mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

汝の敵は汝の心中に在り。贖罪は、人生を差し出す覚悟を持って

2013-06-08 18:17:19 アメブロ別荘記事を持って来た
2011/11/24 19:17 ウェブリ休憩所記事【汝の敵を愛せよは難事】の続き目的部分は省いとく
Wikipedia部分は3年前のままよ

「クリープを入れない珈琲なんて…」
このCMはやっぱ、辛気臭い芦田伸介ヴァージョンがサイコーよ(映像見つからんけど)




芦田伸介について大賢者様で調べると

一人娘である亜子は、松山英太郎と結婚。一男一女(のちの女優・由夏と俳優・芦田昌太郎)に恵まれるが、その後離婚。後年、芦田は「もう一人の父になりたい」との思いから二人を養子にしている。

Wikipedia:『芦田伸介』より引用 )

風呂屋の息子(松山英太郎といえば、「おかみさん、時間ですよ~」のドラマに出てたメガネ)が娘婿
そりゃ知ってた。でも、芦田伸介で『養子』の単語がくっつくと、ますます辛気臭くなる思い





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あらすじ
(『氷点』)昭和21年(1946年)、旭川市在住の医師辻口啓造は、妻の夏枝が村井靖夫と密会中に、佐石土雄によって3歳の娘ルリ子を殺される不幸に遭う。啓造は夏枝を詰問することもできず、内に妬心を秘める。ルリ子の代わりに女の子が欲しいとねだる夏枝に対し、啓造はそれとは知らせずに殺人犯佐石の娘とされる幼い女の子を引き取る。女の子は陽子と名付けられ、夏枝の愛情を受けて明るく素直に育つ。

陽子が小学1年生になったある日、夏枝は書斎で啓造の書きかけの手紙を見付け、その内容から陽子が佐石の娘であることを知る。夏枝は陽子の首に手をかけるが、かろうじて思いとどまる。しかし、もはや陽子に素直な愛情を注ぐことが出来なくなり、給食費を渡さない、答辞を書いた奉書紙を白紙に擦り替えるなどの意地悪をするようになる。一方の陽子は、自分が辻口夫妻の実の娘ではないことを悟り、心に傷を負いながらも明るく生きようとする。

辻口夫妻の実の息子である徹は、常々父母の妹に対する態度を不審に思っていたところ、両親の言い争いから事の経緯を知る。両親に対するわだかまりを持ちつつ、徹は陽子を幸せにしたいと願う。その気持ちは次第に異性に対するそれへと膨らむが、陽子のために自分は兄であり続けるべきだという考えから、大学の友人である北原邦雄を陽子に紹介する。

陽子と北原は互いに好意を持ち、文通などで順調に交際を進める。しかし、陽子が高校2年生の冬、夏枝は陽子の出自を本人と北原に向かって暴露し、陽子は翌朝自殺を図る。その騒動の中、陽子の本当の出自が明らかになる。

表題の「氷点」は、何があっても前向きに生きようとする陽子の心がついに凍った瞬間を表している。その原因は、単に継母にひどい仕打ちを受けたという表面的なものではなく、人間が生まれながらにして持つ「原罪」に気付いたことであると解釈される。

(『続氷点』)一命を取り留めた陽子であったが、実の父親が佐石ではないと聞かされても心が晴れないばかりか、不倫の関係であった実の両親やその結果生まれた自分に対して複雑な感情を抱く。徹は陽子の実母三井恵子に会い、陽子の近況を告げる。動揺した恵子は車の運転を誤り、事故を起こす。その経緯に不審を抱いた恵子の次男達哉は、大学で母にそっくりな陽子に出会う。事の真相に近付いた達哉は冷静さを失い、無理に陽子を恵子に会わせようとするが、それを阻もうとする北原を車で轢いてしまう。作中最後の場面で陽子は、夕日に照らされた真赤な流氷を見ながら、人間の罪を真に「ゆるし」得る存在について思いを馳せる。

相沢順子
佐石土雄とことの実子。4歳で薬局を営む相沢家に引き取られ、愛情深い養父母の元で育つ。現在は短大の保育科の学生。一見して何の悩みもなさそうな明るい娘。幼さが残る容貌に似合わず、思慮深く優しい女性。偶然に陽子や北原と友人になり、徹に好意を持つ。自らの出生を知り実父の佐石を憎んでいたが、キリストの贖罪により救われたと手紙で陽子に告白、自らの生き方に悩む陽子に大きな指標を与える。

Wikipedia:『氷点』より引用 )





何度もドラマ化されているのでご存知の方は多いはず
辻口啓造、映画版では、船越英一郎の親父が演じた
1966年1月23日 - 4月17日、NETテレビ(現:テレビ朝日)ドラマ版では、芦田伸介なのよね
似合い過ぎなんだよ(何故かは、この記事のもう少し後でわかる。まず、芦田伸介を検索、顔見てみよ)
辻口夏枝=新珠三千代と同じくらいのハマり役(夏枝は、若尾文子=性典シリーズでは艶っぽ過ぎる)
この二人が、映画版の辻口徹に似合うぞ(山本圭いうたら、名前聞いただけで辛気臭くなる暗さだ)




