mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

論理性の裏付けとしての非論理性、非論理性の裏付けとしての論理性

“超常現象”を振り返るドルトムント指揮官「私は論理的な現象なら説明できるが、この試合は“非論理的な”現象だ」
theWORLD(ザ・ワールド) 4月15日(金)19時10分配信

指揮官も仰天の逆転劇……

それは超常現象とでも言うのだろうか。フットボールを知り尽くした名将が、とうとう“説明のつかない”ミステリーに遭遇してしまったようだ。

14日に行なわれたヨーロッパリーグ準々決勝2ndレグ、リヴァプールドルトムントの一戦は波乱の展開となった。1stレグをホームで1-1と引き分けていたドルトムントは、“Bチーム”と揶揄された直近のシャルケ戦から大幅にメンバーを変更。ピエール・エメリク・オバメヤンやマルコ・ロイス、ヘンリク・ムヒタリヤン、そして香川真司ら“ファンタスティック・フォー”を前線に先発起用し、本気モードで試合に臨んだ。開始5分のムヒタリヤンによる先制弾を皮切りに、オバメヤンも追加点を挙げたドルトムントだったが、後半にリヴァプールの“計り知れない”猛攻を受けると最終的には3-4と惜敗。トータルスコアも4-5で準決勝進出は叶わなかった。開始早々に奪った貴重な2つのアウェイゴールも今は昔。この大一番に“Aチーム”で臨んだ指揮官トーマス・トゥヘルは試合後、次のようなコメントを残している。英『EXPRESS』がこれを伝えた。

「説明することができないね。私は論理的な現象を説明することはできるが、これは“非論理的な”現象だ。とても感情の高ぶる試合だった。3-3となった終盤にはこのスタジアムにいる誰もがこうなることを信じていた。運命だったのかもね。強い信念を持てば奇跡は起こるということだ。我々はゴールを奪ったが、望んでいたようにはならなかった。でも受け入れる必要があるし、リヴァプールを讃えたい」

もちろんリヴァプールの本拠地アンフィールドではこのような超常現象がたびたび“観測”されている。素晴らしいスタジアムと、ユルゲン・クロップというエモーショナルな指揮官がこのような現象を生み出したのかもしれない。

http://www.theworldmagazine.jp


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160415-00010016-theworld-socc )

あのー、それがフットボールってもんじゃないですか?
CL決勝のバイエルンマンチェスターUとか、ACミランリヴァプールとか。
ビッグマッチになればなるほど弱腰采配。監督の選手交代で負けた試合。
すごい展開の試合だったのはわかるし監督としての経験の差が出た試合だと思うが、
これを非論理的なんて言ってたらヨーロッパを制する監督の器ではないと思う。
ダービーで戦力を落としてまでelにかけてただろうに、
ものすごい展開だったとは言え非論理的と言って思考を止めるのは逃げだ。
確かに有り得ない展開の試合だったがリヴァプールの勝利は奇跡じゃない。
ドルトムントの敗戦には理由がある。気がつかないのか?
そこら辺含め、監督の差なんでしょうね。
論理的な考えしかできないから選手の気持ちがわからない、わかろうとしないんだと思う。
トゥヘルって監督にファンが求めるモノがない気がする。
相手にとって嫌な選手を下げるというのは相手を助けるのと同じ
香川が下がってギンターじゃ相手が嫌がる交代じゃない
入れるならベンダーだし代えるならカストロだと思う
サッカーは詳しいのだろうけど、ボードばっかり見てる感じだな。
選手を正面から見ていないような…
こういう負け方で「選手は良くやった。理由は自分にある」と言ってくれる監督だと、
選手も奮い立つんだと思うけど。
自分も違うスポーツで、一応監督をしてるけど、負けてもトゥヘル監督みたいな表現はしたくないな…
こんな男気ゼロの監督嫌だ。せめて敗戦から学んで強くなろう、くらいの事言えないのか。
とても面白い試合でしたが、非論理的には見えませんでした。
その超常現象の引き金になったのはホームでの初戦の采配ではないでしょうか
まだこういった舞台経験がなかった事が敗因でしょうね
アンフィールドを甘くみすぎていた
しかし、タイトルがポカールだけになったこれから
どう選手のモチベーションを維持させるか本当の手腕が問われる時
それ次第では主力が移籍してしまう可能性が高まると思います

