mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

Meeting Venus~聖なる舞台裏では、俗なる人間模様~

いまの小中高学生って、12月20日には、2学期終わってるんだっけ?
24日クリスマイヴに終業式でないと気持ち悪い~と絶叫している真っ最中
世俗の野郎ってホント女見る目無いわねと、年女イヤー終業式をもって行く年を惜しむ1966年丙午生まれは
来る年2015年、40代最後嫌~と始終苦しむのは世俗の49歳に任せ、50歳が待ち遠しいオトナの余裕で過ごす
てな具合に、何かと意味不明にトシヨリ臭くなりつつのmathichenさんです




mathichenさんから借金中のワーグナー師匠格曰く、冬休み前半の楽しみといえば、NHK-FMだったとの事
年末恒例のバイロイト音楽祭特集を聴く
現代では夜の9時(9時10分の日もある)に開幕するが、昔々は真っ昼間に放送されていたそうな
往時の案内役は、作曲家、音楽評論家、音楽学者の柴田南雄氏?
学生時代もウン十年後も素寒貧にとって、電気代さえ払えれば、FMが一番安上がりな音楽ソース、それは同じ
バイロイト現地から衛星生中継される時代来るとは、夢にも思わんかったぞ」
カネと一緒にBS録画VHS貸してやった時の感想である




ちなみに、mathichenさんが最初にバイロイト放送を聴いたのは、1988年
一部ながら♪ワルキューレ、という事は、ハリー・クプファー演出初年度、ヴォータン役はジョン・トムリンソン
1976年登場のパトリス・シェロー演出が、初めて観た♪ニ-ベルングの指環で、次が、クプファー演出
ワルキューレだけ、その逆だったのねと、ボケ老人なった時のために備忘録しとこっと
誰も介護してくれない孤独死決定事項にゃ、ブログが生存証明や遺言状なのよ




今年2014年のバイロイト特集、明日21日から27日まで放送される
ワーグナーは相変わらず好きなのでそれなりに聴くものの、聖地の小粒化に溜め息が出るここ数年
正直な感想、年を追うごとに、興味が薄れて行くわ
例えば、同じ34歳の歌手でも、昔は一人前、現代は半人前
円熟期を迎えたワーグナー歌手による、ワーグナー芸術の新たなる実験工房であるべきなのに
給料払って養成する未知数のガキンチョを聴かせ、客から高いカネ取るっぽい印象受けるのがねぇ
演出家も自己陶酔型というか、ブーイング織り込み済み的だと、「所詮、議論から逃げる青二才だろぉ~」
バイロイト以外でなら我慢出来るが、バイロイト故に殺意覚える近年となっている
従って、少なくとも明日の♪タンホイザー、BS録画で観たし、聴くの止そうかしらん
Tannhäuser Bayreuth 2014
舞台が、リサイクル工場?(他の劇場では、初演失敗後にお蔵入りするであろう、ケッタイな舞台装置)
快楽の女神ヴェーヌスが、妊婦?(という設定抜きに、歌手がズングリ系だったかも)
まァ良かった歌手陣に対し、演出がワケわかめに脳出血起こしかけたもんでさ~




不穏な空気漂う♪タンホイザー上演、か…





パリ初演

1861年ナポレオン3世の招きによって実現したパリでの初演はオペラ史上最も大失敗を引き起こしたものとして知られる。ワーグナーは2年前の1859年9月にパリに引っ越して住んでおり、目的は『トリスタンとイゾルデ』の主役を歌える歌手を探すために転居したものだった。1860年1月から2月にかけて、パリのイタリア座で行われた自作の演奏会を開催し、『さまよえるオランダ人』の序曲や『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲などを披露し た。この演奏会で多くの芸術家たちから支持を集めたが、新聞などからは敵視され、加えて同地で自作のオペラを上演することを切望していたワーグナーは、こ の新聞批評によって望みが失われたことにひどく落胆したといわれる。 その最中、ナポレオン3世から『タンホイザー』をオペラ座で上演するように勅命が降り、この思いもしない事態にワーグナーはそれに応えるべく矢継ぎ早にオペラの添削に着手した。この勅命が下りた理由にはオーストリア大使のパウリーネ・メッテルニヒ伯爵夫人によるものとされている。夫人はワーグナーの崇拝者であり、パリ上演のために口添えをしたことが下りたことに繋がったといわれる。ただしそれは「外交戦略」の一つとしてであった。

