mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

心に残ったドラマは、ある?~赤い運命~

 
 

 
永遠の名作‘ウルトラセブン’、涙なくしては観られない最終回ですね
1967年(昭和42年)10月1日から1968年(昭和43年)9月8日まで
TBS系で毎週日曜日19:00 - 19:30に全49話が放映されました
アタクシは1966年生まれなので再放送しか知りませんが
そんなの関係あるか、感動に優劣や貴賎は無~い




「アンヌ、僕は、僕はね…人間じゃないんだよM78星雲から来た、ウルトラセブンなんだ」
「え…」
「ビックリしただろ…」
「人間であろうと、宇宙人であろうと、ダンはダンに変わりないじゃないのたとえ、ウルトラセブンでも」
「有難う、アンヌ!」




シューマンのピアノ協奏曲をBGMに思いついた人は尊敬に値する
「今の特撮物も、もちろんいい部分はたくさんあるけど
昔の特撮モノ­にはその時代独特の『哀愁』とか『悲壮感』がある。」
「何者であれ、貴方は貴方だ。そんな貴方が好きだ!とか
異なる者を100%受け入れるミタイナそんな事言ってくれる人い­る???」
動画コメント一部が、梅毒で哀愁と悲壮感漂うシューマン選択の答えでしょう




アンヌ隊員って、女性の中の女性だわ
1980年頃、あるドイツ系若手女優が映画雑誌インタヴューで
「女の愛ってね、真剣に愛したら、理屈じゃないのよ
たとえゴミ溜めみたいな男で、殴られる日々でも、ついてっちゃうの」
さすがは親父年代ばっかに転び、黒い巨匠クインシー・ジョーンズの子供まで
はビックラこきましたと述懐して
アンヌ隊員とて、一瞬、「アタシ、人間じゃない男に…」
沈黙部分は、心の整理していたのでしょう
自分に言い聞かせるべく、「ダンはダンに変わりないじゃないの」
それでもいいじゃないの?
自分がダンを愛する心に変わりないじゃないのを確信したなら




ダン役の森次晃嗣氏は、個人的には、‘ふりむけば愛’(1978年・昭和53年)
モモエちゃんと結婚するも、彼女は友和さんと仲違いした勢いからであり
最後、モモエちゃんを取り返しに来た友和さんと殴り合い罵り合いの挙げ句
「悪いオンナに騙されたよぉ(泣)」と母親に国際電話かける
そっちが先に浮かびますけど




モモエちゃんといえば(ここからが、本題)




『赤い運命』(あかいうんめい)は、1976年4月23日~10月29日にTBS系列で放送されたテレビドラマ。赤いシリーズ第3弾。『赤いシリーズ』最大のヒットと言われた。

ストーリー
昭和34年9月26日に上陸した伊勢湾台風で、家族が行方不明となってしまった吉野(検事)と島崎(殺人の前科持ち)。彼らは、17年の時を経て、ようやく自分の娘を探し出すことに成功した。しかし、引き取られていた施設は、火事による混乱で、親子の証拠となる物が入れ替わっていた。吉野の娘は島崎の元へ、そして島崎の娘は吉野の元へ引き取られてしまう。やがて、偶然見つかった吉野の妻が、娘の腕にあった特徴を思い出し…。

キャスト(*一部省略)
吉野信人:宇津井健、島崎直子:山口百恵
大竹由美子:岸田今日子、吉野いづみ:秋野暢子
大竹修三:前田吟、吉野俊介:南條豊
島崎英次:三國連太郎、河野総一郎:佐々木孝丸
吉野剛造:志村喬、上村拓也:池部良、山村美矢子:有馬稲子

Wikipedia:『赤い運命』より引用 )





大作映画一本出来そうな豪華キャストですね
モモエちゃんの相手役が未来の旦那さん三浦友和でなく
同年の映画‘エデンの海’でも共演する南條豊に変わったのは
新鮮味を与えるためだったようです(結局、次の‘赤い衝撃’でモモトモ復活)
総体的には、熟練俳優が若いモモエちゃん(当時17歳)を支える形のドラマでした