クロップとトゥヘルの決定的な「差」。リバプールは何故大差を覆せたのか。 
Number Web 4月16日(土)7時1分配信

 歴史と経験の差は、目に見えない。でも、それは試合の行方を左右する重要なファクターとなる。

 2010年にELが始まってから、最もエモーショナルな試合の1つに数えられるリバプールドルトムントの対戦でも、それが勝敗を左右した。

 「サッカーの世界では2-0になって試合の行方が決まるということは、よくある。でも、ここアンフィールドでは、そしてリバプールというチームは、そうはならないんだ」

 リバプールのクロップ監督は、4-3の大逆転劇を演じた試合後にそう語った。

 一方のドルトムントで、今年に入ってから重要な試合でスタメンを外れることが多かった香川真司は、スタジアムに着くと、全選手のなかで4番目に早くロッカールームへ入った。この重要な試合に向けた準備に、いち早く取り組もうとしていたのだ。そんな彼も、バスがスタジアムに近づいていく過程で、リバプールファンとアンフィールド・ロードの作り出す雰囲気に、怖さのようなものを感じていた。

 「試合前、バスが入っていくところでもすごい雰囲気でしたし、これこそがヨーロッパの戦いだなというのを感じました。このスタジアムで、今日のような勢いを持った相手と戦うのは怖いなと感じました」

戦術家トゥヘルが試合前に仕掛けたメンタル戦。

 ドルトムントのトゥヘル監督は、自身の判断基準を冷徹に貫いた選手起用と戦術でここまでのシーズンを戦ってきた。前任のクロップがリーグタイトルを手にしたときを上回る、クラブ史上最多ペースでリーグ戦の勝ち点を積み上げているのは、その成果だ。

 そしてシーズン途中で、前半戦の戦い方に躊躇なく手を加えたのもトゥヘルらしい。シーズン前半戦で23失点を喫した点が気に食わなかった。当時リーグ最下位だったホッフェンハイムに迫る数の失点をした守備を改善しようと、以前よりも守備と全体のバランスに重きを置いた戦い方へとシフトチェンジしていった。攻撃で相手を圧倒する試合は減ったが、その分だけ負けない強さは手にした。今年はまだ一度も負けていない。

 しかし、リバプール戦を前にトゥヘルは、その方針を改めた。

 「我々はリスクを冒すために、攻撃をするためにここにやってきた。1ゴールではダメだ。2ゴール、あるいはそれ以上を奪いに行くんだ!」

 それまで戦術で戦ってきた彼が、選手のメンタル面に訴えかけたのだ。

クロップを相手に感情的になり過ぎた1stレグの反省。

 彼が悔いていたのは、1-1で終わったリバプールとの1stレグで、チームを上手くコントロールできなかったことだ。チームのパフォーマンスががらっと変わってしまったのは、昨シーズンまで7年間指揮をとっていたクロップ監督がドルトムントに帰ってくるという、エモーショナルな出来事に左右されたからだと考えていたのだ。1stレグのあとに、トゥヘルはこう話していた。

 「試合前に、あまりに多くのことが我々の頭の中を支配してしまった。それで緊張感が高まりすぎて、いつものような戦いが出来なかった」

 リバプールとの2試合の間には、リーグで宿敵シャルケとのダービーがあったにもかかわらず、リバプール戦からスタメンを8人も入れ替えて臨んだのも、その点が懸念されたからだ。シャルケ戦の前に、トゥヘルはこう宣言していた。

