mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

読書の秋、おすすめの読み物は?

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リナ・ラザラス (Rina Lazurus)
ユダヤ教神学院の数学教師。正統派ユダヤ教徒。シリーズ開始時26歳。瞳はサファイア色、腰まで届く髪は漆黒。
17歳の時に結婚した夫イツハクが、24歳の時に脳腫瘍で亡くなる。夫がラビ・シュルマンの優秀な愛弟子だったため、夫の死後も神学院で数学教師とミクヴェの管理人をしながらシュムエルとヤコブの2人の息子を育ててきたが、男子学生のための神学院で暮らす自分を異端者と感じており、いずれ出ていかなければならないと考えている。
両親はビバリーヒルズ在住。3人兄妹の末っ子で、長兄は医師、次兄はエルサレムのサトマル神学院にいる(ハシード)。
ピーター・デッカー (Peter Decker)
ロサンゼルス市警フットヒル署の刑事。シリーズ開始時38歳。マージやマイクルと組んで未成年犯罪と性犯罪を担当する。
郊外にある自宅は農場を兼ねており、馬を飼っている。愛犬のジンジャーは人なつっこいアイリッシュ・セッター。愛車は79年型のプリマス
フロリダで8年間、警察官として働いた後、しばらくロサンゼルスで弁護士として仕事をし、ロサンゼルス市警に入った。別れた妻との間にの娘が1人いる。
自身が小学生の時に、両親から養子であることを聞かされる。実の両親はユダヤ人だが、バプティスト派の家庭で育ったため、自分がユダヤ人であるという自覚はなかった。リナとの結婚には自分がユダヤ人であることか、ユダヤ教徒である必要があり、自分がユダヤ人であることを明かすと育ての両親に対する裏切りのように感じたため、改宗を決意し、ラビ・シュルマンの元で勉強をする。
 
 
 
 
リナの暮らす正統派ユダヤ教徒コミュニティで起きた事件が、二人の出会いのきっかけ(第一作:‘水の戒律’)
リナは本来、一般アメリカ人とあまり変わらない家庭環境出身
世俗的な両親に矛盾を感じ、自分に一貫性を与えるため、戒律を厳守するイツハクと結婚した
息子たちがTVを観たりコンピューターゲームをしたりなどの世俗的な楽しみを認める余裕は持つものの
彼女を射とめる男性はユダヤ人かユダヤ教徒でなくてはならない、その信念に変わりはない
 
 
 
ラビ・シュルマンの独自調査によると、デッカーは間違った養家に送られていた
実母はユダヤ人家庭への養子を望んでいたのに、何かの手違いがあったらしい
何にせよ、ラビ・シュルマンは、デッカー(アキヴァというユダヤ名を与えられた)はユダヤ人の資格があるという
前妻がユダヤ人と縁深いながらもユダヤ人の自覚は持たないので、改宗は骨の折れる仕事であったが
紆余曲折の後、リナとの結婚を果たした(第四作:‘贖いの日’)
 
 
 
リナの再婚を祝福してくれるラザラスの義両親に招かれ、ニューヨークへの新婚旅行の結果
ラザラス夫妻の友人であるレヴァイン家の妻フリーダが、デッカーの実母とわかった
恋人と引き裂かれ、赤ん坊も取り上げられ、両親の決めた相手と結婚した、わずか15歳の少女
40年もの間決して忘れず、特に子供が生まれるたび意識した、彼女の『長子』、それがデッカー
アメリカ養子協会名簿に載っている子供だから連絡先を知っている、しかし一度も連絡しなかったのは
家族に知られたらどう思われるか。デッカーからも拒絶されたらどうしよう。恐怖心
そして、理由は何であれ子供を捨てた罪悪感
 
 
 
いろんなわだかまりが解け、フリーダ及びレヴァイン家を慮り、黙ってニューヨークを去ることにしたデッカー
ところが、リナや息子たちと帰りの飛行機を待つ空港に、思いがけない一団の登場
男性三人、女性二人。思い思いの格好をしていてダラケた部分も見られる、だが明らかに『アメリカ人』ではない
逃げるに逃げられない。六人の中で、デッカーが最年長。自分が行動を起こすしか道はない
デッカーが五人に向かって歩き出すと、五人もデッカーに向かって歩き出した
数秒が過ぎた。沈黙は続く。デッカーは言葉を探すも何も出て来ない
最初に行動を起こしたのは、男性陣のシモン。デッカーを抱擁し、頬にキスして、耳元で「アヒ」とささやいた
アヒとは?『わたしの兄弟』という意味
 
 
 
デッカーは『長子』であると同時に、レヴァイン家周辺で起きた事件を解決に導いてくれた恩人でもある
五人の弟妹は、デッカーの人柄を理解している
フリーダは、夫への罪悪感は拭えない代わりに、もう家庭持つ大人である子供たちには『罪』を告白したのだった
 
 
 
シモンに続く四人も抱擁とキス。最後のヨナタンは、デッカーの肩をそっと抱き、自分の方へ引き寄せ
「これであんたもいかれた家族の仲間入りってわけだ」
ヒネイ・マトヴ・マナイム、シェヴェット・アヒム・ガム・ヤハド(兄弟が集うのはなんて素敵なことだろう)♪
ヘブライ語の歌が耳に響き渡っていたデッカーは、声を上げて笑い、そして泣き出した
ようやく『帰郷』を果たせたのだから