mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

心中津軽十三湖に沈み行く夫婦愛の遺言状

午前中、BVBのヴォルフスブルク戦観ながらタブレット検索したを備忘録




まず、↓を

観世 栄夫(かんぜ ひでお) の名言集いいですなー

「生きることと、いかにうまく死ぬことは同じようなことだ。
毎日生きることは、いかにうまく死ぬことかもしれない。」




観世栄夫と聞くと
横溝正史シリーズ 悪魔が来りて笛を吹く(1977年、TBS) - 目賀重亮
コレを始めに思い出す
浮世離れした華族姫様上がりの主治医兼愛人という生臭い役ね
次に思い出すのが
新藤兼人監督映画‘午後の遺言状’(1995年)
過去と現実が混濁している嫁をを元に戻したい一心の、最後に心中を遂げた亭主役よ
シテ方観世流能楽師が本業だ、一踊りしてから死んで行くの




新藤兼人監督というと
キー局 CBC 放送曜日 土 放送期間 1999/09/11~1999/09/11
放送時間 14:00-15:24 放送回数 1 回 連続/単発 単発
番組名 スペシャル・ドラマ
主な出演 藤村 志保、中村嘉葎雄二木てるみ、平泉  成、千堂あきほ、藤堂 新二(香山 浩介)、松本あまり(松本美奈子)
主な脚本 新藤 兼人
主なプロデューサ 山本 恵三、石坂久美男
主な演出 山本 恵三
原作 新藤 兼人
局系列 JNN
制作会社 CBC

主婦の芳江(二木てるみ)は、隣人の宮崎夫妻から夫・茂夫(平泉成)あての手紙を受け取る。手紙には旅立ちのあいさつととれる言葉と貸していた現金が。宮崎の妻・安子(藤村志保)は老人性痴呆症に冒されて、日々記憶を失っており、宮崎は行く末を悲観していた。夫妻が心中しようとしていることを直感した芳江は、茂夫が止めるのも聞かず、二人の後を追う。東北の荒涼とした風景と老人二人の死への道行が痛々しい。愛妻・乙羽信子を亡くした脚本家・新藤兼人が、ひょっとして江藤淳のようになってしまうんじゃないかと心配になる絶望的なラスト。とはいえこういう作品を出すことで新藤兼人自身は妻を失った喪失感から少しでも逃れて精神の均衡を保とうとしているのかもしれない。

http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-33722

解説の部分、「精神の均衡を保とうとしているのかもしれない」
監督はもう亡くなったから、「精神の均衡を保とうとしていたのかもしれない」
そりゃ置いといて
‘心中津軽十三湖’、やっと、ドラマ題名思い出せた(スッキリした)



1999年にドラマ観たのよ
大阪ではMBS毎日放送でだった
テレパル誌で大きく紹介され、面白そうだねとチャンネル合わせたの




主人公の宮崎は、日を追うごとにボケて行く嫁を見るに忍びない
出来れば夫婦一緒に施設入所したい、しかし公立施設は夫婦不可がネック
3万円程度をお隣さんに借りる経済状況に、有料老人ホームなど夢のまた夢である
夫婦の想い出の地巡りをした後、心中する苦渋の選択をする




午後の遺言状で観世爺さんが演じた役のスピンオフみたいな内容
‘愛妻物語’(1951年)を撮った、新藤監督の本領発揮みたいな原作と言えよう

新藤とは夫婦であっても、乙羽は「先生」と呼び、また新藤は「乙羽君」と呼び合っていた。『原爆の子』に出演した頃に恋仲になった時、新藤には既に妻がおり、忍ぶ間柄であった。しかし、新藤の前妻が亡くなった後の1978年(昭和53年)に結ばれた2人を、前妻の子は祝福し迎えている。「いきなり子供達ができました」と、乙羽は喜んでいた。新藤の監督作品へは「午後の遺言状」ま で全作出演しているが、新藤以外との仕事も多くこなし、テレビ・舞台と幅広く活躍。温和な母親役から凄味を感じさせる殺人者役まで善悪硬軟こなせる貴重な 名脇役として人気を博した。

遺作である『午後の遺言状』の撮影では、新藤は作品が乙羽の遺作になるという覚悟の上で制作に臨み、メガホンを取ったという。乙羽自身も残された時間を知った上で出演したといわれている。

Wikipedia乙羽信子より引用 )




幻想的でコミカルな撮り方であったドラマと記憶するけど
カネ無いばかりに、せめて嫁が完全に破綻する前の死を選ぶのが哀しかったものの
ボケボケなった嫁を目にしたくないという男のエゴとも言えなくも
しかしながら、遠足気分の中、嫁がニコニコ笑いながらというのはむしろ慈悲深い




子供は親と別人格の上に成り立つ個人主義の根付いた欧米では、一家無理心中はほとんど聞かない
欧米での心中は、病気を苦にした夫婦心中が主である
欧米でもボケ老人問題が深刻だし、心中津軽十三湖、誰かリメイクしてくれない?
誰かカネ出してくれるんだったら、アタシに演出させなさいよ
亭主役にエド・ハリス説得してくれるんだったらサイコー
合衆国を舞台にした脚色を頭の中に書いてあるんだわ
ドイツを舞台にした松本清張の鬼畜と二本立て映画にしたら、世紀の傑作を保証するぞ




余談ながら




ピア・デゲルマルク、これで、17歳の女子高生(同級生で、現在のスウェーデン国王から惚れられていた)
綺麗なおねえさんが撃たれるのって、オンナの目にも哀しいわん





ゲーリーシニーズの演技クサイけど
マニアでない映画観客から本物知的障害者に間違えられたジョン・マルコヴィッチの撃たれ方が泣ける~