mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】

~midnight dribbler~(ウサギ畑でつかまえて)

妄執に満ちた遺志の勝利~獄門島~

EUROガン無視するw

 

 

 

 

 

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獄門島 (1977年の映画) - Wikipedia

獄門島 - Wikipedia

逆さ吊り花子を目にした了然和尚の呟く「きちがいじゃが…」、やっぱ「き」が消され、「違いじゃが…」にやったな

『獄門島』に於ける「きちがい」を漢字で書くと「季違い」、しかも耳を澄ませて聞くと「季」と「違」の間に小文字の「ぃ」

作品発表時の時代的背景ウンタラの断わりテロップ入れりゃ済むすら認めん差別ガー配慮ダーこそ

無駄に意識高い系という現代基準絶対主義でホンモノ気違いやけどなと嘆いて

 

 

 

 

「よし、わかった!…ワシが間違っていた」

幕切れ、獄門島から本土へ向かう連絡船での等々力警部が好きだ

どっかのお飾り総理にゃ不可能な、間違ったら言い訳せず自分の非を認める潔さね

 

 

 

 

この映画を観るたび違和感受ける点︰「早苗」

本鬼頭家先代・嘉右衛門の隠し娘に設定ともかく、マトモな早苗の婿取りにより島の安泰保たれる近未来が予想される

ところで早苗はその後、事件から21年後の小説『悪霊島』に名前が現れる

婿取りして本鬼頭家を継いだとて、明治維新の変動に巻き込まれるも戦前までは辛うじて維持されていた網元制度が

戦後になると漁業に対しても労働法制が適用され、漁業権に近代的な改革が行われ、やがて特権を失い、姿を消すため

早苗さんは今どうなっているんだろうと、金田一さんが思いを馳せる場面だ

昭和21年の21年後がビートルズローリング・ストーンズの時代である1967年を考えてみ

悪霊島』には『悪魔の手毬唄』で美魔女リカに片想いしていた磯川警部が登場するけど

金田一さんが『獄門島』に於いて早苗にそれとなく島を離れて東京へを誘うから、クダクダ説明不要よね

それだけに映画では、早苗が心からそう思ってるかは置き、島から出たこと無いを自嘲し

金田一さんの「何処も変わらないですよ」に「貴方は何処にでも行ける人だから」の場面がどーも気に食わん

時代が変わろうと地縛霊人生を受け入れる覚悟が薄れるじゃん

 

 

 

 

門島に地縛霊、ある意味、嘉右衛門の「執念」に延々と憑依され続けるのやら

悪魔の手毬唄』の舞台・鬼首村が他所者にとって生き辛い僻地だね

鬼首村出身で亀の湯の次男・青池源治郎とて、小学校卒業後に神戸市に出て

その後、旅の空で知り合った者同士の自由結婚であるリカ共に、鬼首村では決して楽じゃなかった

門島のように、嘉右衛門は無論、島自体が他所者を忌み嫌う排他的な土地柄だったら

本土ではビートルズが武道館でコンサート開催しようと学生がゲバ棒振り回そうと

旅回り一座が唯一無二の娯楽的な孤島に近いまま、島民は幽閉っぽくなると思われる

旧態依然とした網元を継ぐ早苗は言うに及ばず

原作では嘉右衛門の妾に留まり映画では早苗の実母・勝野のような、流転の果てに拾われた格好のアウトサイダーにとって

門島が21世現在に実在するとして、限界集落化しても尚、牢獄に等しい島であり続けている気がしてならん

 

 

 

 

ところで、金田一さんってさ、どの事件に於いても最後「僕がもう少し早く気づていれば」てな言葉で力不足を謝るね

力不足どころか、歩くマッチポンプと思えるのアタシだけ(・・?

『獄門島』の場合

「アンタどっちみち来島するにしろ、本土側岡山県で磯川警部への挨拶に寄るなど1週間ばかり休憩してから来いや」

 

 

 

 

亡き嘉右衛門の遺志、生前からの執念は、本鬼頭家を長男・与三松の長男・千万太に継がせること

千万太が無理なら、早苗の兄で分鬼頭家の一に継がせる

与三松の後妻・お小夜の産んだ月代、雪枝、花子の美人はノータリン姉妹なんぞ逝ってまえを夢に描くほど憎い

早い話

・千万太が戦地から無事帰還する

・千万太が戦死でも一は帰還する

・どちらも帰還する

三択であって、何処のドラ猫の骨と知れぬ男に咥え込まれるやらの三姉妹でなけりゃ良し

 

 

 

 

嘉右衛門は戦中に亡くなったが、了然和尚そして漢方医幸庵と荒木村長が嘉右衛門の遺志を受け継いでいる

一の復員を知らされたら、ひとまず安心し、「戦友」へのお・も・て・な・し至れり尽くせりする歓喜に満ち溢れよう

そこへ、千万太の戦死を知らせる金田一さんが登場すると?

もう一つおまけに、戦争中供出されていた寺の釣鐘まで、鋳潰もされず無事帰還を果たすと??

三姉妹の命運が尽きる条件揃い踏みにより、日本版マザー・グース殺人事件開幕のゴングが鳴る!!!

 

 

 

 

復員詐欺すなわち一もまた戦死してしまったとも露知らず

原作では爺さんトリオ、映画では和尚と勝野にとって、三姉妹を頃し損のクタビレ儲けやがな

釣鐘は自分の意思や都合で日程決めて帰還出来ない故に

復員詐欺が知れるまでの数日間に金田一さんが来なけりゃと、映画を観るたびツッコミ入れてるわw