交通費、飲食費の他、劇場でプログラム等を買ったら
韓国や台湾辺りへの週末格安休暇にカップルで行けそうな
減額続く国民年金暮らしジジババから殺されそうな
想像以上にイタイ高額が飛んで行く
宿泊料金あるいは夜行バス料金を加えたら、しばらく頭痛抱える日々が続く




来場者の100%近くが首都圏住まいは当たり前の話ながら
悠々自適の上層中流老夫婦
平日昼間の公演のため仕事サボったのかよなスーツ族男女
彼ら見てると、聖杯騎士団に見えるの、アタシだけ?
Amfortas : Mein Vater ! - Erlöser, gib meinem Sohne Ruh !
新国立デビューした演出家ハリー・クプファーのベルリン版から通じる
「特権守るためなら他者の痛みに無頓着な、選民意識に満ちた聖杯騎士団」の意味よ




今昔とも、大人の事情抱える諦め組多いのが現実だ
自分が当たり前に思ってる事が、当たり前じゃない世界もある
同じ首都圏住まいでも、車椅子族の場合、いろいろ条件厳しいもね
東京キー局TV番組が全国区番組を異常に思わないのか
地方が舞台のドラマだって、どんだけ現実に忠実か知れたもんじゃない
情報を取捨選択する冷静な目と知性持つなら問題無いが
世界の命運握る中枢いうほどの存在でも無しだけは忘れるなよと感じた




劇場もだよ
バブル期以前の1980年頃に、世界一高い映画入場料取った日本
これじゃ時代問わず、趣味が何かと割高になるの当然の話
輸入物である海外歌劇場引っ越し公演が高いのは仕方ないけどね
都民オペラ並みに安く、それは無理な相談
例え、大阪、名古屋などでも公演行う場合、人や物が大がかりな移動する
どうコスト抑えた所で、チケット代は福沢諭吉が当たり前の世界
東欧の小劇場なんかだと、ある程度は安くなるくらい?
1993年のベルリン・ドイツ・オペラもやたら高かったが
当時行われた引越し公演の多くが、バブル期に契約結んだものが影響しており
来日公演は補助金の無い営利事業なので、企業から多額の協賛金を調達では追いつかなかったよう
バブル期といえば、東京ドームに本物の象さん登場した♪アイーダとか、調子こき過ぎたもんな
四半世紀後もバブル期並みの高額というのは、教養を拡散する懐が潤沢でなくなった神々の黄昏を招く一途よ




S席6万円なんて、国民年金支給額だぜと呆れる
最終的には招待客で埋めるしかない
招待客って、ま、ぶっちゃけ、無教養な成金と思われる
そこだけバブル期にタイムスリップした感じのね
情けないわね




消費しなければ、経済は停滞する
消費しようにも、消費するカネが制限される
老若男女どちら様も、ほんの一握りを除き、経済的問題抱える昨今
余裕持つ高齢世代ですら、己の介護を考え、趣味に没頭するのは難しい
カネと教養に余裕持つ階層が、下流老人気分に陥るようになれば
その国の文化は衰え、やがて基礎体力も衰え
DQNという名の認知症もどきばかり繁殖し、国は衰弱死する末路よ
「お客様は神様です?もう、貧乏神ばかりになるだろ!」




某所の御方は、1967年4月、バイロイトワーグナー・フェスティバルを体験された
Wolfgang Windgassen as Tristan in Osaka 1967
Anja Silja & Jess Thomas "Siegmund! Sieh auf mich" Die Walkure
・学生特権に与り、ドレスリハーサルを観賞した
・アニヤ・シリヤが、自分より少しお姉さん(シリヤは1940年4月17日生まれ)
当時、浪人や留年しないでの大学4回生で計算しても、2016年現在、70歳前後の弟分




公演データ記事には
オーケストラ、合唱 : NHK交響楽団、大阪国際フェスティバル合唱団

チケット料金
BOX席 30000、25000、20000、A15000、B12000、C8000、D5000、E3000

当時のフェスの座席は一列が80席(2F)、その最後列の80席が我々のための学生席で、
10回の分割(無金利)で購入いたしました。しゃれた計らいですね!。
勿論高い席も分割可能だったと記憶しております。
分割で鑑賞したオッサン知ってるわ
支払いに悲鳴上げようと、その当時1歳であったジェス・ト-マス命にすれば羨まし過ぎる




海外引越し公演が首都圏限定公演でも構わないから、分割とか可能に出来ないものやら
首都圏在住者だって助かるはずよ




例えば、ウィーン国立歌劇場演出をベルリン国立歌劇場が借りて独自に上演する
海外でそういう例は少なくないが、歌劇場丸ごとは、日本ほど普通じゃないと思う
現地とほとんど同じ、ひょっとすると現地以上の充実度に触れられる日本が恵まれるのでは?
本気で文化国家目指したいならば、お上が集客支援したっていいくらいだっての




最後に




海外では、いくつかの歌劇場による共同制作プロダクションが見られる
プロダクション借りるのは多分、レパートリーに入れるほどじゃない、上演機会少ない作品
英国・コヴェントガーデン王立歌劇場が1990年、マイアベーアの♪ユグノー教徒を上演した折
ベルリン・ドイツ・オペラから借りた理由よ
ユグノー教徒の次の演目が、ヴェルディの♪シモン・ボッカネグラ
シモンの幕間、合唱団員が衣装つけたまま募金箱持って客席を回った所、皆ケチ臭い
イラ~と来たおねえさん団員が、「ユグノー教徒は二度と上演しないと約束するから、募金して~」
すると、客席中に大爆笑が起き、ポンドが紙ヒコーキでわんさか飛んで来たそうな




わかる、わかる


16世紀の宗教対立が、何でまた、鉤十字集会なんよ!?
酒池肉林の第一幕後には、プールに水着美女の第二幕が現れた
ユグノー教徒とカトリック教徒の戦いが行われる第三幕に至っては、町内の運動会状態を呈する
マイク持ったねーちゃんが紅組と白組を仕切る風と言えばわかるかしら
同じ神さんによる宗教戦争なんて、ま、根っこは…という面白さから、この演出、意外と好きなんだけどね




着飾った男女が唖然ボー然を思えば、同じ高いカネ無駄使いするならば
自前でケッタイな舞台を提供するより、冒険しないで他所から借りてダメなら封印の手もあるか~