異端というか気難しい三國連太郎が、ご都合主義的大映ドラマ出演
不思議に思われるでしょうけど、出演理由がわかっています
『モモエちゃんと共演したくて、自分から島崎役を買って出た』
翌年(1977年)、映画‘霧の旗’でも共演しました
モモエちゃんの女優としての才能を認めていたのですよ




島崎英次は確かに殺人犯であり、心はすっかり荒んでいる
「もう身体ガタガタで働けねえ俺を養わせるためよ」
出所後、逃げた女房が捨て子した娘を探し出した理由、何ともヒドイ
「俺の子かどうかも怪しいんだよ」と悪態つくわド突くわ
1976年当時、10歳の小学5年生だった当所管理人
そりゃもお小学生から見たら、「モモエちゃん虐める怖い親父~(怒)」でした




島崎英次という人物を誤解していた。若気の至りでした(当たり前か)
1994年頃、夜中の再放送を観ているうち、島崎の繊細さに気づいたのです
島崎の背景を調べると、戦争で上官から虐待され心に傷を負った過去がある
根っからの悪人でなく、理不尽な経験から人間不信に陥った孤独な男
邪険に扱われても「わたしのお父さんですから」と慕う直子を見て
「俺に何で、こんな出来た子が」、それでも嬉しくて情にほだされ
ちょっとしたアクセサリーを買ってきたりなど娘孝行しようとする優しさを持つ
それだけに、娘入れ替わりを知った時の反応は…
殺人容疑で収監中、大竹修三から「実の娘(いづみ)がいいに決まってるだろ」に
「俺の娘は、直子だよ」と言い放ち、監獄の中で「直子ーーー!!!」と絶叫
…TVの前で涙止まりませんでした(場面思い出したら、現在でも涙の海)




気を取り直し




絶対的悪役ではない、弱さを秘めた人間を演じるのは
真の演技力持つ(人間観察力持つ)役者でないと至難です
島崎の実の娘であるいづみ、この役にも当てはまります
いづみは元来、明るい子、ただ軽薄な所が見受けられる
孤児院育ちから上層中流階級令嬢へで有頂天になり、我侭な言動が始まった




吉野家の養子、つまり血縁関係の無い兄への想いから
俊介と相思相愛の直子への嫉妬、そして「人殺しの娘」との偏見
とにかく直子を罵倒するわイビるわ
いづみを演じた秋野暢子が、休日に街を歩いていたら、罵声や石が飛んできた
それくらい見事なイビリ役ぶりだっただけに
真実(自分こそ、人殺しの娘である)を知り、絶望して飛び降り騒ぎを起こし
悔悛して、小さな飲み屋を営む実母を手伝い、地道に生き始め
彼女の将来を思って俊介を譲る直子に、「本当に、いいの?」とオドオド
優しさが全面に出ていた直子とは違った魅力を、17年前発見しましたね




余談ですが




秋野暢子は大阪出身、大阪市内の偏差値高い某女子高に通っていました
mathichenさんは実をいえば、秋野さんの担任教師を知っており
朝から竹刀の素振り千回、トンカツと甘味を同時にの、ハゲ国語教師は置き
ある時、トンカツわんさか食べながら、秋野さんは努力型ではと尋ねたら
先生もトンカツにかぶりつきながら、「学年一の成績やった」
学年一の成績、これ、スゴイ話ですよ
高校時代にはすでに、大阪でとはいえ女優活動始めていた
多忙な中、ちゃんと勉強して、人並み以上の成績収める
現代のその辺のポッと出アイドルなんかに真似出来ますか?
‘赤い運命’ではイビリ役に徹するも、内心はヒロイン演じたかったかも
若い女の子だったら自然な話でしょ?
我欲を抑え、与えられた役を完璧にこなす
日常で培われた根性の賜物なのでしょうね




(追記)




男女の愛は地球を超え、人間愛は無慈悲に裂かれる(2012年4月28日)
【道化師にも喜怒哀楽が秘められている2012年1月23日)
ウェブリ休憩所記事2本を編集しただけ~