 「フィジカル面だけを考慮するのではなく、メンタル面を考慮したうえでメンバーを入れ替える」

 トゥヘルが名監督と呼ばれるようになったのは、戦術面の指導力を武器したからだった。モチベーターとして選手のメンタル面をコントロールする能力に長けているのはクロップの方なのだが、トゥヘルは、自らの強みとは異なるアプローチで試合に挑んだのだ。


2点のリード、しかし香川には懸念があった。

 選手のハートを刺激して攻撃的に戦おうとする狙いは、一見成功したように見えた。香川は、狙いをシンプルにした良い心理状態で試合に入れたという。

 「僕たちが勝ち抜ける条件は勝つか、アウェーで得点を獲って引き分けるかでしたが、そこまで深く考えずに、勝つことを意識していました。」

 ドルトムントは前半9分までにカウンターから2点のリードを奪い、トゥヘルの狙いは実を結びかけていた。

 ただその一方で、香川はある懸念を感じていた。

 「最後のところで相手が外してくれていましたが、僕たちの守備が崩される場面も多かったので、嫌な雰囲気はありました」

 守備が機能しないことが、攻撃にも悪影響を与えていた。

 「相手はチャンとミルナーのダブルボランチだったんですけど、そこへ誰が行くのか。相手を捕まえきれなかったところもたくさんあった。攻撃はやはりカウンターしかなかった」


リバプールには、CL決勝で3点差を覆した歴史がある。

 リバプールも似た感覚を持っていた。前半は1点も奪えなかったものの、0-2で迎えたハーフタイムに、クロップ監督には手ごたえがあったという。

 「ハーフタイムの雰囲気はむしろ良かったよ。実際、私はこの試合に満足していた。もちろんゴールが決められないことには満足できなかったが、戦い方には満足していた。だから選手たちにはこう話した。『今はTVの解説者をやっているようなリバプールの先人たちは、0-3でCL決勝のハーフタイムを迎えてから優勝しているんだぞ』と。そのときと状況が詳細に似ているというわけではないにせよ、そうした試合にすることは可能だったし、我々はトライすべきだった」

 そして後半開始早々の3分、オリジがディフェンスラインの裏へ抜け出して、スコアを1-2とした。それまで沈黙していたアンフィールドのファンたちも、これで息を吹き返す。

 しかし、よく考えてみて欲しい。

 この時点で、アウェーゴール・ルールを考えれば、リバプールが勝つためにはさらに2点が必要な状態だった。普通のスタジアム、普通のサポーターならば、逆転に向けたムードが漂い始めるのは、せいぜい1点差になってからだろう。

 しかし、リバプールにそんな常識は当てはまらない。彼らにとって、2点というのは十分に手が届くものなのだ。


フンメルス「もっとボールを支配するべきだった」

 それでも、後半12分にドルトムントはロイスが抜け出して1-3とした。リバプールは再び、3点が必要な状況に追い込まれた。

 しかし、ドルトムントのキャプテンであるフンメルスは、試合後に後悔を口にした。

 「これは僕たちのミスだ。3点目をとったあと、僕らはもっとボールを支配するべきだったんだ。でも受身になってしまったし、集中力もアグレッシブさも欠いていた」

 そしてトゥヘルにとっても、あれだけ戦術面で規律を求めてきていながら、リードを奪ってからの戦い方について選手たちに徹底できなかったのは、致命的なミスでもあった。

 そして、ロイスのゴールで一度はトーンダウンしたリバプールのサポーターたちも、後半21分にコウチーニョのゴールが決まると、再び息を吹き返す。

 彼らには逆転劇を信じるだけの歴史と経験がある。


香川が下がった直後に決められた痛恨のゴール。

 次のゴールは、ドルトムントにとって実に嫌な形で生まれることになった。後半33分、リバプールコーナーキックのタイミングで香川が下がり、センターバックのギンターが入った。通常ならば、セットプレーのタイミングでの交代ほとんどないのだが、守備的な交代であり、高さも加わるという理由だった。ちなみに、この時点でリバプールはチャンが治療のためにピッチの外に出ており、1人少ない状態だった。

