mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

昼の奴隷と夜に捧げられた者

昨日、釣った魚に餌付けしに行き、厄落としとばかり、昭和町MARCELへ
厄は去ったものの、寒風吹きさらす結果、風邪ひきかけ
誰も介護してくれないし、薬なんて買い置きしてないので、布団にもぐり込んだ




薬?(ガバッと起き上がる)




Tristan und Isoldeのund 、『の』と『と』の抹殺について語れるほど、アタシゃ知的に作られとらんため省略する
ただし一つ、ワーグナー師匠格と意見一致した点の備忘録…
Liebestodが、『愛の死』でなく、『愛という死』『死という愛』であり、『愛死』が一番近いかはさておき
トリスタンとイゾルデの世界って、西欧的でなく、日本的である点
これまたアタシにゃ詳しい説明が難しいので一行で書くと、「近松心中に通じる世界やぞ」




記事題名使い回したウェブり休憩所よりの内容、まだまだ続く




ゾルデはマルケ王の嫁になる前に、トリスタンと一緒に死んじゃえと
侍女ブランゲーネに言い付け、毒薬を用意させるも
侍女が姫様の言い付けに背き、愛の妙薬を用意した顛末として、道ならぬ恋に身も心も燃やす日々となった
極端な話、愛の妙薬でなく、ただの水飲んでも成立した話だけどね
愛の妙薬が実在しなくたって、勝手に盛り上がった展開なのよ
死んだと思えば恐れるもの無し、そりゃ何でも言い合い、ラブラブ状態最高潮だってば
そうでしょ?
毒薬云々って、イゾルデの婚約者がトリスタンに殺された怨みによるものじゃない
深傷負うトリスタンを介抱してやり、お互い惚れ合った
しかし彼は彼女を、彼の伯父さんであるマルケ王の妻に勧めた
彼がゴチャゴチャ逃げようとし、彼女怒らせたりするからよ




とにかく、トリスタンとイゾルデは、夜の逢い引きにいそしむ日々となった
もはや逃げ場無く、はよ死にたいわ~
昼の世界は鬱陶しいんじゃと、夜闇の隠す甘い陶酔へ走るわけよ
トリスタンの方は、王さんに知られた際、逢い引きを王さんに密告した友人メロートの剣に自ら身を投げるほどだ
泣かせると思わん?
真っ昼間からラブホにしけ込んだり、婚外恋愛と綺麗に換言して爛れた関係をブログに嬉々と書き綴ったり
いずれは悪事がバレ、慰謝料と親権を取り上げられるのに
オマエら命賭ける覚悟出来とるんかいのアホンダラ多い現代某島国を見ればね




女(男も)が見た目やデータの枠組みに完全一致しないように
太陽と月もまた、自然の昼と夜に分かれて働くとも限らない
明るい太陽が欺瞞であり、夜の世界が真実もあり得るという事よ
『(HD) Wagner- Tristan und Isolde Act 3 "Liebestod"』
山本耀司が衣装担当した、1993年にバイロイト音楽祭で新制作されたハイナー・ミュラー演出ね
ゾルデ本当に死んだのやら曖昧で、昼の世界へと連れ戻されるという気がする




…薬どーのと考え、ガバッと起き上がり、ワーグナー語ろうとした理由?
ガバッと起き上がったのは、TVのスイッチ入れるためであった





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バイロイト音楽祭2015  楽劇♪トリスタンとイゾルデ

トリスタン:スティーヴン・グールド
ゾルデ:エヴェリン・ヘルリツィウス
国王マルケ:ゲオルク・ツェッペンフェルト
クルヴェナール:イアン・パターソン
メロート:ライムント・ノルテ
ブランゲーネ:クリスタ・マイア
牧童/若い水夫:タンセル・アクゼイベク
舵取り:カイ・シュティーファーマン
 
合唱:バイロイト祝祭合唱団
合唱指揮:エバーハルト・フリードリヒ
管弦楽バイロイト祝祭管弦楽団
指揮:クリスティアンティーレマン
美術:フランク・フィリップ・シュレスマン、マティアス・リッパート
衣装:トーマス・カイザー
照明:ラインハルト・トラウプ
演出:カタリーナ・ワーグナー
 
