mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

方向を見失い、歴史の道を彷徨する聖地

先日見かけた音楽ニュース検索したら



Haenchen erhielt Bayreuther Angebot im Ostsee-Urlaub

“Ich bin Maestro Haenchen sehr dankbar, dass er sich kurzfristig bereit erklärte, das Dirigat der Neuproduktion zu übernehmen, und freue mich auf sein erstes Mitwirken bei den Bayreuther Festspielen.”

「私はマエストロ・ヘンヒェンが直前になって新製作の指揮を引き受けて下さった事に感謝しています。私は彼のバイロイトでの最初の仕事を楽しみにしています」

http://www.welt.de/regionales/bayern/article156842470/Haenchen-erhielt-Bayreuther-Angebot-im-Ostsee-Urlaub.html




アンドリス・ネルソンスが、プレミエを前にバイロイト音楽祭の♪パルジファル指揮から降板した
音楽祭総監督を努めるカタリーナ・ワーグナーが7月5日に出した声明で、各紙同様の記事を載せているよう
正直な第一印象
「ヘンヒェンさん、日本では確かに地味な存在ながら
アナタほどの大指揮者が、急な代役受けられるほど暇なんかい」




ハルトムート・ヘンヒェンは、旧東ドイツ出身で、今年73歳
日本にもオペラ及びコンサートで何度も訪れている
バイロイトデビューとなるが、ワーグナー聖地で故ピエール・ブーレーズのマスタークラスを受けた事ある
舞台、演奏会形式ともパルジファル指揮経験は豊富で、代役務まる安心保証の模様




各メディアがバイロイト経験者を中心に代役予想を繰り広げていた
恐らくヘンヒェン予想は見られなかったので、皆ビックリの寝耳に水かいね
ドレスデンで長く仕事をしていた点から
シュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者で、バイロイト音楽監督でもあるクリスティアンティーレマン
彼と何か縁が関係するのではとの声聞かれるけど、ビンゴ☆だったりして
その前提として

ティーレマンよ、音楽界に一体、何人の敵を持ってるのさ
昨年のバイロイトでは、キリル・ペトレンコと場外乱闘を演じたわな」





ティーレマンは、幼時より両親に連れられて室内楽ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に通い
自らも5歳でピアノ、7歳でヴィオラを始め、後にピアノをベルリン音楽大学学長のヘルムート・ロロフに師事
カラヤン財団のオーケストラ・アカデミーに入った後も、ベルリン・フィル団員から学び続け
歌劇場コレペティートアとして働くようになってからは、ヘルベルト・フォン・カラヤンとの交流も深まった
ベルリン・フィルの本拠地であるベルリン・フィルハーモニーとベルリン・ドイツ・オペラを行き来したり
ザルツブルク復活祭音楽祭への参加を始めとして、彼らの演奏旅行に同行したりしながら
オペラとオーケストラ両面の研鑽を積む事となる




…15歳頃にはカラヤンとの縁故持っていたと記憶するから、怖くね?
人格形成期に独裁者と関わるなんて、厨二病こじらせる中坊よりメンドクサイ性格に発展するわよ
ペトレンコとの場外乱闘は、ペトレンコが2018年よりベルリン・フィルの首席指揮者・芸術監督予定が原因でしょ
1959年生まれのティーレマンにとって、1972年生まれのロシア人なんぞ青二才だろう
もうボチボチ…の皮算用だったと思うので、そりゃ胸糞な話かと
四半世紀前のメトロポリタン歌劇場デビュー時、我儘女王様キャスリーン・バトルと怒鳴り合い演じたし
強力な政治力を使って押さえ込んでいるだけの話で、行く先々に少なからぬ敵がいると考えたくなる




ネルソンス降板の理由は不明ながら、ティーレマンの影を感じるのよ
指揮者という職業が俺様気質の塊であり、ティーレマンと揉めない者を探すのは一苦労以上だ
ドレスデン方面で悪くない意味での縁が深いのであれば、ヘンヒェン代役はティーレマン方面の推薦かもね




ぶっちゃけ、バイロイト音楽祭がどうなろうと、いまや火事場見物程度の興味よ
カタリーナ登場以来、ここ数年改革に名を借りた自己完結に見えてならんせい
バイロイトなんて昔から魑魅魍魎だらけ、ただカタリーナ登場以来、スッタモンダ増えたしな
昔と比較して格段にチケット取りやすくなったようね
運営の整備によると思いつつ、聖地を有り難がるワーグナー狂が昔ほどいなくなった気もする
やたら御託を並べ演出家だけが理解出来るみたいな現代舞台の否定派でなくたって
いくら実験工房的な音楽祭といえど、小娘青二才の歌手や演出家の体験学習っぽい面見えたら
食指動かさなくなる者だっているはずよ
アタシゃ行けたとして、劇場の建物が興味で、上演中にはタヌキ寝入りしそう
「どんなに新しい物事も、やがて古い物事となる」
五木寛之の小説‘朱鷺の墓’に見られるように、一から十まで良くも悪くも歴史や伝統に基づかない物事は無い
まだ40歳前と、老いを少しずつでも意識し始める年齢じゃないカタリーナには理解不能なのかね
カタリーナの顔、♪ワルキューレの、ヴォータン追い込んで自滅を招くフリッカに見える時あるわ
近視眼的な発想に基づくのであれば、音楽祭が新しい面に於いても動脈硬化起こすを回避したけりゃ
女性に求められる能力:「大局的な視点に立って、境界線上の駆け引きする事」を学べと言いたい




ワーグナー聴き通す体力すら怪しくなった今日この頃ながら

イメージ 1

幽霊船の船体に両手指がペタリ
だもんで、幽霊船がパックリ口を開き、マッチョマン登場って、何か卑猥だわと思っちまうは置いといて
ハリ・クプファー演出を久々に観よかしらん




全編、神経症娘ゼンタの妄想劇が繰り広げられる
映像収録が30年前の1985年で、初演は1978年と40年近く経つのに、古さを感じさせない理由
「オランダ人がゼンタの妄想の産物は事実である
それに加え、ゼンタ以外の全てが妄想の産物とも取れる舞台でもある」
音楽から乖離しないで、観衆の想像力を刺激する余地も持つ、いまや古典ながら革新的舞台なのよ
異論や好みはあると思うが、後世へと語り継がれる演出と確信している