 にもかかわらず、そのCKからリバプールのゴールは生まれた。ニアサイドでそれたボールを、サコが押し込んだのだ。香川がいた時は、ニアサイドに速いボールが来ることを警戒して香川がそのスペースに入り、リバプールのCKを上手く封じていた。定石とはずれた交代をして、失点を喫したのだ。

 そして後半アディショナルタイム、試合の決着はFKだった。

 リバプールファーサイドに多くの選手を集めておいて、スタリッジがニアサイドのスペースに出てボールを受ける。スタリッジはボールのコントロールをミスしたものの、全速力で走ってきたミルナーに絶好のタイミングでパスがつながる。ドルトムントのFWオーバメヤンは、ミルナーのマークを外してしまっていた。そしてミルナーのクロスに、ファーサイドでロブレンが頭であわせた――。

 リバプールはまたしても、奇跡としか言えないような逆転劇を演じてみせたのだ。
「この戦いを説明するのは難しい。素晴らしい夜だ」

 クロップはこう話した。

「この戦いを説明するのは難しい。素晴らしい、実に素晴らしい夜だ」

 一方、ドルトムントの香川はこう振り返った。

 「彼らには歴史があり、素晴らしい選手がいる。スタジアムでもそういう雰囲気を感じました。だからこそ勝ちきりたかったし、上に行きたかった。でも、この結果は受け入れるしかないです。逆転したということは、リバプールのほうが勝っていたのかな」

 トゥヘルの最大の武器は、相手に合わせた戦いを徹底してきたからだ。リバプール戦でそれを放棄し、エモーショナルな、選手のハートに訴えかける戦いを選択したのは指揮官のミスだった。

 その原因は、彼のヨーロッパカップ戦における経験のなさだろう。

 選手としてはもちろん、指導者になってからも、ドルトムントに来るまでに欧州のカップ戦を体験したのは、マインツ時代のELプレーオフしかない(結果は敗戦)。対するリバプールには、監督のクロップも含めて、欧州カップ戦の舞台で逆転勝利をつかんだ歴史や経験があった。

リバプールのファンは、これからも逆転を信じ続ける。

 実はクロップも、2008年にドルトムントの監督になるまでのキャリアはトゥヘルと同じようなものだ。ドルトムント就任当初のクロップも、ホーム&アウェーで行なわれるヨーロッパの戦いに当初は苦しんでいた。

 クロップが欧州カップ戦に参加した'10-'11シーズンのELではグループ3位。'11-'12シーズンのCLでは、グループ最下位に終わっている。欧州カップ戦の戦いは、それほど特殊なものなのだろう。

 EL準決勝以降の戦いを経験できないのは、トゥヘルにとって悔やまれるものとなった。しかしここでの経験は彼の血となり、肉となる。ヨーロッパの舞台でのし上がっていくためには、そうやって経験を積み、歴史を作り上げていくしかないのだ。

 試合後の祝勝会が終わったあと、リバプールのキャプテンマークを巻いていたミルナーが、ロッカールームへの通路の手前でユニフォームを脱いだ。

 そして、その通路の近くの席で観戦していたファンのなかで、最も幼い少年のファンに、ユニフォームをプレゼントした。あの少年はこの試合を一生忘れることはないだろうし、逆境に立たされても、いつだって逆転劇を信じて応援を続けるだろう。

 それこそがリバプールの強みであり、歴史なのだ。

 史上まれに見るエモーショナルな試合の勝敗をわけたのは、そんな歴史と経験の差だったのだ。

(「ブンデスリーガ蹴球白書」ミムラユウスケ = 文)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160416-00825514-number-socc

17分後の本文へと続く