「パリ版」の改訂を終えたのは1861年1月のことで、上演のためのリハーサルは164回にわたって行われたと伝えられる。3月13日にナポレオン3世の臨席のもと初演を迎えた。だがオペラ座の予約観劇者で会員でもあるジョッキークラブの若い貴族の面々は、かつてバレエの挿入を要求した際に拒否されたことに対するワーグナーの態度に激怒していて、公演を妨害しようと企み、大きな嘲笑や怒号を行った。これにより初日の公演は収集がつかない状態に至った。 2回目(3月15日)と3回目(3月25日)から徐々にエスカレートしていき、ジョッキークラブの貴族たちは仲間を呼び寄せて、ラッパや狩笛、鞭などを持ち出して妨害工作を行い、喧騒をきわめた末、公演が続行できない事態にまで発展した。

この事態を知ったワーグナーは支配人に書簡で、自らの取った態度と習慣に従わなかったことの非を認め、『タンホイザー』の公演を撤回するに至った。

Wikipedia:『タンホイザー』より引用 )





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主に藤原歌劇団の歌手として活躍したバリトン歌手、竹原正三氏(2006年2月に78歳で亡くなった)
1964年以来、パリ在住、当地のオペラ通信記事を‘音楽現代’などへ寄稿し続けた
パリ・オペラ座~フランス音楽史を飾る栄光と変遷~’(1994年・芸術現代社刊行)
オペラ座史と合わせ、1960年代後半から1990年代前半まで、オペラ座の演目を鑑賞し続けた記録
パレ・ガルニエ(旧オペラ座)、オペラ・バスティーユ(新オペラ座)の双方に通じ、資料としての価値大である




1983-1984シーズン記録に、♪タンホイザー上演
この件が、メッチャ笑える








イシュトヴァーン・サボー監督の‘ミーティング・ヴィーナス’(1991年)
パリのオペラ座を舞台に、指揮者と歌手の恋と、♪タンホイザーが上演されるまでの舞台裏を描いたドラマ
タンホイザー上演シーンに於いて、歌唱・演奏担当者は以下のように振り分けられたものが用いられた
また、英国の作曲家デーヴィッド・ベッドフォードが映画のためにアレンジした個所もある
エリーザベト:キリ・テ・カナワ
タンホイザー:ルネ・コロ
ヴェーヌス:ヴァルトラウト・マイアー
ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ:ホーカン・ハーゲゴール
演奏:フィルハーモニア管弦楽団
指揮:マレク・ヤノフスキ
グレン・クローズから、キリさんの声が出る、と考えるだけで頭に虫湧くは置いといて
グレン・クローズ=‘危険な情事’に於いて、不倫相手の娘の飼うウサギを鍋で煮ちゃった鬼女)
Fatal attraction- won't be ignored and rabbit stew




姓が名より先に来るハンガリー人のため、サボー・イシュトヴァーンと表記すべき監督は
1981年、‘メフィスト’が第34回カンヌ国際映画祭脚本賞国際映画批評家連盟賞を受賞
2年連続の外国語映画賞へのノミネートとなった第54回アカデミー賞で同賞受賞も果たした
サボー監督のオペラ演出歴は不明ながら、国際的知名度上がったおかげ様なのやらの抜擢により
1984年6月26日からパレ・ガルニエで上演される♪タンホイザーの演出を任された




