mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

阿修羅の如く

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洗面所の暦をめくったら何故か当記事題名が浮かんだ

阿修羅のごとく - Wikipedia

長女・綱子は夫に先立たれ生花の師匠として生計を立てている。

次女・巻子は中学生の一男一女をもつ、平凡なサラリーマン家庭の主婦。

三女・滝子は図書館の司書勤めで男っ気がまったくなし。

四女・咲子は親兄弟にも内緒で無名ボクサーと同棲している。

そんなある日、滝子が興信所に調べさせ、四姉妹の父親に愛人と子どもがいることが判明。四人は集まって母親を気遣いながら対処について話し合う。

しかし、自分たちも「秘め事」や「隠し事」を持っていて、周囲のさまざまな人を巻き込みながら疑心暗鬼が頭をもたげる。

「嫉妬」そして「男と女」。

家族でちゃぶ台を囲みながら、庭先で白菜を漬けながら、日常のひとコマの中にちらっと覗く、内なる「阿修羅」。

それでいてホームコメディのように人間模様を描いた作品。 

阿修羅のごとく-YouTube

阿修羅のごとく同窓会/加藤治子・八千草薫・いしだあゆみ 2003年1月-YouTube

昭和から40余年後、平成からおよそ20年後

令和に於ける「阿修羅の如く」それは👇

突然発表..2021年09月02日-YouTube

登場人物が5名+2名のアレw

永田町方面にも軽く(・・?と大欠伸して

 

 

 

 

昨日の朝が早かったもんで、昨日記事投稿後少し昼寝した

夕方、J:COMの内蔵HDDの録画リストを整理し、流し見したのが👇

mathichen.hatenablog.com

mathichen.hatenablog.com

市川崑監督&兵ちゃん(石坂浩二)の金田一さんシリーズのうち、岡山県篇ね

 

 

 

 

山間の寒村、瀬戸内海に浮かぶ孤島、どちらも排他的な僻地

鬼首村が獄門島から見ると、異星に映るほど拓けた世界

 

 

 

 

岡山と兵庫の県境にあるとされる鬼首村はま~限界集落じゃない

クルマも走ってないような僻地に温泉宿(亀の湯)の商売上がったりで成り立たへんやろw

村の青年団がクルマ移動してるし、路線バスも朝夕1往復ずつくらい走ってるでしょね

金田一さんが山向うの総社の町に向かう途中、おはんと名乗る老婆とすれ違うが、総社に県外と繋がる列車の停車駅がある

鬼首村⇔総社は徒歩での行き来可能な距離で、鬼首村はマァ郊外の郊外みたいな?

 

 

 

 

一方、獄門島では、連絡船が、孤島⇔本土の唯一の交通網だ

島内にクルマあっても、日常は精々チャリンコで用足りる、狭っ苦しい島と思われる

島から出た経験無い早苗なんてバスや電車に乗ったコトあるん(・・?

 

 

 

 

鬼首村と獄門島の言葉の違いが気になる

厳密に言えば、アクセントの違い

悪魔が来りて笛を吹く』原作の第二十五章【アクセントの問題】に

中国地方の生まれ育ちであるはずの三島東太郎が上方アクセントで話すについて金田一さんが

「蜘蛛と雲、橋と箸と端、炭と隅…それらの言葉のアクセントが東京と違うのは、上方と言っても近畿地方に限られ

兵庫県から西、つまり岡山県へ入ると、また東京と同じになる」

岡山弁 - Wikipedia

一部の地域を除き、東京のそれに近いのね

岡山弁まとめ|県外の人が恐怖する方言を集めました | tabiyori どんな時も旅日和に

マジわからんと逃げといて

鬼首村と獄門島で話されるアクセントが東京式と京阪式の中間や混在っぽければ

日本の東西南北各地出身で構成される映画やドラマの出演陣に便利じゃね

どうしても東京式👉京阪式もしくは京阪式👉東京式が困難な男女優にとってね

熊本訛り+坊さんの眠気催させる説教口調、そお笠智衆、あれはあれで風雅なんだけどねw

 

 

 

 

 

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門島の美人はパッパラパ~三姉妹

長女・月代を演じた浅野ゆう子の京阪式が板に付いてるの当たり前だの🎉

兵庫県神戸市東灘区出身やで

宮沢りえ登場以前の時代にゃNo.1級の長い美脚を思い出しといて

 

 

 

 

三姉妹の異母兄に当たる本鬼頭の千万太、彼の臨終場面を観るたび「修羅場だね」

俺が帰ってやらないと…妹達は、殺される…

祖父・嘉右衛門の遺志、生前からの執念は、本鬼頭家を長男・与三松の長男・千万太に継がせること

三姉妹が無惨な最期を迎える夢を見るほどまで嘉右衛門が三姉妹とその母・お小夜への憎悪に燃えるを、かねてより知っている

本家の跡取り長男様なら祖父さん色に染まっていて不思議じゃないのに、お兄ちゃん優しいね

思うに、千万太が無事生還果たしたとて、口外出来ない修羅場は延々と続いたわ

嘉右衛門亡くなれど、遺志を知る了然和尚他が残っている

千万太もまた遺志を知ることを知らない和尚達にだって、墓場ネタ

本鬼頭が嘉右衛門の望む通り、千万太の跡取りで繋がり、網元も衰退と消滅を免れるとして

日本版マザー・グース殺人事件が発生せずとも、獄門島の一部には、秘密を知る者が死に絶えるまで、阿修羅の如く

 

 

 

 

鬼首村では、リカ一人が、過去と現在の事件に関して内心「阿修羅」

 

 

 

 

