mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

まだ昨日のようだが、もはや帰り来ぬ青春

『小公女セーラ  花のささやき (下成 佐登子)』
私だって 泣こうと思ったら♪
声を上げて いつでも泣けるけど♪
胸の奥に この花ある限り♪
強く生きて みようと思う♪
…原作者バーネットが寒さでなく恐怖に震えるほど、ミンチン院長と料理番夫婦からイビラレといてか?
ハロウィンの時期、霧の都ロンドンは既に冬模様
屋根裏部屋でさえクソ寒いのに、馬小屋放火犯の濡れ衣着せられ、路頭に叩き出された
ラヴィニアと和解する最終回、30年後も納得行かん!
世界名作劇場は大体、放送年の1世紀前が舞台に描かれ、1985年アニメなら1885年の時代設定だ
1885年の超大金である10万ポンドをミンチン学院に寄付する=カネで顔はたいて言う事聞かすとしか思えんし~




…上段については気が向いたら、改めてネタにする予定は未定
昨日、あまりの汚宅寒さに耐えかね、遂に今冬初ストーヴを点けた時、つい小公女思い出したまで
屋根裏部屋を連想するくらい寒かったの意味じゃ




真面目な話、欧州の屋根裏部屋っちゅうのは、隙間風ビュ~ビュ~吹き込む冷凍庫らしい
アタシの汚宅なんざ豪邸と言えるほどのボロ家が登場する歌劇といえば
第一幕と第二幕がクリスマス・イヴ当日の設定であるプッチーニの♪ラ・ボエーム








パリのカルチエ・ラタンにあるボヘミアン仲間が暮らす屋根裏部屋
画家・マルチェッロと詩人・ロドルフォが火の気の無い部屋で仕事をしている
寒さに耐えかねてロドルフォが売れ残りの原稿を暖炉に入れて燃やす
こんな調子じゃ、家主のブノアが未払い家賃の催促にやって来るのは当然至極の展開
家主なんて、黒澤映画‘どん底’もそうだったが、犬小屋にさえ負ける掘っ立て小屋からカネ取る生き物だぞ
とは申せ、普段心がけヨロシク無いと、悪童どもにツケ込まれる
酔った勢いで、嫁に隠れて浮気を語ると、男のクズとばかり追い出されちまった~



 




アタシが街を歩くと皆が「別嬪さんやのぉ」と振り返る?
日本人からジャガイモちゃんと親しまれたレナータ・スコットが歌えば、皆「頭ダイジョブか?」と振り返る
…可愛いから好きで持って来たのと擁護しといて
クリスマスを祝う群集で賑わう通りにあるカフェ・モミュス
ボヘミアン仲間が、ロドルフォの彼女となったお針子ミミを交えての食事を始めた所へ
マルチェッロの元彼女、カネ持ち爺さんに囲われるムゼッタが現れ、元彼の気を引くべく歌い出す
ロドルフォがミミに「ああなったらダメだよ」とエラソーに言うけど
ミミだって火を借りるを口実に、ロドルフォ一人の部屋に行ったんだから…男って恋は盲目ねと嘲笑して
ミミの言う通り、ムゼッタはいまもマルチェッロが好きなので、爺さんからボッタクリに成功して大団円を迎える








ダンフェール門の市外との関税所前
翌年2月の寒い明け方、居酒屋の看板を描くマルチェッロに、ミミが救いを求める
ロドルフォが嫉妬深く、自分に冷たく、遂に昨夜ミミを置いて家を出たという
マルチェッロが宿屋で眠っていたロドルフォを問い詰めると、「ミミの病気が重いんだ」
自分と暮らしていては助からないので別れなくてはならないと打ち明ける
居酒屋内で働くムゼッタの奔放な嬌声に嫉妬したマルチェッロが喧嘩ふっかけて別れると並行して
ロドルフォの配慮を察したミミがロドルフォに別れを告げ、ロドルフォも彼女を労わりつつ別れの言葉を交わす
YouTubeで歌うアンジェラ・ゲオルギューロベルト・アラーニャも、円満離婚したのかしらん
彼の方は娘みたいな年齢のソプラノを娶ったしな、死別した最初の嫁が天国で呆れたかて知らんぞぉ