ところが、♪タンホイザーにとってパリはやっぱ鬼門なのね、トラブル続出~
折から行われていた新しい労働協約交渉がこじれ、バレエ団とオーケストラがスト突入したため
タンホイザーは初めの4回の公演が流れてしまった上に
この間、6月30日には、指揮するはずだった、クリストフ・フォン・ドオホナーニが癇癪玉を破裂させ
職場放棄してトンズラかます事態に陥り、劇場が大慌てで代役探し始める惨状を呈した
どうにか見つかった代役は、後年、NHK交響楽団定期公演を指揮した、ウーヴェ・ムント
1948年当時には、ゲルゼンキルヒェン音楽監督という、ドルトムント宿敵の炭鉱町に相応しい無名の存在
七夕の夜、7月7日よりぶっつけ本番で臨み、遅ればせながら崇高なるドイツ芸術舞台の幕は上がった




演出がサボー、舞台装置が造形美術家のヴィクトール・ヴァザレリーという異色の組み合わせが話題の舞台
蓋を開けてみたら、舞台は劇とは関係なく、ヴァザレリーの独特な作品を何点か展示したもので
傾いて幻覚を覚えさす、多数が入れ子になった、幾何学的四辺形を置いた、視力悪い者には不親切な舞台
ただ劇への貢献度としては、そのフォルムよりオレンジがかった赤がヴェーヌスベルク(快楽の園)を始めに
黄緑が春、冷たい灰色がヴァルトブルク(世俗の城)、薄暗い褐色が秋を表し、色彩的に効果を発揮した




しかし、サボーの演出は、極端なまでに伝統主義
アクションのリズムが非常に扇情的だったり、現代社会の難民を表す巡礼を舞台に凝立させたり
巡礼がどう見ても、Wagner - Siegfried's Death and Funeral March 、こんな感じでしょね
シェロー版♪神々の黄昏からのパクリだったので
全体として、「老婦人がミニスカートを履いて若返ったと思い込んでいるのと同じ」と酷評されたそうな
…往年のアイドル大場久美子が54歳にしてビキニ姿と、イイ勝負???




歌手は総じて好評だった
ニューヨークMETのオットー・シェンク演出でも題名役を歌ったリチャード・キャシリー
顔はイマイチ冴えんけど?素敵なニュアンスと崇高さをもって演唱
カラヤンのお気に入りの一人だった、美女アンナ・トモワ=シントウも、真情のこもったエリーザベトを演唱
ただこの人ブルガリア人だから、東欧系に付き物のヴィヴラートはどんだけ?許容範囲だったの?
待てよ、ヴィヴラートどーたら言い出したら…
ヴォルフラム役のミラー・ラヨシュ(ハンガリー人)、ヴェーヌス役のエヴァ・ランドヴァー(チェコ人)もか~
何はともあれ、歌手陣が救った舞台であったよう




駄菓子歌詞だ…




サボー監督はこの時の経験を基に、オペラの内幕映画‘ミーティング・ヴィーナス’を撮ったのよね
となると…mathichenさん恒例の邪推モードに切り替わる




スウェーデンから招かれた世界的に有名な歌手カーリン・アンダーソンも到着するが、
東側の国から来た無名の指揮者になど全く相手にしようともしない。」
「はじめはそっけない態度をとっていたカーリンもサントーの音楽に対するひたむきさに打たれ、
彼と共にオペラを成功させることに情熱を燃やすようになり、
いつしか二人は思いもかけなかった恋におちるのだった。」




上段を、パレ・ガルニエ舞台裏に当てはめると、トモワ=シントウとムントが出来ちゃったように取れる
が、「東側の国から来た」を、男女逆にしたら、サボーが美女とよろしくやったとも取れる
サント役のニエル・アレストリュプと見比べると…同系統の顔でしょ
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=slv1-ff2tbtop&p=Istv%C3%A1n+Szab%C3%B3
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=slv1-ff2tbtop&p=Niels+Arestrup
演出家がコッソリ美味しい所取り、公表という後始末は無名に転嫁しといたと思うの、mathichenさんだけ???