mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

「私のマンガ大賞」は、コレ:ベルサイユのばら~栄光の座に酔いしれて

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写真右側は、‘歴史読本~世界の女王たち~’(1988年夏刊行)
ベルばら原作者である池田理代子先生と作家・遠藤周作氏による対談の中で
池田先生は、フランス国王ルイ16世はあとを語っておられます
 
 
ルイ16世といやぁ、ブッサイクな野暮天丸出し宿六
趣味は、錠前作り。ふとっちょで、ダンスは下手クソ
小心者だもん、貴婦人と気の利いた会話なんて出来ないよぉ
現代であれば、合コン参加は永遠にムリね級でございます
そんなダサ男を、池田先生は「ヒザ枕して、ナデナデしてあげたい」
「オンナに騒がれてカッコいいオトコには興味ないんです」
やはりブッサイク系遠藤氏は、同席の編集者に「有難いお話ではないか」
 
 
アタクシも同感ですね
セスクやエド・ハリスみたいな男前は大好きながら、イケメンはでぇっ嫌いだ~
いくら最愛の彼女を苦しめた民衆を憎悪するあまりとはいえ
冷酷な権力者と成り果てたフェルゼン、血祭りにあげられた最期ザマァみやがれぃ
 
 
まぁルイ16世は、写真左側をよく見れば、悩んでおられたのはわかるんですけど
「でも、愛しているのだよ。いつもほったらかしにしておいたけど
わ…わたしが…もう少しスマートで、美しくて…そしたら…
そしたら、愛しているという言葉を一言でも貴女に言えたのだろうに…」
「こんなわたしと結婚して…もう二人の王子を生んでくれて、王妃としての義務を果たしてくれたのに
貴女が女としての幸福を求めるのを、どうして非難することが出来るだろうか…」
 
 
この場面は
「王大子ルイ・シャルルは、陛下の嫁とフェルゼンの…イヒヒヒ」との密告状を読んでガク然とするも
フェルゼンへの想いを認めた上で潔白を断言する王妃に、信じるを了解するうなずく姿の後ですが
…こんな素直なオトコ、現代にはおらんよねぇ~(でも、可愛くて♪)
 
 
マリー・アントワネットの若い頃の遊興三昧は
野暮天亭主と夜を過ごしたくなかったのが原因とも言われます
18禁ネタなので各自検索かけて調べて下されは置き
欧州随一の名門ハプスブルク家皇女とはいっても
女帝マリア・テレジアが、厳しい倫理観による子女教育と同時に、のどかな家庭の味も提供したおかげ様で
マリーちゃんは、子供の面倒や快適な家庭環境の工夫を自分でするのが好きなタイプであったよう
そんなギャルが、何百何千人もの使用人にかしずかれる全てに格式ばったベルサイユに嫁ごうものなら
え~いコッソリ夜遊びしちゃえ~い、イケメンと踊っちゃうんだも~ん、浮気じゃないからイイじゃ~んetc.
ウサ晴らしわからんでもないですわな
 
 
驕る平家は久しからず、贅沢三昧は国家の金庫がスッカラカンを招く
だけでもかなわんのに、革命まで招いた
国王一家にも遂にベルサイユを永遠に去る日が訪れ、小汚いテュイルリー宮殿
 

この頃には、王妃もすっかり大人しい家庭的な女性に落ち着いていたから
「不幸になってみて、初めて、人間は自分が何者であるかわかるのですね…
わたしはいままで、ただ無意味に歌い踊り…人生と戯れていただけのような気がします…」
何とも殊勝なお言葉だけに
実は何もわかっていないに等しい事実を突きつけられた時には…
 
 
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国王の処刑後、母親による帝王学教育を恐れた革命委員会が、王大子を取り上げに訪れる場面
王妃は絶叫しながら取り上げないよう懇願し、「あなたたちも、人の子の父親でしょう!!」
すると…
「そうとも、ワシらにも息子がいた
ワシらが息子に飲ませてやるミルクもなく
栄養失調で死んでいくのをただ黙って見ていることしか出来なかった時
アンタは、贅沢な宮殿で、宝石を身につけ、笑っていた…」
 
 
玉座に就いてそれ相応の生活を送るのは罪ではない
しかしながら、国民の幸福こそ、王や女王たるものの幸福
よく勉強して、自分の欠点を克服、贅沢したいという欲望に打ち勝っておくれ
息を引き取る瞬間まで娘を案じ続けたマリア・テレジアの願いを感じ取り受け取っていたら
その後のフランス史および欧州史、そして世界史はどう描かれていたでしょうね…