現在の事件で強いて見出せば、由良の泰子に対する仁礼の文子もか

文子は歌名雄への片想いで、泰子さえ消えれば一縷の望み繋がるじゃん

実際、泰子の通夜を行う由良家の片隅で、死んだ泰ちゃんにも聞いて欲しいからと歌名雄に告白する

ありゃ相当長い間、餓鬼の頃から、悶々としていたとミタ

 

 

 

 

文子が歌名雄に片想いを知っていた知らずにいたのいずれにしろ

文子、歌名雄と相思相愛の泰子、二人とも、彼女達を眺める位置にいるリカにとって修羅場の要因である

泰子、文子、そして千恵の身代わりとなった里子の全滅後、リカに呼び出された千恵だけが

青池源治郎と恩田幾三が同一人物のため、三羽の雀の全羽、歌名雄とは異母兄妹関係と知ることになった

この場面、異母兄妹云々がリカにもたらす苦悩の他に、リカの嫉妬心が露呈される

四姉妹のうち、リカの産んだ里子が

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ウワバミ雀

四羽の雀が1977年映画版女優陣と同じ容姿を抜きに、同じ容姿であれば尚更、里子が千恵と双璧の別嬪さんであろう

里子を妊娠中に亭主を焼いちまう格好で殺したリカにとって

妊婦が火事を見ると赤痣の児が生れる (助産婦雑誌 2巻6号) | 医書.jp

俗信であっても、悔やんでも悔やみ切れない

悪いのは亭主だけど

その亭主が他所で孕ませた娘達は、里子の姉妹なのに、五体満足に産まれ、健康に育ってるを目にするにつけ

里子が不憫でならず、とりわけ全国的スターとして成功した千恵に対する嫉妬心は拭えまい

千恵には「実の父親は詐欺師で殺人犯」が重い十字架とわかっていようとね

でも結局、嫉妬心で眼が曇り判断力が鈍ったのか

御高祖頭巾を外した里子の意思を見抜けず、里子を千恵と間違えて殺してしまった

里子は自分の命と引き換えに、千恵を救うと同時に母の罪深さを知らせた

母憎しというのでなく、愛するが故の絶望というのかね

 

 

 

 

リカは獄門島の了然和尚と違い、阿修羅同士だが共感し合える同士の者がいない意味で孤立無援だ

青池源治郎と恩田幾三が同一人物をリカ以外に知る者は唯一人、お庄屋

そのお庄屋が強請り屋タカリ屋の極悪人とあって、リカは20年もの間ずっと独り耐え忍んでいた

 

 

 

 

事件の真相をひた隠しだけで神経すり減らすものを

次から次へとリカの足引っ張るみたいなことが追加される所為で、物事忘れっぽいんじゃねか

女中のお幹に指摘されるまで、磯川警部の晩飯を綺麗サッパリ忘れていたのは多分

阿修羅状態が絶える暇無く続くため、些末なコトまで覚えてる余裕無いんでしょね

 

 

 

 

磯川警部と言えば、リカに片想いしており、リカの理解者にして協力者になろうとしてくれる

リカの心を軽くしようと、自分自身の納得行く答を得るべくと合わせ、20年前の真相を突き止めようとする

リカが源治郎を憎んでも憎み切れず好きに気づかんほど野暮天とあって、リカもさぞかし迷惑していた?w

磯川警部に関する個人的見解を書くと

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「一つの事実、二つの真実」を磯川警部が見抜く機会、過去にあったと思う

世間や警察が「恩田幾三=詐欺師で殺人犯」と断定する事件に、加害者と被害者が逆じゃないかと疑問抱けるほど知力が高い

惜しむらくはリカへの恋心が、「リカ=悲劇の女性」と眼を曇らせていた点だ

冷めた眼でリカと接していたら、何か変と見て取れた気がする

 

 

 

 

老いらくの恋煩い警部wさておき

お庄屋を除く鬼首村住民達もまた、それと知らずにリカを追い込んでいたと言えよう

枡屋の雀(泰子)に取って代わりたい秤屋の雀(文子)を後押しする格好の仁礼の嘉平よ

文子は別に親父の権力を盾にするつもり無いものの、嘉平が文子を歌名雄の嫁にとリカに迫っている

里子をいつまでも蔵の中にヒッキーさせておけまい、恐らく嫁の貰い手も世話しようと持ち掛けている

妹の産んだ父無し子をサッサと厄介払いするどころかむしろ案じるが故にの、善意に基づく提案と思う

その悪意無き善意がリカにとって苦痛の種だよね…

 

 

 

 

リカの眼に、泰子と文子と千恵それぞれの母親がどう映っていたかも興味深い

泰子の母なんて、原作では

悪魔の手毬唄 - Wikipedia

由良 敦子(ゆら あつこ)

卯太郎の妻。未亡人。大柄で 負けん気が強く、「八幡様」と呼ばれている。仁礼嘉平に対抗意識を燃やしている。

夫の存命中、恩田幾三との不倫関係の果てに身ごもり、産まれた泰子を夫との子として届ける。

一時、嘉平と男女関係になるが、放庵が泰子の出生の秘密を嘉平に明かしたことが原因で別れた。

過去の事件と直結しないけど、一度ならず二度までもプリ子とか、どんだけ阿修羅?w

文子の母・咲枝は文子を産んだ後20歳くらいの若さで他県に嫁ぎ(嫁がされ?)、住民達との縁は薄い

千恵の母・春江も、千恵を若くして産み、こちらは「加害者側」だし、やはり村との縁は薄い

ただ、もしも何かの折に村で顔合わせていれば、敦子と咲枝はお互いの娘が同父を知ってるから…

 

 

 

 

門島と鬼首村の双方、血縁と地縁の呪縛を受ける阿修羅の如くという感想ねw