mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

目標:『ボロは着てても心は錦』

イングランド】なぜリバプールの成績はここまで悲惨なのか
webスポルティーバ 8月26日(日)16時42分配信
 
サイモン・クーパーフットボール・オンライン】今季のプレミアを占う(前編)

 「フットボールはデータに乗っ取られたね」。リバプールのウィンガー、スチュワート・ダウニングは、ユーロ2012の期間中にそう嘆いた。誰かがダウニングに嫌な数字を突きつけたのだ。昨シーズンの彼は、アシストがゼロ、ゴールもゼロ。この情けない数字はリバプールの悲惨なシーズン(エバートンより下の8位だった)と、フットボール・ディレクターのダミアン・コモリの辞任に結びついた移籍市場での失敗を象徴しているかに見えた。

 だが、ダウニングは黙っていなかった。「アシストがゼロ? 僕はいつだってチャンスをつくっている。ただ、チームがそのチャンスを決めきれない。運が悪いだけだよ」。フットボールのデータ解析システム「オプタ」によると、ダウニングの言い分は正しいように思える。昨シーズンのリーグ戦でダウニングは55回のシュートチャンスをつくったが、1度も得点に結びついていない。

 この数字を知っていれば、昨シーズンのリバプールを別の視点から見ることができるし、今後にもっと希望を持つこともできそうだ。事実、プレミアリーグ全チームのなかで、リバプールは今シーズンに最も巻き返しを期待できそうなクラブだ。リーグ制覇は無理だが、そこそこの逆襲は果たせるはずだ。

 クラブのリーグ順位を予測するのに最も役立つ数字は、選手年俸の総額だ。『サッカーノミクス』(邦訳『「ジャパン」はなぜ負けるのか──経済学が解明するサッカーの不条理』NHK出版)を僕と一緒に書いたスポーツ経済学者のステファン・シマンスキーが言うように、フットボールではたいていの場合、選手年俸が最高のクラブが優勝し、最低のクラブが最下位になる。それはフットボール選手が、なんの感傷も交えず、最も高い年俸をもらえるクラブへ行く人種だからだ(彼らの言葉で言えば、それが「プロフェッショナル」だ)。

 選手年俸の総額とリーグ順位の相関関係は、1シーズンだけを見ると約70%にとどまる。しかし連続した10シーズンを見れば、90%を超える相関関係がある。だとすれば、今シーズンの結果を予測するために僕たちがやるべきなのは、細かい話はいっさい無視して、選手年俸の額を確認することだろう。シマンスキーによれば、最新の正確な数字である2010~11シーズンの年俸総額は以下のようになる。

チェルシー 1億9100万ポンド(当時のレートで約252億円)
マンチェスター・シティ 1億7400万ポンド
マンチェスター・ユナイテッド 1億5300万ポンド
リバプール 1億3500万ポンド
アーセナル 1億2400万ポンド
アストン・ビラ 9500万ポンド
トットナム 9100万ポンド
サンダーランド 6100万ポンド
エバートン 5800万ポンド
10 フルアム 5800万ポンド
11 ボルトン 5600万ポンド
12 ウェスト・ハム* 5600万ポンド
13 ニューカッスル 5400万ポンド
14 ブラックバーン 5000万ポンド
15 ストーク 4700万ポンド
16 ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン 4400万ポンド
17 バーミンガム* 4200万ポンド
18 ウィガン 4000万ポンド
19 ウォルバーハンプトン 3800万ポンド
20 ブラックプール* 2500万ポンド
(*のついた3クラブは、このシーズン後に降格)

 もちろんこのシーズン以降、状況はいくらか変わっている。翌2011~12シーズンはマンチェスター・シティの選手年俸がチェルシーを上回り、リーグ最高になっていただろう。売買した選手の顔ぶれから判断すると、おそらく2011~12シーズンにはリバプールの選手年俸が上がり、アストン・ビラトットナムの年俸の順位は下がっている。

 そのあたりを考えながら上の表を見直すと、いくつかわかることがある。第一に、マンチェスター・ユナイテッドの監督アレックス・ファーガソンが、選手年俸から予測されるものより上位の成績をあげつづけていることだ。2010~11シーズンには選手年俸がチェルシーマンチェスター・シティよりかなり少なかったのにリーグ優勝を果たし、昨シーズンはわずか1ゴールの差でタイトルを逃した。