(2015年8月7日、ドイツ、バイロイト祝祭大劇場)




http://www.sponichi.co.jp/entertainment/classic_concierge/2015/336/index.html
作曲家の曾孫娘カタリーナ・ワーグナー
異母姉エーファ=パスキエ・ワーグナーとは30歳以上年齢離れるため、どお見たって娘は余計なお世話として
2007年新演出♪ニュルンベルクのマイスタージンガーに続く、♪トリスタンとイゾルデが新制作上演された
マイスタージンガーは、親父ヴォルフガング存命中の次世代お披露目みたいなもの
挑発的な舞台が一部の観客からブーイングを浴び、批評家やマスコミの間でも物議を醸したのはご愛嬌として
トリスタンが、バイロイトに於ける最初の本格的評価対象演出となる




…ただでさえ理解力低下してる昨今のアタシゃ、クシャミ連発する状態じゃ、カタリーナ演出は意味不明に近い
第一幕、トリスタンとイゾルデが惚れ薬を飲むクライマックスで、飲まずに捨てるのは興味深いね
Liebestod歌い終わったイゾルデが、王さんに腕引っ張られ、舞台奥へ消えて行ったしさ




歌手陣は頭抜けた存在いない代わり、出来の凸凹も見られず良かったんじゃないの
題名役の二人とマルケだけ書くと




英語圏ワーグナー・テナー見ると大抵が白熊に見え、スティーヴン・グールドもそう
声質は見た目と対照的に柔らかく、第三幕の長丁場をようまァ破綻無く乗り切れるもんだわ
トリスタンは20分ばかり遺体として舞台に残らねばならないので、ホントお疲れ様どした




白熊と比較するなの男前であるゲオルク・ツェッペンフェルト
マルケを過去観て聴いた中で一番若々しい気がする
カール・ベーム指揮盤のマルッティ・タルヴェラ、見た目はフィンランドの白熊ながら明るい声質を思い出した
寝取られ亭主が辛気臭い爺さんでなく、若くて男前だと、妙に生々しい話となる
その点に異和感受けるも、ま、気長に見守りましょ(男前に弱いんだから仕方あるめえ)




エヴェリン・ヘルリツィウス、彼女に異和感受ける人って、トシヨリですか?
ワーグナー・ソプラノいうたら、縦横ともに大柄、大声量の女丈夫を想起する世代よ
旧東ドイツ出身歌手に見られる、団子をノドに詰めたような発声はともかく、かなり小柄だもの
昨年秋、新国立劇場♪パルシファルのクンドリ聴いた時にも思ったけど
ユルゲン・フリム演出のミレニアム・リングでブリュンヒルデ歌ってた2000年代前半と比較すると
声楽的ピークである40歳前後の昔より、52歳の現在が安定してると思うよ
よくよく考えてみれば、イゾルデは年齢的には小娘であり
アップになると厳しいものの、童顔のイゾルデそう悪くないしね
ちょっくらバイロイトのサイト覗いたら、来年は登場しないのが残念
Petra Lang?メゾ・ソプラノ時代しか印象無いが、安定した低音域求められるイゾルデにはいい?
微に入り細に入り要求出る現代演出に対応出来るだけの演技力も持つか
ただ女優とダンサーの訓練受けたヘルリツィウスの後では、影薄くなりそう~
初年度の映像観られてラッキーいう事ね




…アカン、このままだと、本格的に風邪ひく(放送終了後の早朝に、時間指定投稿した)
当記事題名は自分の事指すんかいというほど、ウサギ畑でつかまえてみろの
midnight dribblerも
宵っ張りにメッキリ弱くなったらしいので、本日がユウウツな月曜日でなくたって一日寝込むわ
個人的にクリスティアンティーレマンの指揮って、催眠効果抜群の偽薬なのよね



Isolde: Johanna Meier





二人のMeierペタリ




1981年初演、1983年映像収録された、ジャン=ピエール・ポネルバイロイト演出
歌手入れ替わった後期にブランゲーネ歌ってたのが、30歳そこそこの若さだったWaltraudおねえさん
「当時イゾルデなんて、遥か彼方の役柄でしたわ」
数年後にミュラー演出で歌ったから、視野には入ってたの?
1993年には37歳と、声楽的ピーク迎える時期であり、時機見極める目が正しかったわけだ
それから22年、この夏イゾルデ歌い納めしたんだっけか、光陰矢の如しでございます(物想ひの秋シミジミ)