mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

歌に生き愛に生き、神の眼差しの下に死んだ

長居は、地下鉄御堂筋線乗っても西田辺挟むだけ、徒歩で行けるほど昭和町に近い
昨夜、ちょっと用もあったんで、marcelへ行き、もお疲れた
2011-03-03 20:00:17のアメブロ別送記事を修正してお茶を濁す

マリア・カラスの声域と声質は、本来、野太いドラマティック・メゾソプラノ
師事したイダルゴ先生というのが、軽いコロラテューラ・ソプラノ
それ以外教えられないってんで猛特訓
ワーグナー歌える(実際歌った)ドラマティックな声にして、ロッシーニの装飾技法も転がす
驚異のソプラノ歌手、20世紀屈指の歌姫誕生




オペラの傑作としての『トスカ』
古今のオペラの代名詞的な存在であり、20世紀最大のオペラ歌手とされているマリア・カラスはトスカを何度も演じた。1958年のパリ・オペラ座でのトスカ第2幕、1964年のコベントガーデンでの同じくトスカ第2幕の映像が残されている。なお、マリア・カラスが残したオペラの映像はこの2つのトスカ第2幕だけであり、大変貴重なものといえる。

Wikipediaトスカより引用 )





フランコ・ゼッフィレッリが、1964年、英国ロイヤルオペラの♪トスカ演出の際
「トスカは、悪人スカルピアを愛する可能性を封じるため、彼を刺した」という解釈を示した




正直な話、「女をわかってないね」
トスカというのは、美声を認められた羊飼いであり、根はごくごく純朴な娘
恋人カヴァラドッシの描く肖像画のご婦人に嫉妬する、何とも単細胞
亭主が浮気しようものなら、狂言騒動起こして周囲を振り回す嫁タイプ
言い換えれば、貞操観念シッカリした古風な女性
他の男に目をくれるなど聖母様から怒られちゃうと震えるはず




歌に生き、恋に生き、決して悪い事はしませんでした
哀れな人たちと知れば、手を差しのべて助けました
いつも心からの信心を込めた私の祈りは祭壇に昇り
いつも私は心からの信心を込めて祭壇に花を捧げました
この苦しみの時において、主よ、何故、私にこんな報いをお与えになるのですか?
私は聖母様のマントに宝石を捧げ、星々に歌を捧げれば
星々は天上で一層美しく微笑みかけてくれたのです
何故…何故、主よ…!私にこんな報いをお与えになるのですか?


注:Vissi d'arte,Vissi d'amore
一般には「歌に生き、恋に生き」で知られているが
amoreを「恋」と訳すと「神への『恋』に生きる」になる
トスカの歌うamoreは神への信仰という意味であり、「愛」と訳すのが妥当ですよ
…ゼッフィレッリのおっさんイタリア人のくせに、キリスト教の知識あらへんのかい?




主演のカラスが、JFK未亡人へと走った海運王オナシスから捨てられた
オナシスには、ジャッキー・ケネディが求めた財力と暗殺の恐怖からの保護する力
一方ジャッキー・ケネディには、成金オナシスが渇望した真の上流人種たる高い社会的地位
利害関係が一致しており、悪い組み合わせでないに加え
カラス自身、イタリア田舎紳士である爺さん亭主からの出奔歴があるものの
(イタリアでは1970年まで離婚が認められなかったも一因ながら)
カラスが懐妊を告げたら、オナシスは冷酷にも堕胎を命じ、女性の誇りを傷つけた
その愛憎劇が念頭にあったようだが…




声の調子は、1958年が断然良い
1964年には、まだ40歳だというのに、もうガタガタに近い
しかしながら、役を血肉化させた表現力では、年輪を重ねた後者の勝利





1973年と翌1974年、カラスは当時の彼氏ジュゼッペ・ディ・ステファノと一緒に来日公演
テノール歌手ステファノも衰えが早く、どちら様も敬老会状態
とはいえ、福岡、大阪、東京と続き、札幌の北海道厚生年金会館で締めくくられた日本公演
これがカラスの生涯に於ける最後の公式な舞台であり、貴重には違いない
もう歌えるだけで幸福という表情に見える




https://www.youtube.com/results?search_query=maria+callas+giuseppe+di+stefano+london
1973年ロンドンでの映像もあり、1曲だけペタリ

ポンキエッリの歌劇ジョコンダより、そのものズバリ、♪自殺!
愛と希望を失った歌姫の告別場面ね…