 第二に、アーセン・ベンゲルも15シーズン近くにわたって、選手年俸から予測できるものより上位の成績をあげつづけていることだ。ここ7シーズンはタイトルから遠ざかっているが、アーセナルファンはベンゲルについて不満を言うのをやめるべきだ。アーセナルの選手年俸では、そもそもベンゲルはリーグ優勝を狙えない。この点は今シーズンも変わらないだろう。

 ところがこの表の上位に、まったくもって情けないチームがひとつある。リバプールだ。2010~11シーズンには選手年俸が4位だったのに、実際の順位は6位だった。シマンスキーの推定によれば、この年のリバプールは選手年俸から予測できる順位を下回った幅がリーグで2番目に大きかった(最も大きかったと考えられるのはウェスト・ハム)。昨季は1953~54シーズン以来最低の勝ち点で8位に終わっているから、選手年俸との関係ではさらにひどい成績だったといえる。

 このところのリバプールの悲惨な成績は、ある意味で驚くべきものだ。リバプールは2010年秋、スポーツ界でも名の知れた倹約家であるアメリカ人のジョン・ヘンリーの手に渡った。メジャーリーグボストン・レッドソックスのオーナーでもあるヘンリーは、データを重視する「マネーボール」式のチーム運営術を駆使して、86年間に及んだ「呪い」を解き、レッドソックスを4年間に2度のワールドシリーズ制覇に導いていた。ヘンリーはイングランドで「マネーボール」のサッカー版をやろうとした。リバプールにデータを活用させ、選手年俸から予測できるものより上の成績をあげさせようとした。

 ところがリバプールがやったのは、まったく逆のことだった。選手年俸に見合う順位よりはるかに下位に終わったのだ。しかも選手年俸の総額が半分にも満たないエバートンより下位だったことには、素直に驚いていいだろう(これはエバートンの監督デイビッド・モイーズへの賛辞でもある)。いったいリバプールはどこがまずいのか? どうすれば逆襲に転じられるのか?

 ヘンリーはリバプールを買収すると、コモリをフットボール・ディレクターに据えた。コモリは、野球界の「マネーボール」の元祖であるビリー・ビーンの友人であり、信奉者でもある。彼はオプタのようなシステムが提供するデータをまじめに分析し、一見まともに見える補強方針を立てた。データによれば、スチュワート・ダウニング(当時アストン・ビラ)と若いジョーダン・ヘンダーソン(当時サンダーランド)はリーグでも有数のパサーだった。ニューカッスルの若いFWアンディ・キャロルは、クロスを決めるのが最もうまかった。そこでコモリは、この3人をすべて獲得した。

 しかし残念ながら、サッカーにおける「マネーボール」はまだ始まったばかりだ。確かにコモリは、クロス中心の戦術をとるうえでは最高の選手を集めたかもしれない。問題は、フットボール界がデータを駆使するにつれ、クロスを放り込んでもゴールに結びつきにくいことがわかりはじめていたということだ。

 試合のデータを最もきちんと分析しているのは、たいていフットボールクラブではない。アマチュアだ。保険会社などでデータを扱う仕事をしている人や、博士課程に籍を置く大学院生などである。

 ある優れたブロガー(http://2plus2equals11.wordpress.com/about/)は、リバプールの昨シーズンの戦いぶりを見事に分析している。彼によれば、リバプールはリーグで最もクロスを多用していたが、「クロスを決めるシュートの成功率があまりに悲惨だった。昨シーズンのリバプールは、流れの中からのクロスで1点を決めるのに平均421本のクロスを必要とした。この数字はリーグで最悪だった」。

 クロスを放り込むことだけが勝利への道ではない。コモリは好ましくない戦術に賭けてしまった。セットプレイからクロスを入れるなら、まだわかる。クロスを蹴る選手に、精度の高いボールを入れる時間とスペースがあるためだ。しかしディフェンダーと競り合った末に正確なクロスを入れ、そのクロスがゴールにつながると期待するのは今や無謀といっていい。
(続く)

( 出典先:Yahoo!ニュース )

分析は続くが、後編を読む根性は続かないと思います

 
 
 
 
金満シティに2度もリードしながら、結局2-2
2試合連続、負けていないもののスコアレスドロー、てなチームよりはマシと慰めました(どこか、ハッキリ書け
 
 
 
 
バルサが逆転勝ちで救われた
と同時に、「バルサは白組に負けず劣らず、天文学的負債抱えているのに、何故強い?」
小心者でなくたってフツーの神経であれば、夜逃げしたくなるですぞぉ
 
 
 
 
ま、成績が赤字だらけの名門を、それでもクラブ以上のクラブと比較するのが、無謀といっていい(溜め息)