mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

倒錯美の晩餐館~トランス / 愛の晩餐~

トランスジェンダーを「トランス」と略している時、地獄の記憶力が稼働していた

「トランス」が邦題に入る洋画が気になっていた

トランス - Wikipedia

・トランス/TRANS - ジャン=ミシェル・ロー監督による1997年のフランス映画。

・トランス (2006年の映画) - テレーザ・ヴィラヴェルデ監督による2006年のポルトガル映画

・トランス (2013年の映画) - ダニー・ボイル監督による2013年のイギリス映画。

ちゃう!もっと以前、結構古い映画や~

検索掛けてみた結果

トランス/愛の晩餐 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

https://www.youtube.com/results?search_query=der+fan+1982

そおそお、コレコレ、1984年日本公開の1982年西ドイツ映画

 

 

 

 

原題がDer Fan、英語のThe Fan

「熱狂的な」を意味するファナティック (英:fanatic) の略

従って、トランス (意識) - Wikipedia、Trance、恍惚状態に通じ、的外れまで行かない作品邦題ね

 

 

 

 

女子高生ジモーネちゃんが、ニューウェーブロックスター「R」にガチ恋する

尚、「R」役のボド・スタイガー

Rheingold / Das steht Dir gut (Der Fan 1982) - YouTube

" Der Fan" - war das nicht ein Film mit Desiree Nosbusch? Ein Fan dreht durch...^^

映画の映像ちゃいまっせww

Rheingoldのヴォーカル、本物の歌手で、劇中の曲もRheingoldが作った

イケメンと言うには…の配役に納得行く

 

 

 

 

16歳のシモーヌ

彼女は学校にも行かず郵便配達員を待つ。

3週間前に「R」へ出した手紙の返信を持っているかを確かめるために。

返信は一向に来ない。

 

それもそのハズ。「R」は世界的ミュージシャンでスター。

まぁ返事なんて普通は来ないね。

そして彼女はいわゆる熱狂的な痛いヤバいファンてやつ。

ニューアルバムの曲は「R」がシモーヌの為に歌ってるらしい。と、妄想も合格。

 

とりあえず手紙を出しまくり返信を待っている日々。

授業を受けても当然集中出来るはず無し。

一週間待って返事が来ないなら直接会いに行くと決める。

 

そしてシモーヌは家出し、ヒッチハイクしながら「R」の元へ。

とりあえずテレビ局でアテのない出待ち。

奇跡を待つ。

熱狂的なのにサインの列に加わらない奥床しさを持ちながらも、ぶっちゃけ、腐れメンヘラのジモーネ

もしファンレターの返事が届いていれば(・・?

愛や忠誠心は時として人を狂わせる~ザ・シークレットサービス~ - mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

殺したいほど愛されて - 映画、音楽、文学

ja.wikipedia.org

スター自宅まで押しかける男女逆バージョンかね

返事来なくても妄想系は自分に好都合な解釈してストーカー化と思われるけど

「素敵なお手紙有難う♪ アナタのスター様より☆ 」という具合に反応=撒き餌と言えよう

元々ストーカーっていうのはストーカーの対象本人でなく、それを自分の中で理想化して付き纏う場合が多い

美化した対象が屁をこいただけで理想像が崩壊し、可愛さ余って憎さ百倍へと変わりかねず、殺されるかは対象者次第

 

 

 

 

「R」から返事は来ないまま、ジモーネに奇跡が起きた

何とま~、「R」が直接声を掛けてキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

ジモーネは何も答えられないまま気絶し、目が覚めるとスタジオ内で「R」が心配げにに手を握ってくれていた

その後も、奇跡は続々と起き、「R」友人が留守中のアパートで遂によろしくヤっちまった

 

 

 

 

早い話、可愛いコだし、「R」が一発ヤリたかったまで

スッキリした所で「R」はバンドメンバーに冷たくし過ぎたとかで仕事に戻ると急に言い出す

ジモーネは引き留めようと必死になるも思い通りに行かない=「相思相愛」の妄想が崩壊

独占欲に支配されるジモーネの中で何かが切れ爆発し、近くのブロンズ像で「R」の後頭部を打撃する

殺しても愛しているほどの熱狂度により

台所へ遺体を引きずり運び、涙流しながら電ノコで細かく解体し、血を舐め、冷凍庫で保存した

食べちゃいたいほど愛していたの開幕であった

 

 

 

 

ジモーネは綺麗に美味しく頂いた後、残った骨はミキサーに掛けて粉末にした

アパートの掃除、遺品の整理を終えると、頭を剃り、再度TV局の前へ

「R」が行方不明となったの報道されなかったのか出待ちするファン達の後ろで散骨、残りを全部歩道へ散骨

何かは黙っとくけど「お土産」を持って、泣きながらその場を後にする

 

 

 

 

キモイ映画ってか(・・?

