mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

Guess Who's Coming ? ~新風を受け入れる真の多様性~

1930年代の上海辺りとベートヴェンの♪フィデリオが交錯する摩訶不思議な夢を見た
起きたら今度は、1967年米国映画と1989年仏蘭西映画を立て続けに思い出した
映画の方を備忘録する形で頭の整理する。2本とも扱うので、今日もひたすら長い記事許してちょんまげ




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サンフランシスコ空港で飛行機から降り、タクシーに乗った若いカップルが、人目をひいた。だが、人々のぶしつけな視線など気にしないかのように、黒人青年と白人女性は親しげに語り合っていた。青年はジョン(シドニー・ポワチエ)といい、世界的に著名な医師。女性の名はジョーイ・ドレイトン(キャサリン・ホートン)。2人はハワイで知り合い、互いに愛し合う間柄となったのである。ジョーイの母クリスティ(キャサリン・ヘップバーン)は、娘の婚約者が黒人であることを知り、驚いたが、娘の嬉々とした様子に、動揺は次第に喜びに変わっていった。だが、父のマット(スペンサー・トレイシー)は、そうはいかなかった。新聞社を経営し、人種差別と闘ってきたマットも、自分の娘のこととなれば、話はちがってくるのだ。ジョンは、学界でも有数な人物であり、近くジュネーブの大学院に迎えられることになっているということは、マットも知ってはいるのだが、黒人と白人との結婚には、想像を絶する困難がある。結婚を許しながらもマットは割り切れなかった。ジョンのジュネーブ行きの時間が迫っており、2人はその前に、互いに両親の了解を得たがっていた。息子の見送りと嫁に会うた め、ジョンの両親プレンティス夫妻が空港に着き、ジョーイは出迎えたが、夫妻は嫁が白人であることを知り愕然とした。やがて、夕食の時が訪れた。ジョンとジョーイ、ドレイトン夫妻、プレンティス夫妻。そしてドレイトン夫妻の友人であるライアン神父。母親同士は結婚には賛成だったが、父親同士は反対し、とく に、マットは頑固だった。だが、そのマットも、若い2人のどんな困難にも立ち向かおうとする真剣さとその情熱に、かつての自分の青春を見、その尊さに気づき、2人の結婚を認めた。一同はそろって、夕食の席に着くのだった。

( Movie Walker:招かれざる客より引用 )






ちなみに、二人のキャサリン、ヘプバーンとホートン、実生活では叔母と姪の関係ざます
大女優である叔母さんが姪の女優デビューを案じ、「姪を何卒宜しくお願い致します」、頭下げて歩いたそうな
…頭下げたら、スペンサー・トレイシーよか身長低くなって、爺さんには都合ヨカッタんじゃないの?
初めて撮影所で顔を合わせた際、キャサリンが「ワタシより背が低いみたいね」と漏らすと
トレイシーは「心配いらね。ボクの身長に合わせてキミを切っちゃうから」と答えたという(彼は165センチ程度)
ノミのカップルでも、9作品で共演し、彼女が彼の最期を看取った(招かれざる客当時、彼の死期近づいていた)
カトリック教徒でおいそれと離婚出来ない嫁公認の関係ってんだから、ブッサイクだろうが果報者だね~




公開当時の米国評を読むと、黒人層から不評受けた模様
「世界的な肩書を得てまで、白人と結婚したいと思わない」
「これだけ立派な黒人が、あんなアホな白人娘に惚れるわけねーだろ」
ハワイの海岸で彼女がノンビリの前に、黒い影に一瞬「キャ~(怖)」、気を取り直すとイケメンに「キャ~♪☆」
知り合って10日ほど、結婚への障害を現実的に理解している彼を押し切る格好での婚約
「取り敢えず、向こう10年間の洋服着替えあれば十分よ~」なんて、向こう見ず
母親が娘の結婚に戸惑った理由には恐らく、「こんな軽い娘で?」もあったかと思われる
ドレイトン家の黒人家政婦が同胞に、「アンタ、お嬢様を騙くらかす気?」と疑いの目わからんでもない
ジョーイ自身は無邪気ながら、結局、白人が主導権握る。それを、黒人観客が感じ取ったよう