再び屋根裏部屋
数ヶ月後、ロドルフォとマルチェッロは以前のように暮らしている
だが二人とも別れた恋人の事が思い出されて仕事にならない
ボヘミアン仲間が持ち込んだ食料で豪華な食事モードに興じていると、ムゼッタが血相変えて現れた
カネ持ちの世話になっていたミミが、死ぬ前に一目ロドルフォに会いたいというので連れて来たと語る
ムゼッタは瀕死のミミを救うため、装飾品を売るようマルチェッロに渡し、ミミの手を温めるためのマフを取りに行く
ボヘミアン仲間も自分の古着を質に入れようと出かける
マフ以外は間に合いませんでしたがね、ま、ミミとロドルフォが二人きりで過ごせたなら良しとしましょ
ルチアーノ・パヴァロッティが歌えば、「そんだけ脂肪蓄えてるんやったら、ミミに分けたれ」のツッコミ入れるけど
ついでに書くと、英語のジョークに、「テナーが自己中を示す役柄は?」「ロドルフォ」というのがある
幕切れ、「ミミ~」と絶叫するからよ(英語の「Me」を連発してみろ、日本の小学生でも意味わかるわな)




恋物語といえば悲恋物語ながら
いまどきのオトコどもの目には、奔放なムゼッタのみならず、清純派とされるミミも嫌な感じ?
ロドルフォには薬代も出せない肺病とはいえ、カネ持ち男の囲われ者になるからね
19世紀頃には珍しい話じゃなく、それがむしろ当たり前に近かった
地方から出て来て自立する娘といえど、街で珈琲1杯飲むにもパトロン要るほどその日暮らしが精一杯
ロドルフォに近づいたのも、二人口は過ごせるが一人口は過ごせぬ、これなら貧乏共稼ぎ認められるの極致
若いからと笑ってばかりでは過ごせない青春群像劇なのよね




原作となったアンリ・ミュルジェールの小説・戯曲‘ボヘミアン生活の情景’(1849年)
ここでは、ミミの死後1年くらい経った頃までが描かれる
ロドルフォとマルチェッロに相当する青年たちはいずれも、各々分野で華々しく社会に乗り出した
マルチェッロはある日、ロドルフォに、ムゼッタが他の男と結婚すると告げる
ムゼッタはボヘミアン最後の夜を過ごすため、マルチェッロの部屋を訪れたという
マルチェッロは悲しい思いを詩にして口ずさみ始めた
「ではさようなら。最後の恋と一緒に死んだ、愛する女よ
僕たちの青春は古い暦の、奥底に埋められてしまったのだ
思い出が失楽園の鍵を、取り戻してくれたといっても、もう、過ぎ去った日々の、灰を掻き分ける事なのだ」
ロドルフォが慰め、今夜は昔よく通った安い料理屋に行って食事を取ろうと提案すると、マルチェッロは
「僕はそうしたくない
過去を振り返ってみる事には僕も賛成したい
だが、僕は生一本の葡萄酒の壜を通して、いい安楽椅子に座って過去を見つめてみたい
君はどう思う。僕は堕落者だ。僕はもう善い物しか好まない」




…メリクリと騒いだり、クリぼっちと嘆いたり、現代ニッポンへの嫌がらせ記事だよ
薄給なりに社会で仕事を持ち、鼠園遊びに浮かれ、好いたハレた腫れた別れたの「次行こ、次」
年を取ってもジジババなりの青春時代は迎えられるが、脳ミソが青春時代と決別してからの相談である
青春時代が夢なんて 後からホノボノ想うもの 青春の真ん中は 道に迷っているばかり 胸にトゲ刺す事ばかり♪
森田公一とトップギャランも歌っているように、大学卒業までの半年のうちに答えを出せ
「どう多く見積もっても、お肌の曲がり角である25歳までに青春卒業すべしと、そんな説教出来る倅を生んでや」
今夜、聖母様にお歳暮贈ってお願いしとくわ~




記事題名は↓より








BBA化するエルトン・ジョンが確か男であったを思い出せたのも、帰り来ぬ青春???
Elton John - Friends (1971) With Lyrics !