mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

叩けば叩くほど味わい深い響きを奏でる、昭和の老太鼓(後篇)

アメブロ別荘版【叩けば叩くほど味わい深い響きを奏でる、昭和の老太鼓】
その後、思い出したついでに書いた、FC2別館記事【左巻き小娘以外の左が大好き】をば

黒澤映画を語れる者は、掃いて捨てるほどいる
黒澤映画に出演した左卜全についても然り
けど、左卜全そのものについて「はあと」は、まずいない
そう考え、アメブロ別荘で、左卜全讃歌をUPした




黒澤映画といえばさ
椿三十郎に登場する殿様が大好きなんだわ

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殿様を演じるのは、超馬面の伊藤雄之助
んで、殿様も、自分が馬に乗ってる場面を
「ワシが馬に乗ってた時、こんな事言った奴がいたよ
馬に乗ってる人より、馬の方が丸顔 」
奥方がプッと吹き出し、皆つられて笑う
…奥方役の入江たか子、マジ吹いたと思われる
入江たか子つーたら、化け猫女優
映画狂の兄に影響を受けての女優業開始だけど
父の東坊城徳長は子爵、貴族院議員
東大卒だろうが貧乏人出身は絶対勝てないお嬢様
生来の育ちの良さは立ち居振る舞いに現れるってんで
プッと吹く演技も、平成Bitchには不可能な上品さを示した




…何、言いたいんだっけ?
そおそお、伊藤雄之助だった




ジュリー主演の‘太陽を盗んだ男’(1979年)

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冒頭のバスジャック場面に、伊藤爺が登場するんだわ
精神を病みながらも純情な老人役であった
古谷一行の横溝シリーズ‘夜歩く’では
日本刀か何かを振り回しとったがね




…結局、何が言いたいって?




代表作に『巨人と玩具』『侍』『しとやかな獣』など。特徴のある顔とアクの強い演技で多数の映画で名脇役として活躍、『椿三十郎』では大詰めのみの出演ながらも存在感を示した。一方で『気違い部落』『ああ爆弾』などでは主演として鮮烈な印象を残した。1968年6月に脳溢血で倒れ、半身不随となるも懸命なリハビリの結果、翌1969年には『橋のない川』(監督・今井正)にて俳優活動を再開した。晩年も『太陽を盗んだ男』では日本兵の軍装で皇居に突撃しようとするバスジャック犯役で怪演を見せるなど多数の映画・ドラマなどに出演。

Wikipedia伊藤雄之助より引用 )

41歳の時に患った突発性脱疽が原因で脚が不自由になり身体障害者手帳を持っていたが、卜全は障害者手帳を持って外出する事はほとんど無く、さらに性格や普段からの奇行が原因で世間から「身体障害者を装っている」と思われる事も多かったと言う。激痛に耐えながら仕事をする夫の事を何も知らず、世間が勝手に「左卜全身体障害者の振りをしている」と噂している事に深く傷ついて怒りを抑えられなかった糸に対して卜全は全く動じず、逆に「何を怒っているんだ?逆だよ。そう言う噂があるからオレが助かっているんだよ。役者に病気があるなんて知られて同情なんかされたらそれこそ致命的だ」と糸に笑いながら話したと言う。

Wikipedia左卜全より引用 )





役者に留まらず
闘病や障害が漏れ伝わってもだ
それが飯のタネ、許せるけど
人の同情を利用する格好で
結局は周囲に迷惑かけるみたいなのは
プロじゃない
ファ○リーズ的美談にまとめた24時間TV
無病息災家庭以外には、低水準
あんなもんに感動するような無知性国家には
真のプロは存在しないって事よ

伊藤雄之助Wikipediaに、もろ放送禁止用語である映画題名載ってるよね
オリジナル記事題名の【左巻き小娘以外の左が大好き】
「つむじが左に巻いている頭の悪い人」の意味に於いては、アウト?
セーフであったって、平成の世には古語かも




平成の世になってからあまり聞かなくなった言葉の一つとして、『シルバー・シート』
ちゃうかい?




NHK総合テレビ土曜ドラマシリーズ‘男たちの旅路’第3部第1話【シルバー・シート】(1977年11月12日放送)
本木:志村喬、門前:笠智衆、辻本:加藤嘉、須田:藤原釜足、曽根:殿山泰司
日本映画黄金期が甦る豪華メンバーやね~
この5名が、同じ養老院(これまた、古語)に暮らす
高田院長:佐々木孝丸?アンタ自身、爺さんやろぉ!もう少しでスーさんの復讐成ったのに、宇津井健がもお~
佐々木孝丸は、モモエちゃん主演の大映ドラマ‘赤い運命’で、戦争中に三國連太郎を苛めた元上官を演じた
元一兵卒がコノウラミハラサデオクベキカと刺しに行くのを、宇津井健が止めちゃったのよん
ちなみに、2005年の綾瀬はるか版では、船越英一郎筒井康隆を狙うという、ギャグみたいな配役であった
船越さんよ、アナタは、火曜サスペンス劇場、BBAに囲まれるツアコンがお似合いよっての)
…オタク過ぎる証明ねと言い訳しといて




【シルバー・シート】、記憶だいぶ薄れ、かなり曖昧だけど(誰かアタシにDVD買ってよ)

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水谷豊と桃井かおりの警備員コンビが休憩中、志村喬と出会った
若い男女の雑談に、横のテーブルに独り座っていた爺さんがワハハと笑い、構ってちゃんへ
日を置かず亡くなり、豊&かおりは養老院と関わるようになった
養老院入所者は皆寂しそう
笠智衆加藤嘉藤原釜足殿山泰司が、ある日、停車場のバスを乗っ取る原因も、孤独感によるもの
鶴田浩二にあーだこーだ訴え、説教され、最後はお縄食らった




40年経っても色褪せない、21世紀に通じるジジババ問題を扱った名作には違いない
認知症の類は一人もいないが、というより、現代が異常なほどボケ老人多過ぎると言えるが
何らかの事情から寄る辺無いジジババの孤独感いうのは時代を越えて変わらないが伝わるドラマね




ただ俳優に関してはね、現代って、一目見たら死ぬまで忘れへん個性の持ち主を数人集めるのは大変ちゃう?
かつて、映画からTVへは成功しても、TVから映画へは力量不足みたいな時代があった
映画もTVも舞台もゴッチャになった現代の俳優だと、小粒感がどうしても否めない
笠智衆加藤嘉藤原釜足殿山泰司つーたら、ほとんど脇役だけど、主役食ったり、主役張れたりも出来た
陽の当たる位置、縁の下の力持ち、両方を万全に、そういう俳優って決して多くないじゃん
そんな気がするのね




ホント、伊藤雄之助も、顔はともかく、中身は白塗りイケメンに真似出来ない男前
太陽を盗んだ男のDVDも、誰かアタシに買ってよ