異人種間結婚って現実には、当記事にTBした過去記事のような厳しいもの
ハリー・ベリーの白人ママが娘のオスカー受賞を見て、客席で涙ぐんでたけど
娘が4歳の時DVアル中亭主と離婚後、母子家庭というより黒人との結婚離婚が原因で苦労報われたからでしょ
黒人と結婚したのはあくまで、自身の選択。何が離婚の原因であれ、社会的には負け犬を受け入れるしかない
負け犬を受け入れた後に、勝ち組とされる者以上に優れているかを示せばいい
「胸を張って負け犬になれない者は、勝者にもなれない」
ママが娘に言って聞かせた言葉、某ブログ管理人に聞かせてやりたいわ
女手一つの根性買うとかの理由でシンママ雇用する企業増えたを高評価し
「結婚を否定しないものの、我々は若い頃より一般主婦より覚悟出来てるのよね」と上から目線
育児の大原則は、男女共同。一人親は二の次、社会の規範に絶対なれない存在である
シングルマザー(ファーザー)の存在は許されるが事情次第、果たして勝ち組かは別の問題ですが?
と書けば、アタシがこの後何言いたいか説明までもあるまい




‘招かれざる客’公開から約半世紀、ジョンとジョーイは金婚式迎えられる穏やかな結婚生活を?
ジョンを演じたシドニー・ポワティエは、来年、再婚40周年を迎える
1969年の‘失われた男’で共演した、カナダ美女のジョアンナ・シムカスが現夫人
1950年に結婚、4人の娘もうけた前夫人(黒人)と1965年に離婚後であるものの
糟糠の妻捨てて白人娘に走ったと取る向きがいて、また、異人種間結婚への偏見が強い時代であったので
ジョアンナは一度求婚断り、その上で、女優引退して未婚の母となった数年後の
困難辛苦乗り越えた、涙無くしてはの感動的な結婚式を迎えた結末の方が、映画より深み感じられる




とはいえ、教えて!goo回答にある
「その人は 招かれざる客- 
けれど 私の愛した ただ一人のひと
世の中には何がよくて何が悪いか、あるいは何が正しくて、何が正しくないか判断に困ることが多い。
よかれと思って努力したことが、悪い結果を生んだり、
あるいは“瓢箪から駒”さながらに思わぬことが善につながったりする。
複雑な自然の仕組みに人が手を加えたとき、このようなことが起こりがちである。」
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1605165.html
ジョンとジョーイが早くに破鏡を見ても、結婚続いてるものの苦労も続いているにしても
夫婦お互い、後悔は生まれないんじゃないかと




何、男女の黒白逆転映画無いのかって?




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ジュリエット(フィルミーヌ・リシャール)は大手乳製品会社の深夜掃除婦として父親の違う5人の子供を育てている45歳の黒人女性。彼女はある日、ひょんなことからその会社の社長である35歳の白人ロミュアルド(ダニエル・オートゥイユ)を、家族の住む手狭で小汚いアパートに匿まうことになってしまう。彼はクロケ(マキシム・ルルー)とブラシュ(ピエール・ヴェルニエ)の重役2人の背信行為の罠にかかり、警察から嫌疑をかけられていたのだ。彼らにとって透明人間的存在のジュリエットは、いち早くそれらの陰謀を知り、以前ロミュアルドに何が起きているのか、それとなく警告していた。それがきっかけとなってジュリエットはロミュアルドに隠れ家として我が家を提供することになるのだが、2人は事件の解決のために強力な友情の絆を育み、一方ロミュアルドはジュリエットの子供たちと親密な関係を結んだ。東奔西走するジュリエットの活躍のおかげで、やがてロミュアルドの無実が証明され、2人はまた元の生活に戻ってゆく。そんなある日、ジュリエットの長男エメ(サンブー・タチ)が麻薬密売の容疑で逮捕される事件が起きる。思案の挙句ジュリエットはロミュアルドの会社に相談に行くが、あいにく彼はニューヨークに出張中で、結局なすすべのないまま、エメは1年の実刑判決を言い渡されてしまう。やがてニューヨークから戻ったロミュアルドは、妻と副社長の浮気を知り、その時ようやくジュリエットへの愛に気づき、結婚を申し込む。しかしジュリエットは今さら男のことで苦労するつもりはなく、まして何不自由なく暮らしてきた人の気持ちさえ理解できない白人の御曹司なんて、と申し込みを断る。ロミュアルドはジュリエットの心を射止めるために、エメを刑務所から釈放させたり、子供たちの送り迎えをしたり、また大きな花束を送ったりして、必死で口説きまくる。やがてジュリエットも、ロ ミュアルドの本当の気持ちに気付き、ある朝2人は結婚する。ジュリエットのお腹の中には、6人目の赤ちゃんの徴候が現われ始めていた。

( Movie Walker:ロミュアルドとジュリエットより引用 )






この映画のキャッチコピー、「ジュリエット、僕の愛を掃かないでおくれ」だっけ?