何が言いたいか?
別に何も。上段は、この記事の単なる枕部分でやんす。冗談にもならん、‘氷点’に焦点と先を急いで
ここから先はしばらく、2011/11/24 19:17 ウェブリ休憩所記事【汝の敵を愛せよは難事】再録です




妻の夏枝が村井靖夫と密会中、娘ルリ子が殺された
密会といっても男側が強引な不倫未遂だったんですがね
それでも娘が非業の死を遂げた前には、言い訳にすらならないようで




かといって
妻にはそれとは知らせずに殺人犯の娘とされる幼女を養女に迎える
男の嫉妬ってどんだけ陰険なのよ
夏枝の陽子いびりはルリ子を殺した男への復讐代わりというより
詰問せず内に妬心を秘めてコッソリ復讐する陰湿な夫への逆讐だと思いますけど




何があっても前向きに生きようとする心がついに凍った陽子
殺人犯の実子である順子との邂逅など試練によって
三井家へ電話をかけようとする最終場面で、実母を赦す未来がわかります




ところで、‘続・氷点’では、意外な人物が、妻の不貞を知り受け入れていました
三井弥吉、陽子の実母である三井恵子の夫です




弥吉は復員後、出張の途中に偶然、長男の潔誕生時に世話になった看護婦と再会した
弥吉は看護婦が幼女を抱いているのを見て、「自分も女の子が欲しい。女の子なら戦争に行かないで済む」
すると看護婦は怪訝な顔をして、「あら、お宅にも可愛いお嬢ちゃんがいるじゃないですか」
男の子しかいないのであれば、去年の夏に産院で生まれた女の子は亡くなったの?
看護婦は家庭に入っていたが、一時的に元勤めていた産院を手伝い、その頃に恵子が女の子を産んだらしい
弥吉が出征中の話とあって、秘かに自分の出征中の妻の動静を調べた結果
妻は札幌の実家に身を寄せていた時、実家に下宿していた中川という男と親しかった事実を突き止めた
さすがに嫉妬を覚えるも、弥吉が沈黙を保ち続けた理由として
中国大陸で、上官の命令とはいえ、妊婦含む罪なき住民たちを殺害した悪夢から逃れられない
自分が手をかけた血まみれの胎児を思い起こすと
妻が人目を憚りながらでも、堕胎せず、子供を産んでくれたことに、感謝の念を抱く
妻の過失を知らぬ振りをし、騙され続けてやろう、一切責めずにいようとした
実際、弥吉が妻の不貞を知った後も仲の良い夫婦であり、恵子も心から反省し全く貞潔であった




次男の達哉が北原を車で轢いた後しばらくして、辻口夫妻に手紙を出しているのですよ




もっともその手紙には
夫婦はそれで良いかもしれぬが、何も知らない息子たちは?
辻口徹が恵子を見舞う軽率さから、いまだお子様で感情的な達哉の心乱れさせたのに
弥吉は、自分の犯した罪を思えば、自分の受くべき当然の報いである
そもそも達哉があのような性格に生まれついたのは、自分たち夫婦の責任だ(過去の心境の影響だ)
沈黙が本当の問題の解決にはなっていない事実が知れました




沈黙が、新たな犠牲者を出す。本当、赦しは難しい問題といえます




辻口啓造の方が、赦しを与えやすいのかしらん
殺人犯を父親に持つ子供に罪はないとわかっていた
だが自分は妻への復讐のため、陽子を引き取ったのに対し
相沢順子の養父母は全てを承知して、「親に恵まれない子供と、子供に恵まれない親。似合いの親子です」
辻口は順子が佐石の娘と知り、夏枝に憎まれ続けた陽子と対照的な順子の成育環境を見て
『汝の敵を愛せよ』を麗々しく掲げ、陽子を貰った自分が如何に醜い人間だったかを知るのですな




ルリ子が殺害された川原で、順子が佐石の娘と知らない夏枝のルリ子事件に関する言葉を聞き
「私を、どのようにでもなさって下さい
私の父の罪を、私はお詫びしたいと思って、生きてきたのですから」
両親に利用された陽子と対照的に、両親の愛情を受け明るく育った順子ではあったが
キリストの贖罪により救われた彼女もまた、『原罪』に苦しんでいたなんて、十字架はやはり重い
「一生を終えて後に残るのは、我々が集めたものではなくて、我々が与えたものである」
陽子が夏枝の父親である茅ヶ崎の祖父からの教えを、『子供』に当てはめれば
親の責任、親の罪が子供に与える影響がより一層、重く感じられませんかね




これは小説だからというより、信仰心のなせる業だからでしょう
神仏に依る倫理観教育を受けていない一般日本人には至難の業ですわ




しかしながら…




17分後登場記事へと続く