お食事場面にポイント当ててないので、どう捉えるかは鑑賞者の感性次第

 

 

 

 

個人的に、西ドイツ映画ならフランスとの合作だけど

イザベル・アジャーニ主演「ポゼッション」、ブッ飛びの変態映画です : 編集長コラム 映画って何だ? - 映画.com

1987年東京国際祭の折、渋谷東急の座席でブッ飛びそうになったほど気持ち悪かったわ~

監督のアンジェイ・ズラウスキ自体

L'Amour Braque (1985) Bande Annonce VF [HD] - YouTube

撮影当時まだ18歳のソフィー・マルソーを素っ裸にしたと『狂気の愛』と狂w

 

 

 

 

気を取り直し

 

 

 

 

mathichen.hatenablog.com

1970年代には現代基準なら一発即死レベルの少女映画が多く、1980年代にも結構あったような

1982年作品『トランス / 愛の晩餐』これも、可愛い少女が素っ裸になる

殺人少女シモーヌを演じたデジレー・ノスブッシュが可愛らしい。

この作品は公開当時の82年にはドイツではかなり誤解されていたようだ。

様々な雑誌に批判を繰り出し、不評だったが、

2010年にドイツ歴史博物館がこの作品を再上映したときに評価が一変したそうだ。

やはり初公開当時はヌードシーンに関するスキャンダラスが話題の中心だったようだが、

主演の女優が"ミュージックボックス"と言う音楽番組の司会を務めて"きれい"なイメージで売っていた、

アイドルだっただけにかなり衝撃だったらしい。

興味深い点として

個人的に言うならその清楚派の女優の裸のスキャンダルと言うよりかは、

ナチスドイツを彷仏とさせる様々な演出に非難が来たのかなと思ったがそれは違うのか、果たしてどうなのだろうか。

この作品は案外挑発的な裏面がある。

ドイツ帝国、第3帝国のカラーバリエーションを密かに忍び込ませているような場面もあれば、

ルーン文字(ゲルマン人の古い文字体系)を含むようなRなどがある。

特にプロモーションビデオでの親衛隊の制服に似た服を試着させたマネキンとエキストラのショットは思いっきり挑発的だ。

Blu-ray付属のブックレットによれば、本作の至る所で見られるナイスドイツの面影

(ハイルヒトラーの写真、Rのルーン文字感、黒赤白のカーテン、SSのロゴマーク、Rが着るナチス親衛隊を思わせる衣装等々)は、

資本主義や大手メディア、商業的スターを嫌っていた反商業主義なシュミット監督による、

それらをナチスと同化させることで批判する「挑発」らしい。

そう考えると非常にわかりやすく、

ナチスであるRに惹かれ、「同化」し次世代へとそれを継承させようとする主人公は、

ナチス時代を知らない若者たちがそちらの思想へと傾倒し、

未来へと種を植えていくことを憂いた作品だと捉えることができるように思う。

それこそが主人公がこじ開けたパンドラの箱なのであり、若者たちを考えているようで無視し続ける社会そのものへの批判。

そう考えるとめちゃくちゃ『ミッドサマー』っぽい。

 

だから本作は、シモーヌナチスに触れてどうリアクションを取るかってことに重きを置いており、

解体シーンにおいても対象そのものよりも

ひとつずつゆっくりと作業をこなしていくシモーヌのリアクションを繊細に捉え続けているのがわかる。

涙を流しながら切断し漏れ出した血をすすり恍惚の表情を浮かべる。

行為の残虐さと表情の美しさの対比もさることながら、

逆レイプ的でありつつも最大限の愛情を持って文字通り自身の血肉に変え

ナチスへの同化を決定づける絶頂を迎えるのが凄すぎて感動した!

反商業主義映画という点w

ヒトラーなんか知らないよ~マイ・ファーザー 死の天使~ - 映画、音楽、文学

ヒットラーなんか知らないよ|MOVIE WALKER PRESS

Le Cinéma est mort: Time and Tide (Hark), M (Zauberman), Hitler connais pas (Blier) - YouTube

1970年代後半から1980年代前半にかけて台頭しつつあった「戦争を知らない子供達世代のネオナチ」に焦点を当てているしね

 

 

 

 

フィルム撮影って、猥雑、淫靡が似合う

古の欧州映画の中で仄暗さを醸す(西)ドイツ映画が好きな理由だ

仄暗さを好む方々、全体主義へと向かう21世紀現在に知力テストを兼ね

『トランス/愛の晩餐』鑑賞、一度どおよ(・・?