監督は、女性のコリーヌ・セロー
‘赤ちゃんに乾杯!’(1985年)が高評価受けた2年後、米国版‘スリーメン&ベビー’のメガホン取るに招聘された
ハリウッドと意見合わず降りたが、滞米時の経験が、ロミュアルドとジュリエットに活かされたとの事
滞米時の経験の具体的な内容は不明であるが、どうやら人種差別問題に起因するらしい
ロミュアルドの会社、白人社会にとって掃除婦それも黒人女性なんて、透明人間的存在のジュリエットとはいえ
社長がまさか掃除婦に惚れてると想像つかないとはいえ
ジュリエットが長男エメ逮捕の件でロミュアルドに相談行くと
一緒に連れて行った末っ子が、社長秘書見て「感じワルイ~」がその通りを通り越し
秘書の権限超える、訪問者から社長への伝言を握り潰した上、受付の警備員怒鳴りつけた結果
ジュリエットが再訪したら門前払いのため、ロミュアルドとの連絡手段絶たれ、エメ万事休すとなってしまい
「勝手な真似するな。他人の人生を破滅させやがって。いますぐ事務所で給料を受け取り、出て行け」
ロミュアルドが秘書に激怒する場面が、そうだと思われる
米国生まれの黒いヴィーナスを愛でた、黒人文化(異文化)礼讃の伝統も誇る一方では
昨今の情勢見ての通り、何が自由・平等・博愛じゃいとツッコミ所満載のフランスもまた
米国と大差無い人種問題抱えてるんだよとも言いたかったのかね




男性の名前に、Romuald。これ何度見たかて笑える
一般ニッポン人から見れば、ロミオとジュリエット、禁断の恋からでしょとなる
フランスの一応は国教であるカトリックから見れば、聖ロムアルド大修道院長からでしょとなる
親族の罪科に悩み、贖罪果たすべく、茨の道を選んだ者守護聖人
6月19日生まれのアナタ、誕生日には大修道院長の御加護に平伏せよ
院長様が強い慈悲と自己犠牲の持ち主だからって、懺悔すりゃ禊済んだみたいに甘えるんじゃねえぞ




映画のロミュアルドは妻と離婚進める席で、「何も要らない」と慰謝料要求せず子供たちの親権も妻に渡すという
「貴方が被害者でしょ」と人は好い妻が恐縮するも、ロミュアルドは「目が見えなくなっていたんだよ」
何不自由なく暮らしてきた人の気持ちさえ理解出来ない白人の御曹司
ジュリエットおばさんの世話になる間も、おいおい居候の身で上げ膳据え膳かよ
朝一番に洗面所占領したら、子供たちが学校遅刻しちまうわ
わかるわけねか。自分ちの子供たちは、高級アパルトマン自室内の洗面所で身支度出来るもんな
エメとの場面に、本質的には優しい面が現れてるけどね
ジュリエットはバツ5の強者であるが、どっかの国のシンママと違って、子供たちの情操に人一倍気を遣う
子供たちの誕生日を単独で祝うと、子供によっては父親がやって来ず、不公平が生まれる
年一度、『夫の日』を設け、元亭主5人勢揃いさせるわけ
しかし、男の子が母親でなく父親を必要とする思春期にあるエメの父親だけが、夫の日にすら姿見せないせいで
それぞれの父親と楽しそうな弟妹から離れ、一人ションボリするエメに、ロミュアルドがウォークマン買ってやり
グスングスン泣き出すエメを抱き寄せ慰めるのよ、Aimée(愛される)を意味する名前持つ子をね




それでもロミュアルドが、ジュリエットとその子供たちを無意識のうちに利用して振り回したのは事実であった
自分の愚に気づいた時、初めて謙虚になれ自己と向き合い、人を愛せる自分を見出した
エメを釈放させる他、ジュリエットの家事を楽にする最新機種の洗濯機贈ったり、カネ持ちの強みも当然あるが
ジュリエットの心射止めるべく、子供たちを取り込んで外堀埋めるのは子持ち狙いには賢明ね




結婚式に5人勢揃いするジュリエットの元亭主どもの方がロミュアルドより男前じゃんは置いといて
結婚後、皆でガーデンパーティーする場面、元嫁と現嫁が同じくらい腹ボテ笑えるも置いといて
黒白兄妹になったエメとロミュアルド長女、イイ雰囲気ね、アナタ方も将来?と邪推して




ジュリエットが自分の安アパルトマン持っとく上での、新居に移る日
「え?子供出来たの?名前どーする?」(亭主)
「キャラメル」(嫁)
亭主がウッヒャ~♪の表情で嫁に抱きつき、嫁もお互い様のウッヒャ~♪
キャラメルって、ロミュアルドとジュリエットそれぞれの魅力を混ぜマゼした色
つまり、両極端の位置にいる者同士が、互いに歩み寄り、新しい価値観を生み出すわけよ